わたしの創業ものがたり
lolo Basketry 編

lolo Basketry 石塚亜希子

ものづくりの楽しさ、そして自分の作品を生活に取り入れ、使う喜びも伝えたいと話す。


草木染めの天然素材『ラフィア』を使ったかご作り。
好きなものを、自分の手で作る楽しさを伝えたい、
海外でのレッスンも準備中。

COMPANY INFORMATION

lolo Basketry
東京都江東区深川2-16-13
対面とオンラインによるラフィアのバスケタリー講座の開催、クラフトキット販売、作品販売を行う。2021年11月設立。

https://www.lolobasketry.com/



代表/石塚亜希子
大学卒業後、出版系印刷会社に就職。結婚を機に、フリーランスのwebデザイナーとして独立。2021年11月に『lolo Basketry』を設立。2022年3月、文化出版局より「ラフィアクラフトのかごと帽子」を出版。2022年10月、クラフトスタジオをオープン。



-起業のきっかけ-
かご編みの楽しさを伝えることを一生の仕事にしたい


ラフィアが置かれた棚

ナチュラルカラーに加え、草木染めでオリジナルカラーも作る。


『lolo Basketry(ロロ・バスケタリー)』は、マダガスカル産のラフィア椰子の葉から採れる天然繊維を素材にして、かごを編むクラフトスタジオです。スタジオとオンラインでラフィアのかご編み教室を開催し、クラフトキットも販売しています。


私は幼い頃から、ものづくりが大好きで、祖母と手作りのかごを編んでいたことを覚えています。その後も、ものづくりは続け、基礎を学ぶために美術系の大学に進学し、テキスタイルやインテリアデザインの勉強、また機織りをするなど、自由に楽しんでいました。卒業後は出版系印刷会社に就職し、グラフィックやWebのデザインを担当していました。しかし、結婚を機に退職し、家事と子育てに追われるなか、次第にものづくりから距離を置く生活となりました。


ラフィアのかご作りを知ったのは2020年でした。子育てが一段落し、趣味としてものづくりをしたいと思っていたところ、ラフィアのかご作りを教えている方に出会い、基礎的なことを教わりました。面白くて夢中になり、教本などはないので既製品をほどき、手探りで知識と技術を習得していきました。そうしているうちに、自分の好きなものを自分の手で作る楽しさや満足感を多くの人に知ってもらいたいと思うようになり、カルチャースクールで講師を始めました。ラフィアの教室は数が少なく、生徒さんから「初めてやってみたけれど、すごく楽しい」「ラフィアのかごバッグってお洒落」と言ってもらえるのが嬉しく、「本格的に取り組んで、一生できる仕事にしたい」と起業を考えるようになりました。


-事業化にむけて-
一対一のサポートと複数との意見交換でビジネスの視野を広げる


ラフィアを編んだバッグや帽子

道具がセットになったキットもあり、初心者でもバッグや帽子が作れる。


経営者の友人にTOKYO創業ステーションのことを聞いて、ラフィアのかご編み教室が事業として成り立つのか、まずは相談だけでもしてみようとプランコンサルティングを利用しました。コンサルタントの方に、ビジネスのイメージを整理していただき、起業を決意。本格的に事業計画書の作成に取りかかりました。


女性起業ゼミにも参加しました。ゼミは前期・後期で計8回あり、ビジネスの基本を学びながら事業プランを作っていきます。ディスカッションの時間では、まったく違う事業領域の方のアイデアやプラン、客観的な意見を聞くことができて、毎回起業に向けての刺激がもらえました。


プランコンサルティングでは一対一でビジネスプランを細かくサポートしていただき、女性起業ゼミでは複数の方から客観的に見ていただくことができます。ビジネスに対する知識を深め、さらに視野を広げることもできました。


2022年10月のアトリエオープンに先駆けて、出版社に企画を持ち込み、3月に本を出版しました。私がラフィアのかご編みを知った当初に資料や教本がなくて困っていたことをコンサルタントに話すと、「レッスンをするなら、本を出版してテキスト代わりにしてはどうか」「同種の本がないなら企画が通る可能性はある」「信用につながる」とアドバイスされたことがきっかけです。出版に合わせて生徒を募集し、事業をスタートしました。


-これからのビジョンは?-
海外事業者との業務提携で新規マーケットの獲得へ


lolo Basketry 石塚亜希子


現在、韓国でのビジネスを準備中です。韓国では籐のかご編みが人気で、職業訓練としての教室も多く、差別化を図りたい運営事業者からSNSで問い合わせをいただいたことが始まりです。今後は韓国のラタンクラフト協会と提携し、オンラインのみならず、現地での対面レッスンも実施する予定です。日本の生徒さんが増えているなか、韓国に足を運ぶ機会も多くなりそうです。


また、生徒さんの中には、自分で教室を開きたい、自分の作品を販売したいという方もいます。しかし、ハンドメイド作品の大手販売サイトでは、個人が始めやすい反面、大量生産品と同等の値段でしか売れないのが現状です。手間暇のかかった作品が正しく評価される販路の開拓など、サポート活動もしていきたいです。果たして、すべての仕事をこなしていけるのか不安もありますが、これからもさまざまなことにチャレンジしていきたいと思っています。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

創業して良かったと思うのは、自分のペースで仕事のすべてをやってみることができることです。もちろん、わからないこともありますし、うまくいかないこともあります。そんな時はTOKYO創業ステーションに相談して、どんどん利用して、ぜひトライしてみてください。

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