女性起業家インタビュー 按田 優子さん

女性起業家インタビュー

東京の街でライフスタイルをテーマに起業した、さまざまな人たちにQ&A形式で話をうかがっていきます。


按田 優子さん プロフィール

1976年東京生まれ。料理家。按田餃子店主。
「ブラウンライス」にて菓子・パン製造、「Kanbutsu Café」を経て独立。
2012年写真家の鈴木陽介氏と代々木上原に「按田餃子」を開店。
2018年に二子玉川に2店舗目を開店。

著書
「男前ぼうろとシンデレラビスコッティ」
「冷蔵庫いらずのレシピ」
「たすかる料理」
「食べつなぐレシピ」

連載中
朝日新聞デジタル&W 「按田さんちのごはん」
月刊よろず 「¡Buen provecho!」

Q1: 起業される直前のお仕事を教えてください。
A1:乾物を使ったおかずとお菓子の店の店長。

Q2: 独立、起業を考えたきっかけを教えてください。
A2: 31歳の時に離婚しました。その時に、こういう制度の枠組みで誰かと暮らすことはもうこの先ないだろうなと思ったと同時に、ならばなぜ私は組織に属して仕事をしているの?と疑問が湧いてしまい、また、そうこうしているうちに2011年に東日本大震災があり、いっそのこと会社も辞めました。独立、起業しようという気はなくて、自分の好きにお金と時間を使って生きたいと思っていました。何かの枠組みを前提にした価値観に閉塞感を感じていました。

震災をきっかけに自宅の冷蔵庫の電源を抜いて生活してみたところ、とても快適だったので、乾物と漬物を軸にして生活するための実用書「冷蔵庫いらずのレシピ」を発刊。その時に写真を撮ってくれた鈴木陽介氏と意気投合し、2012年4月代々木上原に「按田餃子」を開店。7月に法人化しました。ちなみに、お店のコンセプトや発案、構想はすべて鈴木氏のアイデアで、私はそれを具体的なオペレーションと味付けにしていくだけです。

Q3: まず相談した人は誰ですか?
A3: 特にだれにも相談しませんでした。両親に報告はしました。どんなことがあってもお金で世話にはならないから安心して欲しいと言いました。

Q4: 準備したことを教えてください。
A4: 特にこれと言って準備したことはありません。準備金は、お互いがこのくらいなら出してみてもいいかな、と思える金額を出す。それがゼロになったら解散する、と約束したので、そういう状況の最高の場合と最悪の場合は心の中に携えておきました。

Q5: 苦労したことはどんな点ですか?
A5: お店が軌道に乗るまで5年くらいかかりました。貧乏は苦労とは思いませんが、ほぼ初対面の人と起業したので、つまらない言葉尻や態度で関係が悪くならないようにということを特に気を付けています。せっかく出会えたのだから、縁を大切にしていきたいです。

Q6:最初の成功体験を教えてください。
A6:軌道に乗らなくても、自分たちの意にそぐわないものを売る方向に転換しないでじっと我慢していたら、お店の世界観を著名な方が評価してくれて、それをきっかけに良い印象でより多くの人に認知され始めたことです。2016年からはミシュランガイド東京でビブグルマンに選んでいただけるようになりました。

Q7:影響を受けた本や映画はありますか?
A7:「性とスーツ 現代衣服が形づくられるまで」アン・ホランダー著 中野香織訳
「ゴースト・ドッグ」ジム・ジャームッシュ監督

Q8:尊敬する人は誰ですか?
A8:横山剣さん

Q9:気分転換にいく場所を教えてください。
A9:きれいな海。銭湯や温泉。

Q10:これから起業する人にひとつだけアドバイスするとしたら?
A10:目標は立てなくて良いと思います。やりたいことも見つけなくて良いし、一つに縛らなくて良いと思います。とにかくやってみて、目の前に現れた課題に向き合えば良いと思います。
使命感と正義感が出てきたら、自分のことを危ないと思ったほうが良いと思います。
楽しさを忘れずに。

【転載元】メトロポリターナトーキョー
https://metropolitana.tokyo/ja