U25の起業家コミュニティ運営する未来起業家交流会を4年前に立ち上げ、1年前に法人化。累計動員数は1,500人を超え、2018年夏にはクラウドファンディングで100万円を調達し、全国47都道府県で同時開催する「47未来起業」を実施。また、2020年1月に「全ての社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、株式会社demmpaを立ち上げ。現在は、もう一つのSNS「demmpa」の開発、運営をしている。
【今更聞けない用語を解説】イシューから始めよ
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#イシューから始めよ
【今更聞けない用語を解説】イシューから始めよ
今更聞けない用語解説シリーズ。
本日は「イシューから始めよ」について、です。
数年前に話題になり、今ではすっかり定着したこちらの単語。改めてその定義について解説していきます。
イシューから始めよとは?
「イシューから始めよ」とは、2010年に出版され、元経営コンサルタントの方が書いた本で、35万部超のロングセラーとなった本を指します。
ビジネスの世界では必読書の一つとして数えられていますが、そのメッセージを一言で言えば「問題解決において、イシューから始めることが大切だ」です。
ここでいうイシューとは英単語の意味の通り、「問い」を指します。言い換えれば、問題解決の問題とも言えます。
起業(ビジネス)は問題解決の連続です。チーム集め、資金調達、マーケティング、プロダクト開発、全てが初めてのことの連続であり、大小関わらずに非常に多くの問題が毎日発生します。それを一つ一つ解決していった先に成功があります。もちろん成功した先にも成長して行く過程で様々な問題が発生するので、起業は永遠に問題解決の連続で成り立っています。
その問題解決において、多くの人やビジネス書では「解決方法」や「解決策の質」に注目してしまいがちです。ここに一石を投じたのが本書です。
実は問題解決において大切なのは、解決先の質ではなく、そもそもの”問題設定(問いの設定)”にあります。
世の中にある「問題かも知れない」と言われていることの殆どは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。
本書ではこう書かれており、解決策を考える前に、その問題は本当に考えるべきなのか、と言う問いの吟味や質の向上に時間を割く重要性を謳っています。
このイシューから始めるために考えるべきことは大きく2つあります。
1.そもそもイシュー(問題)なのか?
2.どれほどの優先順位のイシュー(問題)なのか?
そもそも問題というのは、目標に対しての障害となり得るものです。
例えば、高校の英語のテストの点数が10点とった子がいたとします。この10点のテストは問題でしょうか?答えは、その子の目標によります。その子が大学を目指しているのであれば、10点は問題でしょう。ただ、就職だけを考えており、英語の点数が進学にも影響がないのであれば、10点であっても特に問題ではありません。
つまり、とある事象がある人にとっては問題となり、ある人にとっては問題にはなり得ないということです。その人の目標によって異なります。
これは会社にとっても同様です。起業の活動中で問題らしきものに当たったとき、そもそもそれは問題なんだっけ?という視点で考えてみる必要があります。上で引用した文章にもあるように、多くの場合、それは問題ではありません。
そして、問題であると認識できて初めて解決に向けて動き出すのですが、その際でも優先順位を定めるべきです。
例えば、英語のテストの点数を上げる時でも、単語勉強、長文読解、リスニングなど勉強しなければいけないところは多々ありますが、より点数にインパクトのある単語の勉強から始めた方がいいかもしれません。
このように、限られたリソースの中で何から解決すべきかという吟味も非常に重要になってきます。
良いイシューとは何か?
ここまではイシューの正体と、その全体像に関して解説してきましたが、もう少し踏み込んで「良いイシュー」とは何かについても解説します。
この本では、まず「バリューのある仕事」を定義するところから始まります。バリューとは価値なので、費やした時間ではなく、会社にとって価値ある仕事か否かという観点で見たときに、より価値があればバリューがある仕事であり、価値がなければバリューがない仕事という意味です。
そして、「バリューがある仕事」を「問いの質×解の質」と定義しています。
つまり、どれだけ解の質が高くても取り組む必要のない問いを行っていれば、バリューのある仕事とは言えない、と言うことです。
一流シェフでも(解の質が高くても)、そもそもの調理する材料が悪ければ(問いの質が悪い)美味しい料理にはならない(バリューのある仕事にならない)ということですね。
それだけ良い”問い”が大切なのですが、一体良い問いとはなんでしょうか。
本書の中ではこのように定義されています。
■ 良いイシュー(問い)とは?
1、本質的な選択肢である
それに答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与えるものである
2、深い仮説がある
検証できれば価値を生むことが納得できる
3、答えを出せる
現代のテクノロジーなどを使えば解く方法があるもの
それぞれについての詳しい説明は本を読んでいただきたいのですが、簡単に言えば、一番インパクトを与えるもので、そのインパクトに論理がついており、答えが存在するものということです。
最後の答えが存在するものは意外に忘れがちですが、大切です。例えば、哲学のような問いは問題解決ができません。
このように、そもそもバリューがある仕事をするためには問いの質が大切なので、イシューから始めることが大切なんですね。
まとめ
最後にまとめです。
・ビジネスの世界では必読書の一つとして数えられていますが、そのメッセージを一言で言えば「問題解決において、イシューから始めることが大切だ」です。
・実は問題解決において大切なのは、解決先の質ではなく、そもそもの”問題設定(問いの設定)”にあります。
・どれだけ解の質が高くても取り組む必要のない問いを行っていれば、バリューのある仕事とは言えない、と言うことです。
・良いイシューを簡単に言えば、一番インパクトを与えるもので、そのインパクトに論理がついており、答えが存在するものということです。
以上、イシューから始めよについて簡単に解説しました。
より詳しい説明は本書に書いてあるので、興味を持った方はぜひご覧ください!
三井 滉平氏
27歳 / 一般社団法人 未来起業家交流会 代表理事 / 株式会社demmpa 代表取締役