U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
【今更聞けない用語を解説】パーパス
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【今更聞けない用語を解説】パーパス
今更聞けない用語解説シリーズ。
本日は「パーパス」について、です。
ここ1年ほどで日本でも徐々に聞かれるようになってきたこちらの単語。
この記事では、そんな「パーパス」の基礎について、ざっくりわかるように説明してきます。
パーパスとは?
その呼び方の通り「目的」や「意図」といった意味を表す英単語「Purpose」と同義です。日本語で呼ぶときにパーパスと呼んでいる形ですね。
なので、パーパスのそのまま「目的や意図」といった意味となります。ただ、これをビジネス用語として活用した時に少し表現が変わり「企業としての存在意義(存在目的)」という意味で使われることが多いです。目的や意図という根本の意味は同じです。
「何のための自社は存在するのか」この問いに対する答えこそがパーパスです。
と、ここまでを読んで疑問に思った方もいるかもしれません。その疑問とは「ミッションや経営理念とは違うの?」です。
確かに、ミッションや経営理念もその会社の存在意義を言語化したものですので、その意味合いは同じです。では一体、パーパスとは何が違うのでしょうか。
実はこの辺の定義は非常に曖昧です。というのも、そもそもミッションや経営理念が抽象的な定義である上にパーパスがここ数年で話題となった概念なので、まだまだ議論がなされているところです。加えて、経営者(人)によっても定義が異なるので、全世界共通のこれ!と言った定義はまだありません。
ただ、現時点で”違い”として言われていることはありますので、ここではその紹介をさせていただきます。
ミッションや経営理念とパーパスとの違いは「社会との繋がりを意識しているか否か」という点にあります。
厳密に言えばミッションや経営理念も社会との繋がりを意識している部分はあるので、それがより強まった概念がパーパスという定義です。
社会との繋がり?、ちょっとわかりづらいですよね。
物凄く端的に言えば、SDGsやサステナブルなど、自社事業と社会課題の解決をどれだけリンクさせているか、リンクさせる気があるか、という所が違いです。社会との繋がりは社会課題との繋がりを指しています。
パーパスという単語が生まれる前から社会課題の解決と自社事業をリンクさせていたことで有名な企業の一つが「パタゴニア」です。
パタゴニアが社会課題の解決に挑んでいることは皆さんも何となく聞いたことがあるかもしれません。パタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というパーパスを掲げ、事業を営んでいます。まさにパーパス(会社の存在意義)とはこのような企業としてのあり方や目指す先の価値観にあります。
「世界一面白いサービスを作る」も立派な会社としての存在意義であり、ミッションに掲げられる内容です。ただ、このミッションには社会との繋がりがないので、パーパスではありません。良い悪いではなく、掲げられる価値観の違いです。
このように、パーパスはまだまだ定義が曖昧で人によっても異なる言葉ですが、会社の存在意義のことであり、ミッションや経営理念よりも社会との繋がりを重視した単語です。
なぜ今注目されているのか
そんなパーパスという単語ですが、ここ数年で一気に注目され始めました。パーパス経営という単語も生まれ、海外企業はもちろん日本企業でもパーパスを掲げ始める会社が増えてきました。
一例ですが、最先端を進む大企業もパーパスを策定し始めました。
▼mixiがパーパス策定
▼ソニーグループのパーパス策定
この背景には「社会課題の解決と自社事業をリンクさせる必要性が出てきたから」という理由が挙げられます。
昨今のSDGsやサステナブルの盛り上がりによって、今までの寄付的な関わり方ではなく、企業活動の一部に社会課題の解決を入れる必要性が増しています。
そして、その理由は大きく3つあります。
1. ESG投資の活性化
ESG投資を簡単に言えば社会課題をビジネスとして解決しようとしている会社にお金出しますよ!という投資方針のことです。そしてこれは投資家だけでなく同様の方針を打ち出している銀行も増えています。
2. 国家としてのルール規制が進む
EUが2035年までのガソリン車の販売を禁止する動きなど、社会にとって良い事業でないとそもそも事業として成立しない時代への変化が進んでいます。
3. Z世代を筆頭に優秀な若者がパーパスを重視している
勤務先や購入先の条件として社会課題の解決を重視している会社や商品かという軸がかなり大きなものとなってきています。その筆頭がZ世代です。なので企業としては採用のためにも、販売のためにも、パーパスを意識し始めることになっています。
こういった時代的な背景があり、社会全体としてパーパスを意識した経営スタイルに変化して生きています。
まとめ
最後にまとめです。
・パーパスとはPurposeのことであり、会社の存在意義(存在目的)という意味をさす。
・ミッションや経営理念と意味合いは近いが、パーパスの方がより社会との繋がりが強い。
・SDGsやサステナブルの盛り上がり、国家としてのルール規制、Z世代の価値観の変化などが重なり、もはやパーパスを意識することは会社経営の必須条件となってきている。
以上、パーパスについてでした。この記事では基礎的な内容の話ですので、より詳しく勉強してみたい方にはこちらの本がおすすめです!
三井 滉平氏
26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役