わたしの創業ものがたり
株式会社CBA 編

株式会社CBA 宇佐見良人

株式会社CBAは、廃棄物処理業界のDXにより資源循環を加速し、持続可能な社会の実現を目指す。


サステナブルな世界を目指して
廃棄物の資源化を推進する
資源循環DXプラットフォーム『CBA wellfest』を展開。

COMPANY INFORMATION

株式会社CBA
東京都目黒区下目黒1-1-14 コノトラビル6階
廃棄物市場における資源循環に向けたプラットフォーム構築事業を展開。2020年1月22日設立。
https://www.cba-japan.co.jp/



代表取締役/宇佐見良人
1991年、株式会社アトラクス(現・NOC日本アウトソーシング株式会社)入社。16年にわたりデータベースを使った商品企画・営業を担当。2008年、双日株式会社入社。環境関連事業として産業廃棄物管理システムの立ち上げを行う。2010年に転籍し、大手企業を中心に産業廃棄物管理システムの導入を推進。2020年株式会社CBA設立。



-起業のきっかけ-
環境事業に携わって痛感した日本の廃棄物処理環境の遅れ


CBAwellfestの画面

ホームページでは同社が開発したシステム「CBA wellfest」を分かりやすく解説する動画も見ることができる。


循環型社会の実現に向けて、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」をサポートしたいという思いから起業しました。大量生産、大量消費、大量廃棄型の現代社会の構造が地球に負荷をかけています。そこで、誰が、いつ、どのような廃棄物を出し、どのように処理されているのか、データを収集し、分析・可視化することで最適解を提供するのが『CBA wellfest』です。


このような思いに至ったのは、以前勤務していた商社で環境事業のメンバーとして産業廃棄物管理システムの立ち上げに携わったのがきっかけです。さまざまな調査を進めていくと産業廃棄物を扱うリサイクル業界は、多くのシステム化の余地があることがわかりました。日本では、廃棄物は焼却処分が主流ですが、他の先進国では資源循環を推進することが主流となってきているなど、業界の現実を知れば知るほど多くの改善が必要だと思いました。そこで、膨大な廃棄物データをもとに、廃棄物管理業務の効率化を推進する産業廃棄物管理システムの開発に取り組みました。


その後、転籍した会社でも産業廃棄物管理システムの開発と普及に携わり、約400社の大手企業に提供することができました。


-事業化に向けて-
事業計画書作成支援や助成金を通じて資金面の不安が軽減


『株式会社CBA』ホームページ画面

『株式会社CBA』のミッションとビジョンには宇佐見さんの社会貢献に対する強い想いが表現されている。


そして、資源循環型社会を実現するためには、顧客を大手企業だけでなく中小企業にも広げる必要があると考えました。私は中小企業を対象として新規事業を立ち上げていただけるパートナー企業を探したのですが、なかなか難しいのが現実でした。


そこで、中小企業でも使いやすいデジタルインフラを構築し、業界を活性化することを目的として起業を決意しました。産業廃棄物にはマニフェストという専用伝票の作成・管理が義務化されています。その他にも産廃物に関わるさまざまな書類やレポートの作成をしなければなりません。中小企業は、廃棄物の管理を専門とするスタッフを在籍させることが難しく、さらに大きなコストを捻出するのが厳しいのが現実。つまり、普及させるためには手軽に利用できるシステムと現実的な料金体系が必要なのです。『CBAwellfest』はこれらの業務を効率的に処理し、コストや負担を大幅に削減します。提供するサービスをビジネスとして成り立たせる自信はありましたし、これで世の中がもっと良くなるという信念がありました。


最大の不安は資金調達でした。まずはクラウドシステムを作らなければスタートできません。そのためには人件費などの資金が必要になります。悩んでいたときにTOKYO創業ステーションを知り、プランコンサルティングで事業計画書をブラッシュアップしました。営業先や金融機関の方は廃棄物処理の業界についてよく知らない方も多いので、説明や表現方法に苦労していたのですが、プランコンサルタントの方からの的確なアドバイスは参考になりました。そして、プランコンサルティングで作成した事業計画書を活かし、「創業助成金」、「スピリッツ」にもチャレンジし、利用することで資金的に余裕ができ、この経験は銀行の融資を進める際にも役立ちました。


-これからのビジョンは?-
次世代に美しい環境を引き継ぐために資源循環型社会をサポート


株式会社CBA 宇佐見良人


廃棄物をごみとして処分するのではなく資源として循環させるシステムを構築して、SDGsで提唱されている持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。そのために今後は資源循環のレベルを高める「環境与信DBサービス」、「廃棄物資源化プロセス支援サービス」のリリースを予定しています。


株式会社CBAのミッションは「次世代に美しい地球環境を引き継ぐ」です。実現するには地域に合った資源循環システムが必要不可欠です。ですから、弊社の顧客は、中小企業だけでなく、地域のすべての生活者と考えています。今のところは企業の産業廃棄物が中心ですが、ゆくゆくは家庭から出る一般廃棄物にも対応できるようにしたいと思っています。「循環型社会実現のためのインフラを構築する」。それが私の最終的な目標です。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

事業を立案するときには自分と顧客だけではなく、社会への影響も考慮してください。いわゆる「三方よし」の発想があれば多くの仲間や協力者、応援者に出会え、有意義な時間が過ごせると思います。そうなると斬新なアイデアが集まり、さらに魅力的な事業構築につながるのではないでしょうか。

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