【現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。】
「応援したい」と思える地方企業経営者に対して、伴走型支援を行なっています。
地方には精魂込めて美味しい食材を作っている人たちが、たくさんいる。
でも、売上向上/経営の効率化/新規事業 がうまくいっていない。
都会にはマーケティング/ファイナンス/IT/クリエイティブに長けた人たちが、たくさんいる。でも、なかなか自分の経験・ノウハウ が本当に求めている人に届いていない。
「だったら、両者をマッチングしちゃえばいいじゃないか!」
そんな単純な発想から活動をはじめました。
顧客、自分が応援したい人。
労働、自分の得意なこと。
報酬、美味しい食材と笑顔と感謝と、最後にお金。
これが活動コンセプトです。
【起業するきっかけや経緯は?】
きっかけは3つあります。
①心臓病を患って死を意識したこと。
②マーケティングの限界を感じたこと。
③同僚・後輩たちが「鬱」になるのを見てきたこと。
大雑把にいえば、昭和から続いてきた経済的成長モデルがもはや破綻しており、その綻びによって多くのワーカーたちが知らず識らずのうちに被害を受けている。会社の中でガムシャラに働いていると社会の変化に気づきにくいが、病気経験によって立ち止まることができた。
これらがきっかけです。
現代を生きる僕たちは仕事(お金)だけに支配された生き方から解放される必要がある。
そう思って、実験装置としての会社を創りました。
「よりよく生きる」その中には当然「よい仕事」も、ある。
そんな想いを込めて、社名はライフ&ワーク にしました。
【起業してよかったことは?】
自分の人生をこれまで以上に主体的に生きることができるようになりました。
具体的には、月曜日の朝が憂鬱ではなくなり「よし、今日もやるぞ」と意欲的に楽しめるようになったり、あと、妻との会話が増えました。新しく始まったプロジェクトのことを共有・相談する機会を「経営会議」と称して家の近所のレストランでランチしたり。
【起業時の困ったことや失敗談あれば教えてください。】
生来の楽観的な性格と、物忘れの激しい性質が重なってか?全然思い出せません。
おそらく沢山の「困ったこと」はあったはずですが、まあ、今日までなんとかこうやって生き延びてきているので、結局のところは大したことではなかったのでしょう。
【起業相談での得意分野は?】
『いかにして会社を辞めずに(=生活に必要な収入をキープしながら)価値創造の実験ができるか』その考え方と、方法論を説いています。
相談に来られる方のほとんどが未だ課金ニーズ(=顧客が、お金を払ってでも解決したいと思えるサービス価値を確立できているか)の検証すらできていないため、「今の状態で会社を辞めるのはまだ早い」とアドバイスしています。
【これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。】
「こんなこと、誰に相談したらいいのかわからなくて、悩んで悩んで、最後にここに辿り着きました」そんなことをおっしゃる方がたまにいらっしゃいます。相談の会話の途中で涙を流す方もいらっしゃいます。ずっと誰にも言えなくて苦しんできたんだなあ、と思うと、お役に立てて良かったなあ、としみじみ思います。
【起業相談の際に心掛けていることは?】
・否定しない。
・言ったことよりも、言わなかったこと=言葉にならなかったことに心を傾ける。
・正論は言わない。相手の「心のクセ」を踏まえて受容できそうなことを助言する。
【起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?】
起業するにしても、そうでないにしても、何か新しい取り組みを行うには『時間』が必要です。仮に現在の生活が多忙を極めているのであれば、まずはどうやって時間を捻出するのか?を考えなければスタートラインに立つことができません。
1日1時間でも良いので、新しい取り組みを行うための時間を捻出しておく準備は必要だと考えています。
【起業相談をしようか迷っている方へのメッセージ】
「こんなこと、誰に相談したらいいのかわからなくて、悩んで悩んで、最後にここに辿り着きました」
そんな方にこそ、来ていただきたい。扉は常に開いています。