【今更聞けない用語を解説】CBDC

スタハ通信 STARTUP HUB TOKYO

2022.4.12に
お届けしております

CBDC
  • #起業の基礎

  • #CBDC

【今更聞けない用語を解説】「CBDC」

今更聞けない用語解説シリーズ。

本日は「CBDC」について、です。

今更聞けない用語と言いつつも、まだまだ一般的にはその認知度が低いこちらの単語。この記事ではそんな「CBDC」の基礎について解説していきます。

CBDCとは?

まずは定義から説明します。

「CBDC」とは「Central Bank Digital Curency」の頭文字を取った略語であり、「中央銀行デジタル通貨」という意味です。

そして、主に下記3つの条件に当てはまるものがCBDCと呼ばれています。

1. デジタル化されていること

2. 円などの法定通貨建てであること

3. 中央銀行の債務として発行されること

端的に言えば、CBDCはブロックチェーンを使った暗号資産(仮想通貨)を国家として作れないか?という取り組みを指します。

今現在、実用化されているものはほぼありませんが、デジタル円・デジタルユーロ・デジタルドル・デジタル人民元など、各国でCBDCの開発が進んでいます。ではなぜ、CBDCを国家として取り組み始めているのかについても解説していきます。その背景を理解することで、よりCBDCについての理解が進むはずです。

簡単にその背景をまとめると下記のようになります。

・ビットコインの誕生で国際送金が自由に行え、中央が存在しない新しい通貨が誕生した。

・しかし、ビットコインをはじめとした多くの仮想通貨は価格の変動(ボラティリティー)が激しく、日常生活で使う通貨として(円の代替品として)の活用は難しかった。

・そこで、基軸通貨にペッグした”ステーブルコイン”が誕生した。(Tポイントや楽天ポイントのように”1円=1ポイント”とボラティリティーの少ない通貨に紐づけることによって、仮想通貨のボラティリティー激しい問題を解決した。)

・ しかし、一企業が運営するステーブルコインが全世界で使われるようになると、今現在国家が担っている”通貨発行権”が機能しなくなってしまう。それに付随して、金融政策等が行えなくなり、国のコントロールが難しくなる。これを危惧した国家が一企業が運営するステーブルコインに規制を入れ始める。(FB主体のリブラ等)

・とはいえ、仮想通貨の技術(国際送金簡単、手数料安いなど)は便利なので使いたい。ただ、一企業に任せるのはリスクが高い。では「国として行おう!」となり、世界各国でCBDCがスタートし、現在に至ります。

ここまでを見た上で、上述した3つの条件を振り返ってみると、よりわかりやすいはずです。

デジタル通貨であり(仮想通貨の技術を使っている)、円などの法定通貨建て(ステーブルコイン)であり、中央銀行の債務として発行される(一企業ではなく国家業務として行う)ものがCBDCです。

他のデジタル通貨との違いは?

上記した内容の補助的な内容ですが、デジタル通貨というのは現在も数多く存在しており、CBDCが新しい技術であるわけではありません。仮想通貨やステーブルコインも数多く存在しており、新しい技術であるわけではありません。

あくまでCBDCというのはそれらが組み合わさった概念であり、技術です。なので既存に存在するデジタル通貨とは異なります。

▼他のデジタル通貨との違い

今現在は、各国が研究、実証実験中です。ただ、まだまだ多くの課題があり実証化には至ってないのが現状です。例えば、CBDCを国民が使うようになれば、スマホで送金や貯蓄をできるようになってしまうので、既存の銀行の業務が大幅に縮小する可能性があると言われています。

その問題だけではありませんが、CBDCの開発と普及には既存の業界の利益を相反することが多々あります。国家主導が故の調整に手間取っているのが、実証化に行っていない大きな理由です。

そんな中で、国家としてマンパワーでCBDCの開発をリードしているのが中国です。デジタル人民元を標榜し、すでに実証実験を始めています。今後どうなるのかは世界中が注目しています。

まとめ

最後にまとめです。

以上、CBDCについてでした。まだあまり有名な単語ではありませんが、今後注目されていくことは間違いない概念ですので、この記事がその参考になれば幸いです。

三井 滉平氏

26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役

U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。

この記事を書いた
ライターをご紹介

TOP