【今更聞けない用語を解説】エンジェル投資家

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【今更聞けない用語を解説】エンジェル投資家
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【今更聞けない用語を解説】エンジェル投資家

今更聞けない用語解説シリーズ。

本日は「エンジェル投資家」について、です。

起業を志す中で一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ、しっかり理解していないと取り返しがつかない失敗をしてしまう可能性があるのが出資の世界です。なので、今日はそんなエンジェル投資家について解説していきます

エンジェル投資家とは?

まずは定義からです。

エンジェル投資家とは「主に創業期に個人で出資してくれる投資家」のことです。

VCなどの法人からの出資に比べれば額は少額のことが多いですが、個人の判断での出資のため、その相手に気に入られることができれば、即決での出資が決まることもあります。

エンジェル投資家は起業家にとっては本当に天使のような存在です。創業期には信頼も結果も資金もなく、アイディアしかありません。そんな状況の自分達を信じて、個人のお金を出資してくれる人たちです。なので、創業期の実績がない時に期待で出資してくれる天使のような人という意味から、”エンジェル”投資家と呼ばれます。

逆に、創業期の無知な起業家に対して不利な契約で出資を行う投資家のことを”デビル”投資家とも呼びます。例えば、起業家が死に物狂いで努力して成功させた会社でも、実はその所有権(株式)の大半を最初に出資した投資家が握っていた、その結果、会社を成功させた起業家には資産が残らず、最悪の場合は退任させられる、、といったケースも聞きます。

倫理的に見れば、その投資家サイドが批判されるかもしれませんが、法律的に見れば、双方合意の元で出資契約を結び、会社の所有権を示す株式は投資家サイドが握っているので、その投資家は何も法律に違反することはしていないことになります。これは起業家サイドが無知なために起こってしまう悲劇の一つです。なので、個人から出資を貰う際にはこの点は非常に注意しなければいけません。

エンジェル投資家から出資を受けるメリットデメリット

上述した話に通じる部分もありますが、改めて、エンジェル投資家から出資を受けるメリットとデメリット(リスク)について整理していきます。

まずはメリットからです。

– 決定が早い。

– 経験や人脈などのリソースを貸してもらえる。

大きく2つをあげました。一つ目はわかりやすく「決定が早い」です。これがVCからの資金調達と最も異なる点で、エンジェル投資家から出資を受ける最大のメリットです。

既存のVCは組織(法人)で出資を行います。出資の決議はVCによって異なりますが、少なくとも投資委員会というものが内部で開催され、そこで決議されます。VCとしても別の投資家から預かったお金を運用する立場なので、非常に慎重に投資先は吟味します。

一方、エンジェル投資家は個人の判断で出資を行うので、その人がYesと言えば出資が行われます。早ければピッチしたその場で決まることもあります。そして、個人の判断で出資が決まるので、個々人で判断基準が大きく異なります。なので、人柄で出資をされることなど、良くも悪くも個人の裁量によって、信頼されれば出資を得ることができます。これが信頼がない創業期においてエンジェル投資家から出資を受ける最大のメリットです。ありがたいですね。

そして、2つ目は「経験や人脈などのリソースを貸してもらえる」です。エンジェル投資家になるほど資金的な余裕がある人はすでに何かしらで成功している人がほとんどです。なので、その人自身の知見や周りにいる人の人脈などを提供してもらうことができます。ただ、この辺りはVCから出資をしてもらっても得られることでもあります。

ただ、どうしてもこの人に面倒を見てほしい!と思える人がいれば、その人からエンジェル出資を貰うことでサポートしてもらえるかもしれませんので、そこは少し違いポイントかもしれません。

では、逆にデメリット(リスク)は何か。

– 良くも悪くも個人なため、経営への介入を過度に行う人もいる。

– 株式の配分に気をつける。詐欺的な出資を行う人もいる。

それがこちらの2つです。下の株式の配分に関しては上で説明した内容と同じです。

メリットもデメリットも見てもらえればわかると思いますが、エンジェル投資家は”個人”が出資を行うので、”誰に出資をしてもらうか”が非常に大切です。株式を放出する以上、会社の株主となってチームの一員となるので、会社が潰れない限りずっと付き合っていく存在です。なので、一時の感情や目先のお金ではなく、長期で考えた上で相手を選ぶことが求められます。

まとめ

最後にまとめです。

以上、エンジェル投資家についてでした。繰り返しになりますが、エンジェル投資家は”個人”なので、人それぞれ投資基準も全く異なります。できるのであれば、多くのエンジェル投資家に会い、話を聞きながら、自分がピンときた方に出資をしてもらうことがおすすめです。

この記事が何かの参考になれば嬉しいです。

三井 滉平氏

26歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役

U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。

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