2022.1.18 起業コンシェルジュインタビュー 穴澤 純一氏

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2021.1.18


「起業のことを相談してみたいけれど、どのコンシェルジュに相談すればいいか迷っている。」
「コンシェルジュがどんなことをしている人なのか興味がある。」
そんなみなさまにスタハTAMAコンシェルジュのことをもっと知って頂くために
各コンシェルジュにご自身のこと、起業相談のことをインタビューしました。

第10回目は穴澤 純一コンシェルジュです。

穴澤 純一氏


穴澤 純一氏プロフィールはこちら



【現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。】


「主に2個ありまして、プライベートでは「FUKIDASS」という、漫画を外国人に教える事業を展開しています。絵を教えるのではなく、漫画の作り方を教えています。キャラクターやストーリーの作り方、どうすれば物語を展開しやすいかなど、漫画アプリなどで絵を描く人は海外にもたくさんいますが、それをエンタメコンテンツにまで仕上げる人はなかなかいない。その一方で、コンテンツビジネスを内製化したい国もたくさん出てきています。これが始めて2年になります。

もうひとつは保育学生の就活を支援する「ぴたカフェ」、これは保育園と保育士のマッチングサービスですが、そこにエンジニアとして参加しています。


【法人をお持ちではないんですね。】


そうですね。プロジェクトとして「FUKIDASS」をしていますが、法人は持っていません。メンバーはそれぞれ自分の仕事を持っているので、すぐに儲けようとも思っていないので基本的に「FUKIDASS」の利益は、すべて「FUKIDASS」の事業投資に回しています。

そういうスタイルなので、僕の場合は法人化に必要性を感じていないのですが、一般に法人化した場合は、信頼度や契約のしやすさなど、事業としての主体性が強くなるとは思います。僕のようにプロジェクト単位で人が集まり仕事をするスタイルは表には見えにくいので世の中に多いかはわかりませんが、必要と感じたら法人化することもあるかも知れません。


【いま困っていることは?】


それこそ個人事業主の集まりみたいなものなので、それぞれ本業の時間に左右されがちなところはありますね。僕は会社員もやっていますので、そちらが忙しくなることももちろんありますし、バランスを取らなくてはいけないなと思うことは大いにあります。また、チームというよりもコミュニティに近い運営方法だと思うので、いかにリスクを最小化して継続が危ぶまれないようにするか、蒔いた種の収穫をどのタイミングでするか、という課題もあります。これは法人化していても立ち上げ期は同じ課題だとは思いますが。


【「Startup Hub Tokyo TAMA」起業相談で印象に残ったエピソードは?】


20~30代の同年代の方が多いなという印象ですが、主語が「顧客」になってない場合も見受けられます。なので「なぜそれをやるのか?」みたいな質問から始め、助言もします。いろいろな質問を通じて、顧客の課題が本当に存在しているのか、気づいてもらうように心がけています。

あとは40代で起業される方の場合は、そこまでのキャリアや知見の延長線上で進めたほうが僕はいいと思っていて、業界知識やスキルもゼロから始めるとなると、それなりに学び直しや覚悟が必要になると思うので、そのあたりを自覚して実現性を認識できているのかどうか、そういうところの気づきは大事だと思います。


【起業相談の際に心掛けていることは?】


あえて起業しなくてもいい場合もあるので、何が何でもまず法人作りから、みたいな、あまり先にコストを持ってこなくてもいいという話はします。もちろん目指すビジョンによって、目標は自由に立ててよいと思いますが、まだ1円も売上が立っていないのにいきなり株式会社を作ることって、何か信じるだけの根拠があるのか、伺ったりはします。

誰しも、必ずしも起業がベストな選択肢ではないと思っているので、本当に止めるべき時は止めた方が良いと言う覚悟で相談に乗っています。転職や仕事を掛け持ちしながらでもできることはありますからね。


【これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。】


どうしても実現したい夢があり、人脈・経験・資金もゼロのところから、あの手この手で工場を開拓したり、販路を探したりして、着実に実現されている方がいました。ポジティブに日々目の前のことに向き合っているからこそだと思うのですが、いろいろなつながり、支援が思わぬところからその方の元に集まっていました。ある種の「引き寄せ」ではないですが、想いをベースに起業に向かわれる方は人として美しいなと、わたし自身もその方から学ばせていただいています。


【起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?】


基本的に手ぶらでいいのですが、議論する準備が大事です。答えを教えてもらおうとしに来られても、何かを教えてあげられるほど正解を持ってはいないんですよね。そもそも事業に正解はないので、議論をして「これは確からしい」「こういう検証が必要だ」とディスカッションをしないと、なかなか実りあるものにはならないんです。その議論の準備として、ある種自分と事業を切り離してフラットに事業を見つめることが重要なんです。自分のバイアス、思い込みがそのまま事業に投影されてしまうと、確からしいけれどお客さんがいなかった、ということになりかねないので、議論を重ねた上で、顧客に問う覚悟は必要だと思います。

世の中の経営者って、そういうものだと思うんですよね。すべてはお客さんに支持されるかどうかであって、自分がしたいことももちろん大事なんですけど、そこに顧客がちゃんといるのかということをまず自分で問うた上で、それでもやり方や解決策がわからないのでディスカッションをしましょう、と。「どこに魚がいますか?」は、聞かれても、それがわかられている事柄は、みんながやっていることでしかなくなってしまう。なのでその魚を見つけた上で、経営者になる、という心構えがあれば、具体な計画は、後でよいかなとも思います。


【初動時は起業する気持ちも重要な要素なんですね。】


なので事業計画を事前にちゃんと作る必要もなくて、その方のそこまでのキャリアも実は成功にはさほど重要ではないと思います。そこにお客さんがいるならば、自分でできるようになるか、できる人を探せばよいんです。まず持つべきは、お客さんを理解する覚悟かなと僕個人は思っています。


【起業相談をしようか迷っている方へメッセージをお願いします。】


極端なことを言うと、困ってないなら来なくてもいいんです(笑)。
来るだけでは物事は進まず、やらないと進まないので、顧客のためにまずやるべきことが明確に見えている方は、わざわざ相談になど来ないで早く進めたほうがいいとも思います。
ただ、先人たちの失敗は、非常に参考になります。絶対成功する方法論はないけれど、高確率で失敗する方法論は山ほどあります。その失敗する方法論を知りたいタイミングなのであれば、ぜひお越しください。「これを避けなければよく失敗するよ」という例は、意思決定の場面では知っておくといいと思います。



【インタビューを終えて…】
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次回のコンシェルジュのインタビューをお楽しみに!