【今更聞けない用語を解説】「DAO」

スタハ通信 STARTUP HUB TOKYO

2022.2.20に
お届けしております

DAO
  • #起業コラム

  • #今更聞けない用語

  • #DAO

【今更聞けない用語を解説】DAO

今更聞けない用語解説シリーズ。

本日は「DAO」について、です。

“今更聞けない”と言いつつも、2021年末から2022年にかけて話題となってきたこちらの用語。

この記事では、そんな「DAO」について、ざっくりわかるように説明してきます。

尚、この記事はあくまで基礎的な内容ですので、もっと詳しく知りたい方は書籍や他の記事なども参考にしてみてください。

DAOとは?

DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略称です。日本語訳すると「自立分散型組織」と呼ばれます。

1人の人間や組織に支配されず、管理者が存在せず中央政府にも支配されてない、自動化と分散化がされた組織であり、予め設定されたルールを元に世界中の人間が参加でき、参加者の投票によってプロジェクトの方針が決まっていきます。主にイーサリアムのスマートコントラクトを活用しながら運営されます。

はい、ここまで説明されても「実際よくわからん!横文字が多過ぎてパニックです!」という方も多いかもしれません。なので、出来る限りわかりやすく噛み砕いて説明します。

DAOを簡単に言えば「リーダーがいなくて回ってる組織」のことです。

ここで疑問となってくるのが「リーダーがいなくて前に進むの?何か課題があった時はどうするの?」この辺りですが、これはみんなの投票で決まっていきます。

「○○がしたい!」を提唱するプロジェクトの発起人は存在します。その発起人の呼びかけで集まった人たちがそのプロジェクトのトークンを購入します。そして、プロジェクトの方向性を決める時は、発起人が勝手に決めるのではなくて、そのトークンを保有してる人達の投票によって決まっていきます。こういった主権がいない分散型組織のことをDAOと言います。

ものすごく簡単に言えば「みんなで1億円の土地を買って何か楽しいことしようよ!」と言い出した人がいたとします(発起人)。それに共感した人たちが「俺は1,000万円出すよ!」「私は2,000万円」と次々と集まり、実際に土地を購入します。

で、その土地に何を建てるか、どう使っていくかを最初にお金を出し合ったみんなで話し合いながら進めていくイメージです。そして、その時の投票券は最初にお金を出した比率によって変わります。1,000万円出した人よりも2,000万円出した人の方が投票の権利が強い感じですね。

DAOというのはこんなイメージの組織のことを指します。

そして、これが今画期的だと言われているのは、この一連のやり取りを完全にプログラム化して、人の手を介さずに出来るようになったからです。

例えば、上で書いた”土地運用プロジェクト”に関して、みんなで話し合って進めていくことは今でも出来ます。ただ、どうしてもその話し合いを設定したり投票を集計する人が必要になってくるんです。幹事的な人ですね。

DAOの場合、ここが完全に必要なくなります。本当の意味で中心で仕切る人がいなくなり、イーサリアムのスマートコントラクトを用いることで、分散化した組織を回すことが出来るのです。

これがDAOが注目されている理由です。

なので、将来的にはリーダーがいない組織として株式会社と対をなす存在にまでなるのではないかと言われています。

DAOの課題

そんなDAOですが、大きく3つの課題があると言われています。もちろんまだまだの技術や概念なので課題は沢山あるし、これからも出てくるはずですが、今存在するだけでも3つあります。

1. ハッキングリスク

2. 発起人の影響力が結局残っちゃう

3. 主体がいないからアップデートされない

それぞれを解説していきます。

1. ハッキングリスク

基本的にDAOは誰でも参加でき、オープンで透明性が高い組織です。つまり、DAOのアルゴリズムのルールやプロジェクトのソースコード、取引記録が全て公開されているんです。それによって、ハッキング側がしやすい状況が生まれてしまっています。

2. 発起人の影響力が結局残っちゃう

上のDAOの説明を聞いて、「自立分散型で運営主体がいないって言ってるけど、発起人は?」と思った方もいるかもしれません。その通りです。矛盾してるんです。DAOの理想系で提唱されていることは「発起人が徐々にフェードアウトしていき、最終的には完全なる自立分散型になる」です。発起人は手を挙げて、プロジェクト立ち上げて、軌道に乗ってきたら身を引く。そのことでDAOになる。

ただ、冷静に発起人のメリット何?って思いませんか?理想はわかるけど、発起人は自分で作ったからトークンを多く持っていたり、影響力をある程度残したい気持ちが生まれるはずです。結果、完全なるDAOにならなくね?が発生してしまいます。実際にその辺りが問題になっているプロジェクトも多数存在しています。

3. 主体がいないからアップデートされない

これもわかりやすですが、DAOは一度作った仕組みをみんなで回していくので、プロダクト自体のアップデートがあまり行われません。今の時代のwebサービスは運営主体が毎日毎日アップデートしてくれるからどんどん使いやすくなっていきます。DAOはそれがほぼない、もしくは遅い。これって価値あるものを作れるんだっけ?が問題になっています。

このように課題はありますが、それでも尚、大注目されているワードです。

まとめ

最後にまとめです。

・DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略称です。日本語訳すると「自立分散型組織」と呼ばれる。

・イーサリアムのスマートコントラクトを用いることで、本当の意味で運営主体がおらずに回る組織が実現できる。

・簡単に言えば、DAOはリーダーがいなくて勝手に回る組織のこと。

・課題感もまだまだあるが、大注目の概念。

以上、DAOの基礎についてまとめてみました。

この記事では初心者向けになるべくわかりやすく書くことを意識しましたので、情報としての抜け漏れ等あるかと思いますが、ご了承ください。ざっくりとイメージがつくことがゴールの記事です。さらに勉強してみたい方はぜひ別の記事や動画等もご覧になってください。

三井 滉平氏

26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役

U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。

この記事を書いた
ライターをご紹介

TOP