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VCの投資判断のポイントは?

コンシェルジュ通信では、スタハで実施しているコンシェルジュ起業相談の事例をもとに、少し発展的なトピックスをご紹介します。
今回の担当は、佐々木博コンシェルジュです。

ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達に挑戦するときのポイントは?

ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達に挑戦したいのですが、VC側の投資判断ポイントはどんなところにあるのでしょうか?

まず、VC投資を受け入れるということは、会社の一部を他社/他者に渡してでも資金を取り込み、相当な速さで成長させていくということなので、 自分の裁量ですべてを動かしていこうとうする経営者・会社には向かない資金調達方法といえます。一方で、非常に面白いビジネスモデルや技術があって成長性が期待できる場合は、売上が全くなくても本来は銀行が役割を担う運転資金に至ってまでの投資が実現することもあります。これまでに、VCという立場で投資を行ったり、また一方で、他のVCからの投資をお願いする側に立ったりした経験から、投資する・される側双方の視点からアドバイスさせていただきますと、VCが投資決定する判断ポイントとして、以下のような事柄が挙げられます。

1.事業内容もさることながら、実は、代表者の人間性や事業への取り組み方は非常に大きな判断材料となります。

1)社長の経歴や人間性は最大のポイントです。経歴といっても学歴のことではなく事業の経験値、判断力、直観力、まじめさ、なぜその事業をやろうと思ったか、事業にかける情熱、2、3年先の環境変化を踏まえた事業の変化を洞察できる能力などです。何回か重ねられる会議を通じて、このような点も判断されていきます。

2)また、チームをまとめて仕事を進めていける潜在能力があるか?ご自身1人で出来る仕事の幅には限りがあり、事業を推進していくためには、他の人に協働してもらって進めていかねばなりません。その時に、周りの人と上手く仕事を進められる力、仲間の能力や性格を見極める能力は重要で、それが欠けていると経営チームが内部から崩壊してしまう恐れがあります。いわゆる「コミュニケーション力」「人をまとめていく力」「リーダーシップ」があるかどうか、が重視されるのです。

2. 事業内容については、下記が主な判断ポイントになってくるといえるでしょう。
・事業が独創的地位を築けるか
・参入障壁が低く競合が多い事業の場合は、どのように競争優位を築けるか
・ビジネスモデルにおけるマネタイズの方法(物やサービスの売買、SaaS型など)と、その計画の妥当性

3.投資を受けるということが意味するところをしっかり理解しておきましょう。VCからの投資を受けるということは「上場する、もしくはVCが保有する株を第三者に売却する必要がある」ということです。投資側は、運用するファンドの種類によって、投資後の上場あるいは売却までのシナリオを起業家とすり合わせをしながら描く必要があり、起業する側もその協議に相対していくことになるのです。

実際の投資判断に至るまでには、上記のポイントを何回かの会議を重ねて見極めていきますが、何れにせよ、自分の言葉で事業計画などを真摯に話せるかどうか、が非常に重要です。時折、外部に依頼して作成した事業計画を、あたかも自分が作った計画かのように話す起業家がいらっしゃいますが、自分の言葉で話すことができないことはすぐに見抜かれてしまいます。また、VCや周囲の人と検討を重ねる中で、なるほどと思ったところは取り入れて微修正してゆく度量と柔軟性も必要になってきます。自身の考えに固執しすぎない姿勢は、かえって信頼を得ることに繋がる近道だと思います。

VCからの資金調達をご検討の方、疑問や不明なことなどがあれば、ぜひご相談ください。

コンシェルジュ 佐々木 博

 


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