わたしの創業ものがたり
AFRICL 編

AFRICL

西アフリカ・ベナン共和国の伝統生地を用いて
日本で丁寧に仕立てる。
目標は伝統文化の担い手と使い手を笑顔にするブランド。

COMPANY INFORMATION

AFRICL
途上国の伝統工芸を用いて、日本で永く愛されるプロダクトとして提供することがAFRICLのビジネスモデル。2020年にアパレルブランドとしてスタート。
https://www.africl.com



代表/沖田 紘子
2011年、大学進学とともに大阪へ。インターンなどで、アジア、南米、アフリカ地域に足を運び続ける中で、伝統文化という「豊かさ」のひとつを繋ぐことで、「発展」の先にも笑顔を繋ぐことを志す。2015年生命保険会社に入社、IT関連業務に従事。2020年、同社を退職。夢を実現しアパレルブランド『AFRICL』を立ち上げて起業。



-起業のきっかけ-
ベナンの人々の素敵な笑顔


AFRICL

アトリエにある試着室は1枠1組限定の完全予約制。
お客様は1~ 3時間、楽しみながら悩むそう。


私は中高校生の頃に、友人・近しい親族の突然の死を経験しました。その経験から「世界のどこに生まれても笑顔で生きられる世界を創る」ことを自分の使命と感じるようになりました。そして、その具体的な方法を求めて大学生の時にアジアや南米、アフリカなどの国々を回りました。帰国する度に日本の方の笑顔が少ないことが気になっていたところ、出会ったのがベナンの人々の「思いどおりにいかないこともあるよ。ま、それも人生」というニュアンスの「Mais C’ est lavie.(メ・セラヴィ)」という考え方。その精神的なしなやかさに惹かれました。

 

「物質的、経済的な発展」の先に「途上国」に今ある精神的な豊かさを繋ぎたいと思うようになり、「豊かさ」の一つとしての伝統文化を繋ぎ、その伝統を用いたプロダクトを日本でお届けすることで「途上国の文化の担い手」と「日本の使い手」双方の笑顔をつくるアパレルブランドの構想に辿りつきました。


-事業化にむけて-
ニッチな事業計画に寄り添ってくれたコンサルタント


AFRICL

「はんぶんこのシャツ」:たっぷりした身幅とすとんと落ちた肩のシルエットで様々な身長・体型の方に馴染む。貝ボタンを使用。


事業をスタートして苦戦したのは、「当たり前」が異なるベナンの職人さんとの調整です。資材の調達、染織データの管理から価値観まですべて異なっていました。すりあわせが重要なのですが、お互い第二言語でのコミュニケーションになる為とても苦労しました。今はアプリ等を利用し、こまめにやり取りを続けることで対応しています。


TOKYO創業ステーションへは、起業にあたっての支援メニューを調べている時に知ったのがきっかけで訪問し、事業計画の策定にあたり、 プランコンサルティングを利用しました。「ベナンの伝統生地を用いた服」というニッチなビジネスではありますが、コンサルタントの方が寄り添ってくださり、ブランドとして誰を大事にすべきかという原点に立ち戻り、自分のつまずいていることなどの相談も気楽にできました。実は既にサンプルが出来ているタイミングで相談を始めたのですが、事業計画はプロダクトを作ったり、出費が発生したりする前に相談すればよかったと今では思っています。


また、 女性起業ゼミにも参加させていただき、今でも近況を報告し合い、助け合うことが出来る仲間と出会えました。


そして、TOKYO創業ステーションTAMAのテストマーケティングも利用しました。この時は、生活スタイルと体型変化が大きい「妊娠中・育児中もじゃんじゃん使えてこそ一生モノ!!」をテーマに、妊婦さんの意見を聞きたいと考えていましたが、第2のターゲットと考えていた40〜50代の方からも「襟が付いている服はあまり着ない」といった意見をいただきました。「今のままでは一生ものと言えないのではないか?」と思い、「真の一生モノ」を目指して、お聞きした意見や感想を商品のデザインに反映しています。


近年、アフリカ布が注目を集め人気も高まっています。実はそれらのカラフルな布は、AFRICLで用いている手染めのバティックの技術を元にして生まれたとも言われ、手染めのバティックとは別物なのですが、その違いを伝える難しさを感じています。それでも、試着会などの、直接見て触って感じてもらう機会では、皆さん手染めの迫力を感じてくださいます。またオンラインでも、手染めの深み・迫力を感じていただけるよう試行錯誤中です。京都の試着会では、日本の伝統文化に携わる方や造詣の深いたくさんの方から、ベナンのバティックに興味を持っていただけるなど、嬉しい想定外もありました。


-これからのビジョンは?-
一生モノ文化をかたちにしたサービスを事業化


AFRICL

「まいにちのスカート」:1サイズだが基本的には、くるぶしちょっと上くらいになる方が多いはず。足元がとってもきれいにみえる丈感。


新しい挑戦として、満点の状態で纏い続けてほしいという思いを込めて「MANTEN(まんてん)」と名付けた事業を2022年1月から開始しました。この事業は、「お気に入りの一着」がライフスタイルや体型などの変化で着づらくなって困っている方と、お直しやアップサイクルなどを行う縫製工場をつなぐサービスです。「お気に入りの一着と末永く共に生きていく」という文化を、プロダクト・サービス双方を通じて、もう一度当たり前のことにしていきたいと考えています。


AFRICL

同じ柄のシャツとスカートを組み合わせると、ワンピースのようにも着用可能。

AFRICL

凛と生きるすべての人に笑顔のきっかけを。大人のアフリカ服『AFRICL』。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

踏み出せば成すべきことが見えてきます

一歩踏み出すと、ぼんやり考えていた時には見えなかった課題が見えてきます。踏み出した後に「やっぱりやめよう」でも良いと思います。「起業しようかな」と思う気持ちやアイディアがあるなら、一歩だけ踏み出して具体的に考えてみてはいかがでしょう。

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