アプリのプロトタイプを制作するときのポイント

コンシェルジュ通信

コンシェルジュ通信では、スタハで実施しているコンシェルジュ起業相談の事例をもとに、少し発展的なトピックスをご紹介します。
今回の担当は、戸田江里子コンシェルジュです。

コンシェルジュ 戸田 江里子

コンシェルジュ 戸田 江里子

㈱毎日コミュニケーションズ(現㈱マイナビ)にて、企業研修旅行の企画手配、コンピュータ関連書籍の流通販促、株式公開準備等を担当。退社後、フリーランスとして、企業の広報支援業務、Webサイト制作・運営事業を開始する2001年、「ITスキルを通して女性が活躍できる社会」を目指し、㈱ハッピーコムを設立、代表に就任した。
その後、Tech好き女性のためのWebメディア「Happyデジタル」の運営、マーケティング支援、企業向けIT研修等、活動の幅を広げている。
プログラミングスクールの運営事業では、卒業生や女性のIT講師を組織化し、企業向けIT研修で活躍してもらうビジネスモデルを確立し、述べ2万人以上に研修を実施するまでになった。

<所属団体・資格等>
日本ベンチャー学会会員
経営学修士(MBA)
総合旅行業務取扱管理者


目次
【1】プロトタイプの種類と、制作のためのツール
【2】プロトタイプ制作に必要な準備
【3】注意すべきポイント
【4】「チームにエンジニアがいない」「技術知識ゼロ」はリスクと捉える


Q: アプリを活用した個人向けのサービスを提供する事業を考えています。プロトタイプ(試作品)制作における留意点を教えてください。

A: プロトタイプとは、完成品をリリースする前に検証と改善をするためのユーザーの動作確認用の試作品のことで、よりユーザーが使いやすいアプリに仕上げるためにはプロトタイプ制作は必須です。下記、制作にあたってのおすすめのツールや、留意すべきことを記します。

【1】プロトタイプの種類と、制作のためのツール

プロトタイプは主に2種類あります。

(A)ツールを使ったもの → 実装前の“服でいえば型紙”のような役割
・ペーパープロトタイピング
紙に画面デザインや機能を手書きして、視覚的に表現する方法。実際の使い勝手の検証はできませんが、チームメンバー全員が参加できて、素早く完成できるメリットがあります。

・下記のようなプロトタイピング用アプリを使う
(例)
Prott  https://prottapp.com/ja/
InVision  https://www.invisionapp.com/ (英語版のみ)
Sketch  https://www.sketch.com/ (英語版のみ)
Adobe XD  https://www.adobe.com/jp/products/xd.html

それぞれ特徴や機能が違いますが、特に「Prott」(グッドパッチ社提供)は、実際にスマホ上で画面が確認でき、画面の遷移機能を使って動作イメージが見られたり、チームで画像データを共有できたりするのもメリットです。

(B)コードで書かれていて、動作機能するもの→ 服に例えれば“実際の布地を使った仮縫い”のような役割
iPhoneアプリであればSwift、AndroidアプリであればJavaで、実装と同様に制作します。また、1つのツールで、 iPhone、Android両方に対応可能なMonaca(https://ja.monaca.io/)を使うのも選択肢のひとつ。いずれも、完成すればそのままストアに申請することが可能です。

進め方としては、(A)を作ってから、エンジニアに依頼して(B)を作る場合もありますし、チームにエンジニアがいれば、最初から(B)で制作する場合もあります。



【2】プロトタイプ制作に必要な準備

1) 事業計画(特にマーケティング&マネタイズの部分)とストーリーボード

「アプリを使って何を実現するのか」が明確になっていることが大前提。リアルタイムの情報提供、マッチング、ユーザーコミュニティ、課金方法など、実現することや目的によって必要な機能も変わりますので、明確な事業のフレームを構築しましょう。また、ユーザーがアプリを使うことで、どのような体験や課題解決が実現されていくか「ストーリーボード」を書くことをおすすめします。「ストーリーボード」は、簡単に言うと4コマ漫画。「起承転結」をイメージしてみてください。


2) アプリならでは特長を活かすことを考える
「位置情報」「プッシュ通知」「リアルタイム情報取得」などアプリの特長を生かした機能の実装は、ユーザーの利便性を高めます。「申込」「商品紹介」など入力や表示が中心の機能であれば、スマートフォン上での表示最適化をした、Web上で稼働するサービスにすることでも良いとでしょう。



【3】注意すべきポイント

1) メインの機能に集中!多数の機能は

プロトタイプの制作では、メインの機能に集中して、ユーザーの使い勝手を追求して低コスト、短期間の制作を心がけましょう。「あれもこれも」と、多数の機能を盛り込み過ぎると、アプリの主たる目的がぼやけてしまうことになりかねません。メイン機能以外はAPI(他のソフトウェアの機能を利用すること)を活用することもおすすめです。


2) エンジニアや外注先へ任せきりにしない
必ずチェックポイントを設けて、密なやり取りを行い、作業の状況確認をすることが大切です。気になった点があったら遠慮せずに聞きましょう。



【4】「チームにエンジニアがいない」「技術知識ゼロ」はリスクと捉える

事業計画に理解を示してくれるエンジニア探しが、実はプロトタイプ制作の第一歩と言えます。極端な話、自身がWebやプログラミング制作の知識を持たない時点で、アプリでビジネス展開をするのはかなりのリスクなのです。まずは簡単なWebサイト制作、サンプルプログラミングをカスタマイズしたアプリの制作程度は、オンラインの講座や書籍などを活用して、ご自身で経験しておくことをすすめます。少しでも自分で技術をかじることで、ユーザーコミュニティに参加してエンジニアと出会う機会を持てたり、外注する場合の外注先の選択眼を養うことができたりします。

プロトタイプは、出来るだけ短期間で制作し、検証、改善を繰り返すことがいかにできるかが重要です。完成品のリリース後も「一度作ったら終わり」ではなく、常にバージョンアップされるものであることを認識して、日々進化する技術関連情報は常にウオッチしておくことが大切です。

アプリのプロトタイプ制作で疑問がある場合は、ぜひコンシェルジュ相談をご利用ください。

コンシェルジュ 戸田 江里子

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