わたしの創業ものがたり
株式会社 乃庭 編

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街の植木屋の枠を超え
「十人十色の暮らしに沿った庭づくり」を
生業とする庭師へ

COMPANY INFORMATION

株式会社 乃庭
東京都あきる野市小中野395番地
造園家としての確かな技術を基盤に、個人宅の作庭から大型商業施設の屋上菜園、屋上緑地化まで手掛けており、オリジナリティ溢れる事業を展開。2019年1月15日設立。
https://niwa.life



代表取締役 竹本 亮太郎
一級造園技能士。建築緑化コーディネーター。表千家講師 茶道会六林会 主宰。2003年東京農業大学環境緑地学科卒業後、複数の造園会社やベンチャー企業での就業を経て2016年12月に乃庭を開業。2019年1月に株式会社乃庭を設立。2児の父。



-起業のきっかけ-
自分の時間は自分でコントロールしたい


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大谷石(おおやいし)とグランドカバープランツを用いてエリア分けを施した回遊できる庭。


「偶然の積み重ね」、それ以外に起業までの経緯を表現できる言葉が見つかりません。大学を決める時も、「何かを目指して」ではなく、「日程的に受験できる大学がここしかない」という理由から、東京農業大学環境緑地学科に入学しました。実は、入学式のオリエンテーリングで「造園を学ぶ学科」だと知ったのです。

 

海外で働くことに興味を持っていた私は、在学中に旅行で立ち寄ったニューヨークのセントラルパークで、公園の作りの粗さを見て、日本の造園技術力の高さを実感。日本の質の高い造園技術を自身のものにするために、より熱心に造園の勉強に励み、現場を知るために造園会社でアルバイトをしながら経験を積んでいきました。


卒業後は、京都やアメリカで造園・作庭の現場に携わり、東京へ帰ってからは母の看護の関係でメンタルヘルスケアを学ぶために農業関連のベンチャー企業に就職。そこでは、農業と人を繋ぐ様々な事業に携わりましたが、商業高校出身の私は情報処理と簿記の資格を取得していたので、マネジメントも任せられるようになります。しかし、農業ビジネスの流れに乗ったものの、会社の経営はなかなか安定しなかったため、家族や生活を守るために、別のベンチャー企業へ転職しました。都心にあった転職先は、当時地域の農業交流イベント運営を行っていた関係で住んでいた檜原村から通勤に往復約5時間。また、休日出勤も多かったことから、家族との時間をとることが難しい状況でした。そこで「自分で時間をコントロールできる仕事をしよう」「これまでの実践的な経験を造園の道に活かそう」と決意し、起業しました。


-事業化にむけて-
造園、農業などから屋上緑地化まで、実践的な経験が活きる!


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竹本さんの庭師としての技術はお客様の評価も高い。


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大型商業施設・屋上菜園のデザインと施工も手掛ける。


職人としての技術は、豊富な現場経験から自信がありました。また、肝心な新規客の獲得にも、ベンチャー企業で飛び込み営業などの経験を積んでいましたから、全く苦になりませんでした。さらに、2019年にはTVチャンピオン「ガーデニング王選手権」でセミファイナリストになる機会に恵まれ、これを利用して、造園や建設に特化したポータルサイトでブランディング化を進めました。その結果、お客様からオファーがくる環境を作ることができたのです。作庭に深く関わる「茶道」と「華道」も学んでいたので、その知識や考え方も活かすことができました。


商業高校で情報処理と簿記を学び、大学で造園と出会い、現場経験を重ね、ベンチャー企業では様々な農業の形に携わるだけでなくメンタルヘルスケアや緑地空間設計、マネジメント、飛び込み営業まで何でもやりました。バラバラで脈略がないように見える若い頃の経験が、起業の際に集約されて活きてくる不思議さに自分でも驚くばかりです。


ただ、仕事量が増えて人を雇うと、経営者の視点がより必要になることを痛感。そこで申請したのが、TOKYO創業ステーションの創業助成事業でした。申請の時に作った事業計画書は、自社の経営状態と未来を見つめ直すきっかけになり、あらためて事業全体を俯瞰し、ビジョンや強み・弱みなどを可視化することができました。その後の会社経営に大いに役立っています。


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京都での修行時代。真中が親方、左隣に竹本さん。
一番左は大学・修行時代を共に過ごし起業の際も最初に声をかけた20年来の相棒となる鈴木和行さん。


-これからのビジョンは?-
異なる領域での新事業をスタートさせたい!


これまでの経験や専門的な技術を活かし、商業施設や宿泊施設の造園、イベント会場などでの造園要素を取り入れた空間演出、個人住宅ではお客様の理想を叶える作庭を行い、造園事業をベースに幅広い仕事に取り組みたいと考えています。


また、長期的なプランになりますが、造園で培った知識や技術を活かし、造園とは異なる領域で新たな事業をスタートさせる計画を持っています。この新事業は、未来に向けて自社の持続性を高めるために、スタッフ全員でアイディアを出しながら準備を進めています。

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日比谷ガーデニングショーに出展する作品を製作している写真。
日々生活を送るその場所に、緑のある心地よさを届けたい。乃庭は「そこに緑のある心地よさを」という経営理念を掲げる。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

デジタルツールはベンチャー企業の強い味方です

昨今は、営業や経理などこれまで人に頼るしかなかった分野をデジタルデバイスやWEB サービス、IT ツールの進化によって代用できるようになりました。上手に活用すれば、既存の企業が苦労しながら乗り越えてきた壁をベンチャー企業でも軽々と超えることができます。皆さんが壁を乗り越え、創業をとおして自身にとって大切なものを築いていけるよう、応援しています。

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