U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
【最新ワードを先取り】P2C
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#3分でわかる起業の基礎
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#P2C
【今更聞けない用語を解説】P2C
「最新ワードを先取り」記事です。この企画ではここ最近話題になり始めた単語に対して、いち早く解説していくことで、ニュースや全体像が理解できるようにしていきます。
本日は「P2C」について、です。
P2Cとは?
P2Cは、昨今話題となったD2Cと近しい概念で、中間業者を挟まずに生産者がそのまま消費者に販売するという点では同じです。
ただ、P2Cの場合は「Person to Consumer」と呼ばれ、個人が直接消費者と取引することを意味します。
具体的に言えば、芸能人やYouTuberが個人で運営するアパレルブランドやコスメブランドなど、インフルエンサーがブランドと立ち上げ、製造、告知、販売までを全て行うことをP2Cモデルと呼びます。
例えば、YouTuberヒカルが立ち上げたアパレルブランド「ReZARD」やファッション系インフルエンサーMBが手がける数々のブランドなど、既に影響力のあるインフルエンサーがブランドを立ち上げ、大きな成功を収める例が増えてきています。
では一体、なぜP2Cモデルがここまで話題になってきているのでしょうか。
ECの発展によって個人がブランドを立ち上げることが容易になったこと、そして仲介業者を挟まずに販売ができるD2Cブランドの発展など、時代の大きな流れに関して踏まえた上で、P2C独自の理由について解説していきます。
P2Cモデルが注目されている理由は、大きく2つ存在しています。
1.元々がインフルエンサーなので 販売に広告費がかからない(利益率が高い)
そもそも影響力を持っているインフルエンサーが立ち上げるので、企業が立ち上げたブランドに必ずかかってくる広告費がほとんどかからない。人気YouTuberなら自分の動画で宣伝するだけで、数百万人の人にリーチし続けることができる。企業が数百万再生を取るYouTuberに案件として渡す場合、広告費として数千万円かかるが、YouTuberの場合それが無料でできる。
その結果、高品質なものを安く提供できたり、圧倒的に利益率が向上する。
2.広告費の限界を感じ、 ダイレクト課金の時代が来ている
YouTubeもレッドオーシャーンとなり競争が激しくなってきています。YouTubeだけじゃなく、どのプラットフォームでも、限られたパイの取り合いが激しくなっています。その結果、広告費だけで売上を出すクリエイターの売上が下がってきています。なので、広告費に依存せずに売上を上げられるダイレクト課金の一つの手段としてブランドの立ち上げ(P2C)がインフルエンサーの間で流行してきています。
このように、インフルエンサー側の経営的な判断と、影響力があることで圧倒的に利益率が高いブランドを構築できるという収支的なメリットが合わさることで、P2Cのブームが訪れています。
また、消費者にとっても、P2Cのブランドは好きなインフルエンサーから商品を購入できることはもちろんですが、広告費がかかっていない分単価が低く設定されることが多いので、純粋に良い製品を安く購入できるというメリットがあります。
P2Cの課題点とは
インフルエンサーも消費者もどちらも嬉しいP2Cですが、課題は存在しないのでしょうか。
もちろんP2Cに限りませんが、全てのビジネスモデルにはメリットと・デメリットが表裏一体で存在するので、P2Cにも課題が存在しています。
ここでは2つ紹介します。
1.良くも悪くも立ち上げた インフルエンサーに全てが依存する
企画・広告・販売を全て個人が行うので、販売数(売上)がその時の人気に100%左右されます。人気があるときは販売が好調ですが、炎上した際など、人気が落ちてきた際にブランドとしての売上も下がってしまう。結果、インフルエンサーに依存したブランドとなりやすい。
2.全てを自分で行うため、 幅広い知識が必要となる
制作から販売を自分で監修するため、経営的な知識が必要となる。どこの会社とどんな条件で組めばいいのか等、インフルエンサー活動とは異なる能力が必要とされます。時には、悪条件で企業と提携してしまい、インフルエンサー側が不利なブランドになってしまう例もあると聞きます。
以上、2つの課題を紹介しました。
どうしても個人の影響力を使ったブランドなので、個人の判断によってブランドの売上が大きく変動する形となってしまいます。そして、インフルエンサーの中には社会経験がないまま有名になった人も多いので、ブランドを立ち上げる経営的な視点を持っている必要があるので、P2Cモデルが成功するか否かは、かなりその人自身の能力や経験によってしまいます。
ただ、これから先もP2Cモデルでのブランドはどんどん増えていくと言われており、クリエイターエコノミーの時代においては要注目の概念と言われています。
▼より詳しくP2Cについて理解したい人はこちらの記事がおすすめです。
まとめ
最後にまとめです。
・P2Cの場合は「Person to Consumer」と呼ばれ、個人が直接消費者と取引することを意味します。
・具体的に言えば、インフルエンサーがブランドと立ち上げ、製造、告知、販売までを全て行うことをP2Cモデルと呼びます。
・インフルエンサーの影響力を使って販売するので、広告費がかからず、利益率が高いブランドを立ち上げることができる。
・ただ、インフルエンサーの能力や影響力に依存したブランドのため、炎上リスクを抱えたモデルである。
以上、P2Cについての解説でした。この記事が何かの参考になれば嬉しいです!
三井 滉平氏
27歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役