TOKYO創業ステーション 利用者インタビュー
Okusawa833 齊藤 章恵さま

Okusawa833

Okusawa833 齊藤 章恵

「作り手の顔が見えるうつわ」を応援!
うつわが彩る「楽しい食卓」を提案し、
自分らしい「健康ビジネス」をスタート。

COMPANY INFORMATION

Okusawa833
東京都世田谷区奥沢3-21-6
九州の焼き物、特に波佐見焼を中心に「作り手の顔が見えるうつわ」を販売する店舗として、2022年10月にオープン。うつわの魅力や作り手の想いをお客様に伝える「おせっかいなうつわ屋さん」として、日常使いできる焼き物を届けている。


代表 齊藤 章恵(さいとう あきえ)
大学で管理栄養士の資格を取得し、食品会社へ技術職として就職。結婚後、専業主婦を経て派遣社員として働き、40歳手前で食品会社に正社員として就職。営業企画、広報、人事、役員秘書を経験。焼き物の窯元との出会いから食の楽しさを再確認し、うつわのお店の経営に奮闘中。


-起業のきっかけ-
食の楽しさを呼び起こす旅先での出会いから、うつわを通した健康事業へ

Okusawa833 齊藤 章恵

会社員時代は食品関連の仕事をしていましたが、多忙で体調を崩し、食べることが大好きな自分が食事を楽しめない状況に陥っていました。その頃、休息を兼ねて九州を旅行したのですが、そのときに焼き物の製造現場(窯元)を訪れたことが創業の思わぬきっかけになりました。

宿泊先のスタッフさんに「食器が趣味で、窯元を見られるなら見学したい」と相談したところ、地元の窯元さんを紹介してくださいました。ガス窯の中から、焼きあがったばかりのうつわが音を立てて現れたときの高揚感は、今も忘れられません。色とりどりの波佐見焼が輝いて見え、「このうつわには何を盛り付けたら素敵だろう」「あのうつわはこんなシーンで使いたい!」などと、楽しい食卓風景を思い描いてワクワクする自分がそこにいました。また、波佐見町の豊かな自然、町の人たちの温かさに心が癒され、自分の感性が少しずつ戻ってくるような感覚がありました。


さらに、身体を壊して以来、「いつか、健康を支えるビジネスをしたい」と考えていたのですが、うつわの魅力を広め、笑顔あふれる食卓を増やしていくことが私にできる「健康ビジネス」ではないかという想いが湧いてきました。思わず「うつわのお店なんて、開けるものかしら」とつぶやく私の言葉を聴き逃さなかったスタッフさんが、波佐見焼のキーパーソンを数々紹介してくださり、一気にお店づくりへの道が開けていきました。

-事業化に向けて-
窯元に通い、うつわと作り手の想いを届ける”おせっかいなうつわ屋さん”に

Okusawa833 うつわ

窯元さんとの出会いを機に、九州の焼き物を販売する店舗「Okusawa833」をオープンしました。「定年後に何かできたら」と、自宅1階に設けていたスペースを活用しています。


当店の一番の特徴は、「作り手の顔が見えるうつわ」を販売している点です。窯元さんは、それぞれ個性的なうつわを作りながらも互いをリスペクトし、「みんなで町と焼き物を盛り上げよう!」と、情熱的にものづくりに打ち込んでいます。こんな作り手たちが生み出す「手の温もりを感じるうつわ」の魅力を多くの人に知ってほしい。作り手とお客様の橋渡し役になり、頑張る窯元さんを応援したいという想いです。


今も、四半期に一度ほど窯元さんを訪問し、作り手の想いや考えを直に聴いて仕入れをしています。うつわに込められた窯元さんたちの想いやこだわりを第三者的な視点も織り交ぜながらお客様にお伝えすること、そして都心暮らしのお客様のニーズやご意見を伝えることで、微力ながら新たな商品開発のお手伝いをする。これが、“おせっかいなうつわ屋さん”である私の役割だと感じています。今は、長崎県の波佐見焼の他に、佐賀県の有田焼・肥前吉田焼の窯元さんにもお邪魔しています。


Okusawa833 齊藤 章恵

創業当初は、日々課題に向き合うことで精一杯で、将来の展望を描く余裕はありませんでした。これではいけないと、SNSで起業支援について調べて見つけたのがTOKYO創業ステーションの「女性プチ起業スクエア」と「女性起業ゼミ」です。


「女性プチ起業スクエア」では、自分の漠然としたアイデアを講師の方が言語化し、具体的な指針を立てるサポートをしてくださいました。講師やプランコンサルタントの方は様々な創業事例をご存じなので、失敗する確率が高そうなポイントについては、率直に指摘してくれます。「女性起業ゼミ」では、事業環境等について厳しい言葉もいただきましたが、その中で生き抜くためのプロセスを再考することができましたし、改めて自分の想いの強さを再確認するきっかけにもなりました。


また、同じ志を持つ仲間との出会いも大きな財産です。ゼミの同期とはSNSでグループをつくって情報交換をしたり、私のお店に来てアドバイスをくれたりと、今も交流が続いています。仲間の前で『次はこれに取り組む』と宣言することで、自分をある意味追い込み、着実に前進できるようになりました。今でも、ゼミで教わったこと、自分や仲間の言葉を書き記したノートを見返して力をもらっています。

-これからのビジョンは?-
うつわと食の楽しさを広く発信し、窯元さんとお客様を笑顔にしたい

Okusawa833 齊藤 章恵

波佐見焼のような「日常のうつわ」は、食事を盛り付けてこそ生きるもの。今後は、食にまつわるイベントを開いたり、noteなどのメディアを通してうつわの魅力、食の楽しさを発信していきたいと考えています。作り手とつながっているからこそ知りえるうつわの魅力や、楽しい食卓づくりのご提案を、より多くの方に届けたいです。いつか窯元さんのご協力が得られたら、Okusawa833のオリジナル商品も作ってみたいですね。


また、ポップアップ販売等にも取り組み、販売機会を広げていきたいと考えています。エリアごとの特性を見極めながら、販路を開拓していくことが課題です。

いろいろと思い描く未来はありますが、九州の焼き物の魅力を伝え、健康を支える食卓を豊かにするお手伝いを続けることで、窯元さんとうつわを手に取るお客様、双方の笑顔を増やしたい。これが、創業当初からの夢です。


創業を目指す方へ~応援メッセージ~

創業を決意して得られたものは、会社員時代にはご縁がなかった方々との出会いです。窯元さん、焼き物産地の町の皆さん、お店に来てくださるお客様、そしてご近所の方々との関係が日々深まっています。うつわや食への関心が高い方とふれあえる毎日は、とても豊かです。

創業を考え始めたら、まず、TOKYO創業ステーションのコンシェルジュに相談してはいかがでしょうか。自分の強みや弱みを客観的に把握する機会もいただけるので、悩みも少しずつ晴れると思います。同じ志を持つ仲間と励まし合い、支援制度を活用することで道は開けるはずです。