わたしの創業ものがたり
ものづくりカフェWORK+WORK 編

ものづくりカフェWORK+WORK 店内

手作り感が溢れるフリースペースで、自分の工房のように、ものづくりができる。


不登校に悩む親子を支えたい
気軽に自由にものづくりが楽しめるコミュニケーションスペース
『ものづくりカフェWORK+WORK』。

COMPANY INFORMATION

ものづくりカフェWORK+WORK
東京都武蔵村山市残堀5-131-3-101
2022年5月1日設立。フリードリンク付きの時間料金制でものづくりをしながらカフェ感覚のコミュニケーションも楽しめる。
https://lit.link/workwork



代表/稲波淳子
日本デザイン専門学校卒業後、文房具メーカーで企画デザイナーとして勤務しながら、廃マネキンを使ったオブジェアーティストとして活動。3児の母となるが子どもの不登校に悩んだ経験から、『ものづくりカフェWORK+WORK』を開業。



-起業のきっかけ-
不登校に悩む子供たちが自由にものづくりが楽しめるスペース


ものづくりカフェWORK+WORKの外観

店内が見えて入りやすく明るい雰囲気の入口。展示作品には購入可能なものもある。


私の実家はマネキンの型を制作する工場を営んでいました。幼い頃から、ものづくりの場が身近にありましたので、高校生になるとオブジェアーティストとしての活動を始めました。でも、結婚して子供が生まれると、日々の生活に追われ徐々に創作活動から離れていきました。


私を創作活動に引き戻したのは娘の不登校でした。戸惑うことばかりでひとりで悩みながら辛い毎日を過ごしていたのを鮮明に憶えています。「このままだと娘は社会に出ていけなくなる。ともかく外に連れ出そう」。そこで、一緒にものづくりのワークショップに参加したのです。


そのとき娘は中学生で、家族以外の人との会話を避けるようになっていました。でも、ワークショップに集まった人が娘の作品を褒めてくれると、自分に自信が持てるようになり、少しずつ会話ができるようになっていきました。また、ものづくりのワークショップでは多くの母親と知り合うことができましたが、「実はうちの子も不登校なの」という話を聞くことが多く、その事実に驚きました。


ワークショップで知り合った不登校の子供たちに聞くと、みんな工作は好きなようです。決まったルールや正解がなく自由だからでしょうか。でも、学校の図工の時間は好きではないと言います。「工作キットを使うことが多く完成形が決まっているので自由さがない。創意工夫しても無駄」などが理由です。「学校とは別の場所で、自由にものづくりを楽しみ、個性を認めることで、自分に自信が持てなくなっている不登校の子供たちを助けたい」。そんな想いが起業のきっかけです。


-事業化にむけて-
ひとりでは諦めたかもしれないけれどコンサルタントが背中を押してくれた


自由に使えるものづくりの道具

自由に使える道具が揃っているから手ぶらで来てもすぐに始められる。


不登校になった子供たちが、家族と一緒に、またひとりで、自由に集まって、自由に作品づくりができ、わからないことがあれば教えてくれる人がいる場所。それを形にしたのが『ものづくりカフェWORK+WORK』です。


当初はコストを抑えるために自宅でやろうと考えていました。でも、不登校の子供たちが、他人の家に入るのはきっと無理です。しっかりビジネスとして立ち上げようと決め、ネットで見つけたTOKYO創業ステーションに行ってみました。まずは事業のアイデアをコンシェルジュの方に相談し、さらにプランコンサルティングも利用して、コンサルタントの方と、頭の中で固まりつつあるイメージを事業計画書に落とし、資金計画まで詰めていきました。


準備資金、集客目標、ランニングコスト、利益などの数字を算出していくとビジネスの厳しさが見えてきます。不安になり気持ちが沈んでいく時もありました。そんな時にもコンサルタントは「大丈夫だよ」と言って、不安要素を洗い出し、その解決方法を丁寧に教えてくれるので、通っているうちに自信がついていきました。コンサルタントは、いつも優しく背中を押してくれる伴走者のような存在でした。さらに、女性起業ゼミにも参加して起業の基礎を学びました。真剣に起業を考えている方々が集まっている少人数制のゼミで、一緒に参加した方とは今でも情報交換などを行っています。


-これからのビジョンは?-
不登校の子供たちが社会に出る準備をする場所にしたい


ものづくりカフェWORK+WORK 稲波淳子


開業してしばらく経つと「不登校に悩む子供たちと家族が、自由にものづくりを楽しめる場所がある」と、『ものづくりカフェWORK+WORK』の存在が口コミで広がり、笑顔で楽しむ親子の姿が増えていきました。今後は、不登校の子供を持つお母様方が気軽に集まるお茶会のような店内イベントや、武蔵村山市の子育て団体のオファーによるワークショップ開催なども予定しています。


そして、いずれは不登校だった子供たちをアルバイトとして採用したいと思っています。学校に行けなかった子供は自分に自信がなくて、社会に出ることに不安を感じています。ですからここで接客やものづくりのスキルを身につけ、それを自信につなげてほしい。お客様が増えて人を雇える余裕ができたら、必ず実現したいミッションです。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

創業を決めると多くの人とつながります。中にはネガティブな意見もありますが、それはひとつの意見にすぎません。私はTOKYO創業ステーションで自分のイメージを形にしました。「やってみよう!」と思ったら前向きにコンサルタントに相談し、後悔しない道を選んでください。

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