U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
【今更聞けない用語を解説】「OKR」
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【今更聞けない用語を解説】OKR
今更聞けない用語解説シリーズ。
本日は「OKR」について、です。
起業に向けて行動していく中で、イベントや記事、本の中でこの言葉を見たことがある人もいるかもしれません。
この記事では、そんな「OKR」の”定義”に加え、”実践方法”までを説明してきます。
尚、この記事はあくまで基礎的な内容ですので、もっと詳しく知りたい方は書籍や他の記事なども参考にしてみてください。
OKRとは?
数年前に話題となり、今ではすっかり定番用語となってきているこちらの単語。広義で言えば、OKRとは”目標の管理手法”の事ですが、今までの目標管理手法との違いや細かい定義について説明していきます。
まずは結論から。OKRの定義はこちらです。
OKR = 「目標と達成度を図る指標をリンクさせ、企業やチーム、個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にする目標管理手法」
(by wikipedia)
もちろん人によって、本によって、細かいニュアンスや言葉は違いますが、大きな意味では同じです。OKRは目標管理手法であり、チームと個人の目標を紐付けたものです。
もう少し詳しく解説していきます。
そもそもの「OKR」という言葉の意味を深掘りしていきます。それがこちらです。
OKRは略語であり、「Objective(目標)」+「Key Result(重要な成果)」を合わせた言葉です。1つのObjectiveと設定し、それにリンクする形でKey Resultが設定されるイメージです。
例えば、「東大に入りたい!」というObjective(目標)を掲げたとします。
その際に必要となってくるのは具体的な数値指標であり「どの教科で何点取れば東大に入れるのか」です。(ここでは簡易的に)5教科7科目900点満点で、9割の810点以上を取れれば合格ラインだとすれば、810点がKeyResult(目標とリンクする結果指標)となります。
このように基本的に「Objective」は定性的な目標を設定し、その目標が達成されるための数値目標として「KeyResult」を設定していくイメージです。
なんとなくのイメージが出来たと思いますが、ではなぜ今このOKRが大切だと言われているのか、既存の目標管理手法と何が違うのかについても深掘りしていきます。
なぜOKRが注目されてきたのか
OKRは既存の目標管理手法の問題点を解消した事で有名になってきたので、OKRのメリットと既存の目標管理手法との違いはほぼイコールです。なので、ここでは既存の目標管理手法についてのおさらいから入り、OKRとの違いとメリットについて説明していきます。
既存の目標管理手法には非常に多くの方法がありますが、ここでは代表的なものを2つあげます。「MBO(Management by Objective)」と「KPI・KGI」の2つです。
いきなり知らない単語が続き、少し拒否反応が出た人もいるかもしれませんが、安心ください。解説します。(ここではざっくり解説で、深くまでは解説しませんので、もう少し詳しく理解したい方はぜひ調べてみてください。)
MBO = 業務管理や人事評価に使われる目標管理指標
KPI・KGI = 目標を数値化して管理するマネジメント手法
パッと見どちらもOKRに近い目標管理手法ですが、大きな違いは2つあります。
1. 導入目的
2. 目標の達成度
この2つです。一つずつ解説していきます。
1. 導入目的
基本的にMBOやKPIは進捗管理のために導入します。上司が部下に対して数値目標を設定し、その進捗でマネジメント、達成度で人事評価をつけることもあります。OKRでも進捗の管理や人事評価に繋がる部分もありますが、その大きな特徴は「会社全体の目標と部署や個人の目標がリンクすることでモチベーションが上がる」ことにあります。
つまり、OKRは上司が部下を管理するものではなく、会社全体として一つの目標に向かうための目標管理方法です。一体感が生まれることによって、やる気に繋がり、生産性や創造性がアップし、従来よりも大きな目標達成が見込めます。
2. 目標の達成度
MBOもKPIもOKRもどれも目標を管理する手法であることは変わりません。しかし、MBOとKPIが目標達成度100%を目指すのに対して、OKRは60~70%を目指します。「目標管理手法なのに目標達成しなくていいの?」という疑問を持たれた方も多いと思いますが、ここがOKRにおいて最も理解が難しい所です。
OKRでは”ムーンショット”と呼ばれる野心的な目標をObjectiveに掲げることを推奨されます。なぜなら、OKRの導入目的は「チーム全員の生産性向上」であるため、Objectiveには全員がワクワクするような目標を掲げなければいけません。出来そうな目標ではワクワクし、全員で本気で追いかける事は難しいんですね。
なので、OKRはあえて野心的な目標(全員が本気で努力しても達成が難しそうな目標)を設定し、結果的にその達成度が60~70%になってもやり切ったなら仕方ないよね、というイメージで運用していくことが求められます。最初から60%を目指すのではなく、全員が100%を目指したけど、結果的に60%になってしまった、という状態です。ただ、その60%でも100%達成できるような目標を掲げていた時よりも遥かに効果が出たね、という状態が生まれることがOKRの理想です。
この他にも細かい違いはありますが、大きな違いとして2点あげて解説してきました。
この段落の初めにも書いた通り、これらの既存の目標管理手法とOKRの違いが、ほぼイコールでOKRのメリットや注目されている背景に繋がります。
OKRでは全員がワクワクして働ける状態を目指すことで通常では達成できないような結果を生み出すことができます。働きがいや理念やビジョンに共感して働くことが主流になってきた現代において、それらを意識しつつ、目標を管理できる手法としてOKRが注目されてきたというわけです。
まとめ
最後にまとめです。
・ OKRとは目標と達成度を図る指標をリンクさせ、企業やチーム、個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にする目標管理手法である。
・ ObjectiveとKeyResultを合わせた造語。
・ Objectiveには全員がワクワクするような野心的な目標を掲げ、その達成指標としてKeyResultを設定する。
・ OKRは内なるモチベーションから来る働き方を実現できるような目標管理手法である。
あくまでこの記事で書いたことは基礎的な内容であり、理解を優先させるために省いた説明もあります。なので、気になった方や実践してみたい方はぜひもう少し詳しく調べてみてください。
この記事が何かの参考になれば幸いです。
三井 滉平氏
26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役