U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
【3分でわかる起業の基礎】エクイティファイナンス
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【3分でわかる起業の基礎】エクイティファイナンス
3分でわかる起業の基礎シリーズ。
本日は「エクイティファイナンス」について、です。
よく聞く単語ではあるものの、意外にその定義についてはあやふやなところも多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなエクイティファイナンスの基礎について説明していきます。
エクイティファイナンスとは?
ファイナンスという言葉がついている通り、”エクイティファイナンス”とは資金調達方法の一つです。エクイティファイナンス以外にも資金調達方法は存在しており、起業家はその中から最適なものを選択し、資金を調達し、事業を拡大していきます。
▼その他の資金調達方法に関してはこちらの記事で解説しています。
その中で今回解説する「エクイティファイナンス」を一言で言えば「”出資”による資金調達方法」です。
間違いやすいのが出資と融資の違いですが、簡単に言えば「出資=返済不要のお金」で「融資=返済するお金」です。おそらく”融資”に関しては、いわゆる”お金を借りる”行為なので、イメージしやすいのではないかと思います。
ただ、”出資”となるとあまり聞き馴染みがないのでイメージがつきづらいかもしれません。返済不要のお金なので、お年玉のようにただで貰えるの?と感じてしまうかもしれませんが、決してそういうわけではありません。出資する投資家も自分にリターンが返ってくる可能性があるから出資するわけです。
結論としては「出資=株式を発行して資金調達する方法」です。
会社には合同会社や一般社団法人、NPO法人など多くの種類がありますが、この出資による資金調達ができるのは”株式会社”だけです。なので、ここからは株式会社について話していきます。
この辺りの会社に関しての知識は別途解説しますが、ここでは細かい会社の定義や法律はすっ飛ばして、理解しやすいよう、イメージしやすいように解説します。
株式会社には「所有と経営の分離」という考え方があります。”その会社を所有する人と実際に経営して事業を大きくする人は別の人の方がいいよね”という考え方です。
この会社を所有している人を”株主”と呼び、経営する人を”経営者や取締役(取締役会)”と呼びます。株主と経営者がイコールのこともありますが、ここで大切なのは、株式会社には所有と経営の考え方があり、会社を所有している人を株主と呼ぶということです。
少し違いますが、イメージとしては不動産のオーナーと賃貸借契約者に近いかもしれません。借りてる家は一見自分の家のようですが、勝手にリフォームしたりはできませんよね。あくまで所有はオーナーで、借り手はそこから借りて暮らしています。
株式会社も株主が所有者なので、経営者がなんでも決めれるわけではありません。株式の比率によって、決定権はあくまで株主にあります。一般的に、経営者と筆頭株主(一番株を持ってる人)が同じであることが多いので、経営者がなんでも決めてるように見えますが、実際は経営者だから決定できるわけではなくて、筆頭株主だから決定ができるというわけです。(厳密に言えば、筆頭株主でもその株式比率によっては決定ができるわけでは無いのですが、この辺はややこしいのでまた別の機会に。)
ただ、会社という形が無いものの所有権をどうやって証明したらいいのかという話になりますよね。その会社の所有権を証明するものが”株式”であり、保有している株式の%によって、その会社の所有権の割合が決まります。
そして、その株式(会社の所有権)の一部を渡すことによって、投資家から資金調達をする方法が出資であり、エクイティファイナンスです。
例えば、1億円の時価総額(会社の価値)がある会社の10%の株式には1,000万円の価値があるというイメージです。なので、起業家は自社の株式(所有権)を投資家に渡すことで資金調達ができます。
そして、1億円の時価総額で1,000万円出資し、10%の株式を持つ会社が順調に成長し、時価総額100億円で上場したとします。そうすると、時価総額100億円の会社の10%の株式を持っていることになるので、その株式には10億円の価値があります。1,000万円の出資が10億円になったわけです。
投資家が狙っているリターンはここにあります。この先成長していくであろう会社に出資し、成長を支援することで大きなリターンが得られる可能性があるので、出資という形で投資家がお金を起業家に渡せるわけですね。
少しややこしい説明をしてしまいました。まとめると「エクイティファイナンスとは出資による資金調達方法」である。そして、「出資とは株式(会社の所有権)を投資家に渡すことで資金を得る方法である」ということです。
▼詳しい説明や解説はこちらの本がおすすめです。
注意事項
どの資金調達方法にもメリットとデメリットがあり、実践にあたっての注意事項があります。ここではエクイティファイナンスにおける注意事項を解説します。
1. 株式による資金調達は不可逆(取り返しがつかない)なので、調達前には一度専門家に相談する。
一度株式を誰かに渡してしまうと、取り戻すことがかなり難しくなります。投資家を名乗る変な人に株式を渡してしまったり、過剰な量の株式を渡してしまうと、自分が頑張って作ったサービスなのに、その権利ごとその株主に持って行かれてしまうことがあります。株式を渡す投資家はちゃんとした人なのか、過剰な株式を渡していないかなど、実践する前に必ず専門家に相談することをお勧めします。
2. 起業家であればファイナンス周りの最低限に知識は必ず身につける。
最終確認は専門家の人に相談するにせよ、このエクイティファイナンス周りの知識は会社経営の根幹に関わる部分なので、最低限身につけておく必要があります。勉強しましょう。
3. 資本政策表を作成し、それにそった資金調達を心掛ける。
資本政策表という新しい単語が出てきました。ここでは解説しませんが、調達を実践する際はこの資料を作り、それに沿った調達を心がけます。
以上、まだまだ細かい点はありますが、最低限の勉強をして、専門家に相談した上で実施していきましょう!
まとめ
最後にまとめです。
・「エクイティファイナンス」を一言で言えば「”出資”による資金調達方法」である。
・出資とは株式を発行することによって資金調達する方法である。
・株式とは会社の所有権のことであり、株式はその会社の価値に応じた値段になる。
・実践の前によく知識を入れて、専門家に相談する。
以上、今回は少し難しい話になりました。なぜ難しいのかというと、エクイティファイナンスを理解するにはその周辺知識を理解しなければいけないからです。株式会社の仕組み、会社の時価総額の付け方、資本政策の作り方など、ファイナンスの知識は連動しています。
それらの知識について一つ一つ解説していければと思いますので、別の記事もお待ちください。この記事が少しでも勉強になれば幸いです。
三井 滉平氏
26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役