U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
起業コラム:資金調達
#資金調達
【3分でわかる起業の基礎】資金調達の種類と考え方
3分でわかる起業の基礎シリーズ。
本日は「資金調達」について、です。
ビジネスを始めようと思った時、そして始めた後も、経営をしていく中で切っても切り離せない関係である”お金”についてのお話しです。
この記事では、そんな資金調達の種類と説明、実際に行動する際の注意事項について説明していきます。
※全体像を理解してもらうことを最優先とした記事のため、細かいニュアンスや言葉尻等、微妙に現実と異なる場合があるかもしれませんが、ご了承ください。
資金調達の種類
大きく、資金調達には5種類があり、それぞれにメリットデメリットが存在しています。
過去の先輩起業家も、そしてこの記事を読んでいるあなたも、この5つの中のどれかを選択し、資金調達を実施します。
1. 出資(エクイティファイナンス)
2. 融資(デッドファイナンス)
3. クラウドファンディング
4. 補助金や助成金
5. 自己資金
この5つです。それぞれについて詳しく解説していきます。
1、出資(エクイティファイナンス)
この出資による資金調達は原則”株式会社”しか実施できません。というのも、自身の株式会社の株式(会社の所有権)の一部を投資家に渡すことで、資金調達する手段だからです。
この出資の仕組みに関しては少し複雑であるため、また別の記事を執筆予定です。ここでは、出資(エクイティファイナンス)とは、”株式の一部を投資家に渡して資金調達をする手段のこと”という認識だけあれば大丈夫です。
出資のメリットは、返済不要である点です。ただ、出資の決定は担当者の裁量によって決まることが多いので、調達難易度が変動することはデメリットです。しかし、担当者の裁量で決まることは、メリットと表裏一体であり、数百から数千万単位のお金を即決で調達できる場合もあります。(調達金額や意思決定プロセス等は、投資家によって異なるので、各投資家の情報を調査の上、調達活動に向かうことをお勧めします。)
2、融資(デッドファイナンス)
金融機関や知人から借入を行う資金調達の方法です。細かく言えば、金融機関からの直接融資(プロパー融資)、信用協会付きの融資、公庫等からの融資、知人からの融資の融資の中でも大きく4パターンに分けられます。
メリットは出資と異なり、自らの会社の株式(所有権)を手放すことなく資金調達ができる点です。デメリットは、(当たり前ですが)返済が必要である点と、貸し出しには実績を重視するため、若者や実績が不十分な人の資金調達が難しいという点です。
3、クラウドファンディング
インターネット上の不特定多数の人から資金を調達する方法です。クラウドファンディングの中にも、購入型・寄付型・金融型(株式投資型等)がありますが、日本におけるクラウドファンディングのほとんどは「購入型」となります。
購入型のクラウドファンディングは最も一般的な手法で、リターンを設定し、そのリターンを購入してもらうことで支援していただく形です。
クラウドファンディングの一番のメリットは、出資や融資と異なり、誰でも始めることができる点にあります。
4、補助金や助成金
国や地方自治体が運営する補助金や助成金に申請し、資金調達を行う方法です。
メリットは返済不要で行っている場合が多いので、何の制約もなく資金が調達できる点にあります。デメリットとしては、手続き自体は複雑なこと、申請から着金までのスケジュールが比較的長いことが挙げられます。
5、自己資金
自分で貯めたお金です。何も制約がなく使うことができ、失敗した時のリスクもないので安心して使うことができます。デメリットは、貯めるまでにある程度の時間が必要なことです。
資金調達の心得
続いて、資金調達に向けて行動する前に知っておきたい”心得”を2つご紹介します。2つとも当たり前の考え方ですが、意外に知らずに行動し、手痛い失敗をしている人も多く見られますので、ぜひご一読ください。
1、資金調達”用途”を明確にする
要するに「そのお金って何にいくら使うんだっけ?」という話です。資金調達はあくまで手段であり、目的ではありません。当然、資金調達ができれば事業が上手くいくわけではありません。
上で書いた通り、それぞれの資金調達方法にはそれぞれメリットデメリットがあり、それらの方法を使いこなすためには、まず「自分がいくら調達する必要があるのか」を明確にする必要があります。そして、その金額の“妥当性”も慎重にチェックするべきです。
私自身「資金調達がしたいです。」という相談を受けることがありますが、「何のためにいくら必要なの?」と質問すると黙ってしまう人も多いです。まずは、資金調達用途を明確にしてみましょう!
2、専門家に相談する
どの資金調達方法に関しても、最低限の知識を自分で勉強することは必須ですが、細かい知識はあまりにも複雑で、全てを自分で勉強するにはかなりの時間と根気が必要になります。
出資も融資もクラウドファンディングも補助金や助成金も、全ての資金調達方法において、それぞれの専門家が存在します。
特に資金調達の世界では”知らなかった”で、大きく結果が変わることがありますので、自分なりに調べた後は、必ず相談しにいくことをお勧めします。
まとめ
資金調達方法の種類とメリットデメリット、そして資金調達に向かう前の心得について説明してきました。
– 資金調達方法には大きく「出資」「融資」「クラウドファンディング」「補助金や助成金」「自己資金」の5パターンがある。
– それぞれにはメリットデメリットが存在するので、自分の調達金額や状況によって使い分ける。
– まず資金調達の用途を考える必要がある。資金調達は手段であって、目的ではない。
– 細かい手続きや説明はその都度専門家を頼るのがお勧め。
それぞれの資金調達方法における深い説明に関しては、また別の記事でも取り上げる予定です。この記事では、資金調達の全体像が伝わっていれば幸いです。
三井 滉平氏
26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役