2022.1.17 起業コンシェルジュインタビュー 横川 真依子氏

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2022.1.17


「起業のことを相談してみたいけれど、どのコンシェルジュに相談すればいいか迷っている。」
「コンシェルジュがどんなことをしている人なのか興味がある。」
そんなみなさまにスタハTAMAコンシェルジュのことをもっと知って頂くために
各コンシェルジュにご自身のこと、起業相談のことをインタビューしました。

第9回目は横川 真依子コンシェルジュです。

横川 真依子氏


横川 真依子氏プロフィールはこちら



【現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。】


「”らしさ”で輝く世界の創造」に向けて、活動しています。

具体的には、①個人向けの自己実現支援や、②法人向けの伴走支援、③サービスやプロダクトの価値の具現化・可視化支援、④日本ならではの”らしさ”に光を当て、広める支援を行っています。

他にもライフワークとして、完全招待制の銀座スナックの共同オーナーも行っており、月に1度お店に立っています。

このように活動が多岐に渡るため、象徴的なキーワードとして「7つの肩書きで働くらしさ探求家」とお伝えしています。


【起業するきっかけや経緯は?】


きっかけは、「悔しさ」でした。もともと起業には憧れがありました。最初は自身が家族関係に悩んでいた体験から、家族向けのワークショップ型サービス立ち上げを考えていました。ただ、現在進行形で悩んでいることを果たして仕事にしてよいのだろうか?という疑問があり、また独立して経済的にやっていける自信もなく、なかなか一歩が踏み出せずにいました。

そんなとき、知り合いが同じようなコンセプトで、しかも当時の私がもっているスキルでもできそうな事業を立ち上げたんです。何を迷っていたんだろうと衝撃を受けましたね。自分に対する悔しさから、勢いで起業塾に申し込み、開業届を出しました。

でも実は、本当に会社を辞めて独立したのは、その1年後。きっかけは、祖父の死でした。

膵臓癌と脳梗塞で動けない身体となり、生きる上での楽しみを全て奪われた祖父は、たった2週間で精気のない変わり果てた姿となりました。その姿を目の当たりにしたとき、人には生きる希望が必要なのだと痛感しましたね。それが自分の生き方を見直す大きなきっかけとなり、瞬間レベルで心に正直に、自分らしく生きていこうと決意しました。その結果が、独立につながりました。

最初の仕事は、思いがけず発注いただいたイラスト納品でした。その後ありがたいことにご縁をいただき、ビストロのPR/マーケティング支援やCRMを活用したアパレルの顧客体験向上支援など徐々に業務の幅が広がり、一般社団法人を立ち上げた経緯があります。最初は個人事業主として活動していたため、法人設立はまったく考えていなかったのですが、仕事や生き方について似たような悩み・苦しみを抱えている方が多くいることを知り、実体験を通じてご支援していこうと考えたことが、法人化のきっかけです。


【起業してよかったことは?】


色々ありますが、これまで見えていなかった視点や視座が得られたことと、瞬間レベルで自分に正直に生きることができるようになったことが大きかったと感じています。

たとえば企業に務めていた頃は、意思決定のほとんどは上層部が行なうため、その理由や過程は見えないことが多かったと記憶しています。当時は知識的にも経験的にもわからないことも多く、特に新人の頃は、何がわかっていないのか、見えていないのかさえもわからない状態。とにかく目の前のことに向き合うことに一生懸命でした。

一方で、今は自分が理解し、納得感を持っていなければ事業が進まないので、良くも悪くもすべてが自分次第。責任をもつ前提ですが、誰と働くか、何をどのようにするかもすべて自分軸で選べるようになったことが、私にとっては大きいと思います。


【起業時の困ったことや失敗談あれば教えてください。】


わたしの場合、幸いにもものすごく困った経験がないんですね。もちろん失敗は数え切れない程ありますが、自分の中で成長の種として消化し、良かったものにしてしまうので、困った記憶として残らないだけかもしれません(笑)

ただ独立当時は、経済的にやっていけるのだろうかと不安になって、眠れぬ夜もありました。複数の企業様とお付き合いをさせていただいている今でも、特にこのVUCA時代、世の中は絶対的なものは存在しないと思っているので、仕事が無くなったり、変化したりするなどのリスクは、常に頭の片隅にあるかもしれません。今は良く思えても本当に持続可能な仕事なのか、その点は常に考えています。


【「Startup Hub Tokyo TAMA」起業相談での得意分野は何でしょうか?】


やはり「自分らしさに立ち戻る支援を行うこと」ではないでしょうか。
私にご相談いただく方の9割は、自分らしい生き方・働き方に向けて何かやってみたいというイメージをもたれています。しかし実際にお話を伺うと、誰にどんな価値を提供するのかが言語化できていなかったり、ストーリーが繋がっていなかったり、目指すことと手段がズレていたりすることもよくあります。「〇〇さんが本当にやりたいことは、こういうことですか?」と提案すると「そうなの!」とすっきりされていく方が多いので、思考整理のお手伝いをしているとしてもいいかもしれません。


【これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。】


どうしても実現したい夢があり、人脈・経験・資金もゼロのところから、あの手この手で工場を開拓したり、販路を探したりして、着実に実現されている方がいました。ポジティブに日々目の前のことに向き合っているからこそだと思うのですが、いろいろなつながり、支援が思わぬところからその方の元に集まっていました。ある種の「引き寄せ」ではないですが、想いをベースに起業に向かわれる方は人として美しいなと、わたし自身もその方から学ばせていただいています。


【起業相談の際に心掛けていることは?】


この1年で250名以上の相談、学校では30〜100名規模の講演をさせていただいておりますが、やはり人として向き合うということ、これに尽きます。年齢や職業、経験、いろいろな方がおりますが、起業を前にした時はひとりの人。肩書きなどを全部捨てた際に、その方がどうありたいのか、何を目指したいのか、そういう点に意識を向けるようにしています。

あとは自分のお腹を見せていくこと。聞かれたらかっこつけず、ありのままの自分で答えるようにしています。


【起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?】


なぜ自分がそれをやりたいのか、その起業アイデアによって誰にとってどんな価値を提供するのかが見えてくると、より相談がスムーズに進むかなと思いますね。

また、お話を聞いていくと、必ずしも起業である必要性がないことが見えてくることがあります。わたしたちコンシェルジュは、みんなで起業していこうとは極端な話、考えていないんです。自分らしい生き方の選択肢として起業を入れていただければ嬉しいですし、その過程で起業という選択肢が合致すれば全力で応援したいです。


【起業相談をしようか迷っている方へメッセージをお願いします。】


愛読書に、「サードドア: 精神的資産のふやし方」という本があります。

そこでは、人生には3つのドアがあると言われています。一つ目のドアは誰にでも開かれているドア。二つ目のドアはいわゆる社会的特権層のドア。そして三つ目のドアは、誰ものそばにあるけれど、なかなか気づかないような「サードドア」です。

サードドアを開けてみないと見えてこない世界があるので、ピンとくるものがあるのであれば、まずは扉を開いてみることをお勧めします。開いてみて違うと思えば、閉じちゃってください(笑)。引っかかるものがあるということは自分の中の何かが求めている要素があるということだと思うので、まずはやってみることが大切。挑戦には恐れがつきものですが、扉を覗いてみること自体が大きな一歩。時に悩んだり立ち止まったりする自分も愛おしみながら、自分らしく輝いていってほしいなと思います。スタハで、お待ちしています!




【インタビューを終えて…】
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次回のコンシェルジュのインタビューをお楽しみに!