起業一年目でよくある会計・税務の失敗事例5選
起業一年目でよくある会計・税務の失敗事例5選

起業したての頃は、商品やサービスの仕組みづくりや営業活動、お客様への対応など、毎日やるべきことが山積みで、会計や税務は「後でまとめてやれば何とかなるでしょう」と思いがちです。 しかし、実際に起業された方から相談を受けると、困ったことになっているケースがほとんどで、「事前に知っておけば苦労しなかったのに」という声をよく耳にします。こうした失敗は、特別な知識が必要なわけではなく、最初から少し意識するだけで防げると思われる事例ばかりです。今回は、その代表的な会計・税務の失敗事例を5つ紹介します。
目次
起業時は営業・商品開発に意識が向き、会計・税務は後回しになりやすい
起業時は、どうしても稼ぐための商品開発や営業ルートの開発に夢中になりがちです。一日中そのような動きの中で疲れ切り、会計や税務に関して「いつまでに何をすればいいのか」にまで気が回らなくなくなります。その結果、収支計算が後回しになり、そのうち、更に、正確な収支計算ができなくなる状態にまで陥ってしまいがちです。 このことは、税務申告が遅れるだけでなく、本当に儲かっている事業なのかどうかの正しい判断もできず、口座の資金残高だけで経営判断をするような危険な状態に陥ってしまいます。 完璧を目指さなくても、毎月最低1回は、お金の流れを確認する習慣をつけることが大切です。
失敗事例1:個人用カードと事業用の口座・カードを分けていない

創業時点では、資金管理の方法まで頭が回らず、プライベートと事業の入出金を個人の口座で一括して管理してしまうケースが少なくありません。また、クレジットカードなども個人のものをそのまま使用しているうちに、どの支出が事業に関係しているのか記憶が曖昧になり、後々帳簿をつける際に非常に苦労することになります。 さらに、このように事業とプライベートが不分明な状態では、いざ整理する際にも、「事業用」と「プライベート用」の仕分け作業から始めなければならず、記憶の呼び起こしと併せ、大きな手間になります。 最初から事業関連の入出金口座を別にしたり、その口座から引き落とされるビジネスカードを準備したりしておけば、手間も省けますし、無駄な時間を費やすこともありません。
オススメ!東京都と設置した施設!だから安心!!「無料で創業相談」ならTOKYO創業ステーションTAMAへ失敗事例2:領収書・請求書を後で整理しようとする
創業時は、やらなければならないことが多く、金銭の動きの証拠(エビデンス)となる領収書や請求書の整理は、つい後回しになってしまいがちです。 領収書だけのケースもあれば、請求書と領収書とがセットになるケースもあります。後でまとめて整理しようとすると、「何のために使った経費の領収書」なのか、「個人的な領収書」なのか分からなくなってしまうことがあります。 人の記憶は時間とともに薄れます。証票の整理は『後で』ではなく、『その都度』行うのが基本です。また、電子データとして受け取った領収書や請求書も、フォルダごとに整理しておきましょう。まずは、習慣づけることが大切です。
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事業計画書(ビジネスプラン)はなぜ作成した方がよいのか?
事業計画書(ビジネスプラン)は、未経験の人には難しく、企画書に慣れている人には面倒に感じられがちです。 しかし、事業を成功させる上で事前にプランを作っておくことは非常に重要です。本記事では、ビジネスプランを作成する意義と具体的な使い方をわかりやすく解説します。
失敗事例3:売上と入金を同じものと考えてしまう
売上の計上時期を「入金されたタイミング」だと誤解されている方は少なくありません。しかし、入金は売上代金の「回収」であって、売上そのものの発生とは別物です。 通常、売上は、役務(サービス)の提供が完了した時点や、物品を引き渡した時点など、収入を得る 条件が整ったタイミングで計上します。その後、契約に基づいて請求書を発行し、指定期日に入金されるという手順を踏みます。 具体的な流れ(例)としては、まず「サービスの提供完了(売上の発生)」があり、つぎに月末などの締め日で1か月分をまとめて請求し、最終的にその翌月20日に入金される、といったサイクルになります。 このように、売上時点から入金までは、2か月近くかかることも珍しくありません。最初から「売上の発生」、「請求書の発行」、「入金予定」を正しく把握できる仕組みを整えるため、専門家にアドバイスをもらうと良いでしょう。
失敗事例4:税金・社会保険料の支払いを予定していない
創業時点では、まずは販路拡大や売上拡大により、事業を軌道に乗せることに夢中になりがちです。しかし、役所への書類提出期限や税金・社会保険料の支払いスケジュールを事前に把握しておかないと、後から思いもよらない税金・社会保険料の支払いに直面して、資金繰りに窮することがあります。 「どのような時期に、いくら位の支払いが発生するのか」を事前に予定し、あらかじめ納税期日に資金を確保しておくことが極めて重要です。 早めに専門家に相談し、一部代金を納税資金として資金確保しておくことをお勧めします。
失敗事例5:専門家に相談するタイミングが遅い
例えば、所轄の税務署に提出すべき書類を忘れてしまうケースがあります。罰則がない場合もありますが、青色申告の承認申請など、税務上の優遇を受けられなくなって不利益を被ることもあります。 このように、役所関係の提出書類には期限があります。事業を開始しようと思い、その事業構想も固まってきた段階で、早めに専門家に相談しておくと良いでしょう。また、創業期に活用できる補助金や助成金についても、早い段階であれば有益な情報を教えてもらえます。
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【まとめ】 創業期の会計は難しい知識より仕組みづくりが大事(TOKYO創業ステーションTAMAの活用)
創業1年目の会計・税務で大切なのは、難しい会計知識を最初から完璧に身につけることではありません。
・事業用口座やカードを分ける
・領収書や請求書をその都度残し、整理する
・毎月お金の動き(収支)を確認する
といった、基本的な仕組み(習慣)を早めに整えることです。
ただ、創業直後は営業、商品開発、資金調達など考えることが多く、何から手を付ければよいか迷うことも少なくありません。そうしたときは、一人で抱え込まず、早めに専門家などに相談することが大切です。東京都の創業支援拠点である「TOKYO創業ステーションTAMA」では、起業に関する相談や会計・税務、資金調達などの専門相談を利用できます。創業準備や創業直後の不安を整理する場として、ぜひ積極的に活用してみてください。
「資金繰りの基礎知識」
「資金繰り」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、内容をちゃんと理解している人は以外と少ないかもしれません。事業展開において資金繰りは極めて重要な意味を持ちます。本ブログでは資金繰りについて解説します。
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著者:三浦 昭彦
大学卒業前に公認会計士試験第2次試験に合格し、卒業とともに現在のあずさ監査法人に入社。その後、三浦公認会計士事務所を独立開業したが、創業時代の苦しみを味わう。10年後に同事務所を母体として、アーク税理士法人と現在のアーク有限責任監査法人を設立。約20年間理事長として多くの上場企業の会計監査責任者を務めた。公認会計士・税理士。
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