国立市｢洋菓子と花 ドゥ ピリエ｣オーナー/パティシェ 平子歓太様インタビュー

オーナー/パティシェ 平子歓太様インタビュー

― 国立市での開業のきっかけは

妻がもともと花だけは新百合丘駅前のマルシェに出していて、ゆくゆくはお菓子も作って出したいと思っていました。土日の開催だったので自分は勤めている身のため難しかったのですが、オーナーに独立したいという話をして、マルシェに菓子を作って出してみたいと話をしました。菓子製造許可のある厨房を用意して出すならばいいよと言っていただいたので、生菓子は当然自信をもってお作りしていますが、焼き菓子ギフトというコンセプトを考えていたこともあり焼き菓子を作って、当日はお休みをいただいて１日自ら販売した経験からがスタートです。事業計画書策定時にはマルシェのお客様にアンケートでとった結果を記入しました。良いテストマーケティングになりました。そこからお店の物件探しを始めました。いろんな立地を見て回ったなかで、公園が目の前でちょうど見通しもよく商店街にあるので良い物件だなあと思い、それから何回も国立に来ては周辺を確認してここに決めました。

― TOKYO創業ステーションTAMAご利用のきっかけは

起業するにあたって、どう進めていけば良いか全くわからなかったので、いろいろ調べてみてまずは事業計画書を作らないと融資が受けられないと知りました。どうしたらいいだろうとネットで探していたところ見つけました。TAMAに本格的に相談に行くようになったのはこの物件に決めてからです。

― 相談内容について教えてください。

事業計画書の作成にあたって、市場調査のやり方を教えていただきました。なにも知らなかったので言ってくださることがすべて貴重でした。結果を表にして実際に数字化していくと納得できました。この周辺地域の人口動態や経済産業省の統計データから洋菓子の消費額を調べて、この地域にどれくらい住民がいて年間どれくらいの消費が見込まれるか推定しました。それから市場調査して周辺の有力店舗を見て回って、競合店との取り合いでも出店先でどれくらい売上が見込めるか推定しました。そのうえでやっていけそうだと判断できました。
また、妻の仕事してきた経歴を見て、やろうとしていることが充分に可能で差別化のポイントになると見極めてくださったのも心強かったです。経験が一番の強みになりますよと後押ししていただきました。

― 開業からの状況を教えてください。

年末、２月、３月はギフトの売上がかなり多かったです。これからもっと増えるのではないかという感触を持ちました。それには、季節ごとに何かしら提案していかなければならないと思っています。
今は、事業計画の８割くらいと思っています。コストはかなり厳しく算定していたのですが、わずか開業して４か月ですが想定以上に原価が高騰しています。メインのバター、卵は今後も上がりそうです。価格設定は周辺の競合店よりも高めにしたのですが、それでも厳しくなってきています。
内装は妻が担って作りました。オープンする前から、インスタグラムで情報発信していますが、始めた時よりもフォロワーが５倍になっています。また、来店されたお客様のなかにも店内を撮影されてお帰りになる方がいらっしゃいます。

当初はもう少し人通りが多いと想定していたのですが、大学通りから少し中に入っているので商店街に来る方や通勤通学で通る方がほとんどで思ったほどではなかったです。今は少しずつでも商圏を広げていきたいと考えています。お客様のなかには小平とか小金井からも来ていただいているので、口コミで広げていければと思っています。歳時にあわせてギフトを提案していきたいと考えています。また、事業計画書で計画した通り、夏場はお花の持ちも悪いので販売をやめてかき氷を販売したいと考えています。