起業コラム:差別化戦略

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2021.12.9に
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差別化戦略って何?
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【3分でわかる起業の基礎】差別化戦略って何?

3分でわかる起業の基礎シリーズ。
本日は「差別化戦略」について、です。
他の企業やサービスとの”差をつける”ことが差別化なのかなと何となく理解していても、改めて差別化戦略の定義や使い方を考えてみるとよくわからない、、。そんな事も多い単語です。
この記事では、そんな「差別化戦略」の”定義”や”学ぶ意義”に加え、”実践的な使い方”までを説明してきます。

差別化戦略とは?

一般用語としての”差別化”の意味は「他との差をつけること」ですが、ここではビジネスとしての”差別化(差別化戦略)”について考えていきます。
また、ビジネスのあらゆる用語に共通して言われることですが、差別化戦略に関しても、全世界共通の正しい定義が存在する訳ではありません。多くの起業家や投資家が様々な定義をしているので、ここで紹介するのはあくまで一例です。 ズバリ、差別化戦略とは「他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略」です。

この定義は権威あるアメリカの経営学者であるマイケル・ポーターさんが提唱する競争戦略論より引用させていただきました。ビジネスの世界では「ポーターの競争戦略」で有名なポーターさんです。

差別化戦略の詳細とそのゴールとは?

差別化戦略とは「他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略」と書かせていただきましたが、もう少し詳しく説明させていただきます。 ポーターの競争戦略では、差別化戦略以外にも3つの競争戦略が出てきます。

1.差別化戦略

他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略。

2.コストリーダーシップ戦略

他社製品よりも安くすることで勝負する戦略。

3.集中戦略

特定の製品やサービス、市場に集中することで、オリジナルの地位を確立する戦略のこと。

つまり、ポーターの競争戦略の定義にのっとれば、価格による違いを作ることや市場選定(ターゲット選定)による違いを作ることは、“競争戦略の一部ではあるが、差別化戦略ではない”ということになってきます。
あくまで差別化戦略というのは、他者との明らかな特異性を出すことで、競争優位を築く戦略であり、そのゴールは「高くても売れる状態を目指す」ことにあります。
また、差別化戦略の大前提は「お客さんにとって有益な特異性」である必要があります。差別化を図ることが目的となり、お客さんが喜ばない差別化には何も意味がありません。
お客さんが喜んでくれ、且つ他の競合には真似ができない”差別化”こそが、本当の意味での差別化戦略と言えます。

差別化戦略の作り方

では、具体的にどのように差別化戦略を図っていけばいいのでしょうか。ここでは差別化戦略を考える”4つの観点”をご紹介します。
1. ブランドイメージで差別化する
2. 製品で差別化する
3. 顧客サービスで差別化する
4. 流通チャネルで差別化する
一つ一つについて、詳しく説明していきます。

1、ブランドイメージで差別化する

“ブランド”という言葉の通り、この差別化戦略はブランディングです。シャネルやグッチなどの高級ブランドの他にも、AppleやNIKEなど、”クールでカッコいいから高くてもここ製品がいい!”と思ってもらう仕掛けを指します。最近話題のD2Cブランドもこの観点での差別化戦略を積極的に行っています。

2、製品で差別化する

これはシンプルに製品・サービス自体のクオリティーや機能を他社が真似できないほど高めることによる差別化です。飲食店の中であれば、”どこよりも美味しい”、webサービスであれば、”どこよりも使いやすい”を目指します。

3、顧客サービスで差別化する

2の製品での差別化に少し近いです。例えば、ディズニーランドやスターバックスはスタッフの対応が素晴らしいことで知られています。製品自体のクオリティーだけではなく、それに付随するサービス全体(特に人によるサービス)を高めることによる差別化です。

4、流通チャネルで差別化する

流通チャネルとは顧客に商品が届くまでの経路を指します。DXが話題の今でいえば、実店舗だけじゃなくECでも買える、ECで買えば翌日届くなど、チャネルを工夫することで他者との差別化を図る戦略です。
以上、4点。簡易的なな説明でしたが、ご自身の事業において、他社が真似できないことはないかを考えるきっかけになれば幸いです。

まとめ

簡単に記事のまとめです。

– 差別化戦略とは「他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略」のことである。
– 差別化戦略のゴールは高くても売れることである。
– 競争戦略には差別化戦略のほかに、低価格に注力する「コストリーダーシップ戦略」とニッチな市場に注力する「集中戦略」がある。
– ブランドイメージ、製品、顧客サービス、流通チャネルの4つの観点で差別化を図ることができる。

以上のように、今回は差別化戦略を解説してきました。ビジネスというのは何かをリプレイスするものなので、既存事業との戦いは必ず発生します。
独自の価値を生み出し、独自の届け方や作り方をすることで、競合との戦いに勝ち、事業として存続していきます。
本日は差別化戦略の基礎的な所だけの解説となりましたが、差別化戦略には非常に多くの考え方や具体的な施策が存在しているので、この記事が多くの記事や本を読んでみるきっかけになれば幸いです。

三井 滉平氏

26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役

U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。

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