B to Cと同じ感覚でやると失敗する?B to Bマーケティングの考え方入門

B to Cと同じ感覚でやると失敗する?B to Bマーケティングの考え方入門

B to Cと同じ感覚でやると失敗する?B to Bマーケティングの考え方入門

「すばらしい商品やサービスを作れば、あるいは安ければ、企業も買ってくれるはず」と考えていませんか?一般消費者向けビジネスの感覚のまま企業向けのマーケティングを行ってしまうと、思うように売れずに行き詰まってしまうケースが多々あります。なぜなら、企業がモノやサービスを買う仕組みは、私たちがふだん買物をする仕組みとは全く異なるからです。 本記事では、創業期に知っておくべきB to Bマーケティングの基礎知識と、B to Cとの決定的な違い、そして受注に繋げるための具体的な購買プロセスについて解説します。

マーケティングとは

マーケティングという言葉を聞くと、広告宣伝や市場調査、SNSでの発信などを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、それらはマーケティングのほんの一部に過ぎません。マーケティングの本質を一言で表すと、「顧客を軸にした、売れる仕組み作り」です。どれほど優れた技術や画期的なアイデアであっても、顧客が「欲しい」と思わなければビジネスは成り立ちません。「誰の・どのような課題を・どうやって解決するのか」を一貫して考え抜き、売り手が必死に売り込まなくても、自然に商品やサービスが売れていく状態を目指すこと、これこそがマーケティングの本当の目的です。

B to CとB to Bの違い

B to CとB to Bの違い

マーケティングの基本を踏まえた上で、最も重要なのが「B to C」と「B to B」の違いを正しく理解することです。B to C(Business to Consumer)は一般消費者を相手にするビジネスであり、B to B(Business to Business)は企業を相手にするビジネスです。この顧客の違いにより、マーケティングの戦略は180度変わります。具体的な違いを3つのポイントに分けて見ていきましょう。 ①購買目的が「業務上の課題解決」のみ B to Cでは、消費者が「楽しそう」「格好いい」「お得」といった感情や自己表現、所有すること自体の喜び(体験)で商品を購入することが多々あります。しかし、B to Bにおいて企業が購買する理由は、「業務上の課題解決」しかありません。売上を拡大したい、コストを削減したい、業務効率を上げたいといった、明確な経済的メリットが求められます。そのため、売り手は「顧客ニーズの正確な把握」「具体的な解決策」「導入によって得られる投資対効果(得られる価値)」をロジカルに明示する必要があります。 ②購買関与者が多く、購買までに時間がかかるB to Cの買物は、基本的に消費者本人の意思(又は家族の同意など)でその場で決まります。一方でB to Bの場合、窓口となる担当者、その上司、役員、そして決裁権を持つ経営層など、購買に関与する人物が複数かつ多層的です。そのため、組織内での検討や社内稟議のプロセスが発生し、購入に至るまでの検討期間が長くなりやすいという特徴があります。購買を促すためには、自社の提案が顧客にとって重要かつ緊急性の高いものであるかをしっかり伝えるとともに、担当者用・決裁者用といった、それぞれの立場に合わせた適切な情報提供が必要となります。 ③購買チャネルに営業が介在するB to Cであれば、ECサイトや店舗で、誰とも会話せずに購入が完結することも珍しくありません。 しかしB to Bでは、Webサイトなどをきっかけに問合せをした後、営業担当者との商談を通して仕様や条件を詰め、契約を交わした上で購入するケースがほとんどです。つまり、マーケティングだけで売るのではなく、「営業活動へ繋ぐためのマーケティング」という視点が必要不可欠になります。

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創業期は「商談数」を増やすことが大切

創業当初は知名度や実績が少ないため、大企業のように「待っていれば問合せが来る」という状況は作れません。また、よほどの独自性や特許技術などの特徴がない限り、競合他社と比較される中で、商材単価や受注率(商談から成約に至る確率)を急激に引き上げることは困難です。限られたリソースの中で、最速で受注を獲得するためには、「確度の高いリード(将来顧客になり得る見込み客)との商談数を増やすこと」が最も確実なアプローチとなります。そのためには、単に行き当たりばったりの営業活動をするのではなく、「どうやって自社を知ってもらい、どのように商談の席についてもらうか」という、商談までのプロセスをあらかじめ緻密に設計しておく必要があります。

B to Bの購買プロセス「ASICA」

企業が商品やサービスを認知し、最終的に購買に至るまでのプロセスには様々な型がありますが、B to Bマーケティングにおいて代表的なモデルである一般社団法人B to B広告協会の河内英司氏が提唱した「ASICA(アシカ)」をご紹介します。各プロセスの顧客心理と、有効なマーケティング施策を押さえておきましょう。

藤尾先生

A:Assignment(課題の設定)→ 気づきを与える 企業が「社内にこんな課題がある」と認識するフェーズです。この段階の顧客は、まだ具体的な解決策を探していません。接点の一例として、業界のトレンドや、他社の失敗事例などをまとめた「ホワイトペーパー(お役立ち資料)」を自社サイト等に用意し、ダウンロードしてもらう方法が効果的です。有益な情報を無料で提供するのと引き換えに、企業担当者の連絡先を獲得することができます。 S:Solution(解決策の選定)→ 選択肢に入る課題を解決するための方法やツールを検索・比較し始めるフェーズです。自社の特徴や強みが一目でわかる解説動画、課題解決のノウハウをまとめた解説記事(ブログ)などを提供し、自社を選択肢の有力候補に引き上げます。 I:Inspection(適合性の検証)→ 不安を消し去る「本当にこの商品やサービスで自社の課題が解決できるか」、「費用対効果は見合うか」をシビアに検証するフェーズです。具体的な導入事例や、数値化されたデータ、または「よくある質問」(FAQ)などを提示し、顧客の不安を一つずつ解消していくアプローチが有効です C:Consent(社内合意・承認)→ 担当者の味方になる担当者が社内で稟議を通し、決裁者から購入の承認を得るフェーズです。この段階では担当者が社内説明で使用できるような「稟議書に添付する費用対効果のシミュレーション」や「競合との比較表」などを用意して手助けすることが効果的です。 A:Action(購買行動)→ ファンにする最終的な発注・契約、そして、導入後の活用へと進むフェーズです。スムーズな契約手続きのサポート、導入後の初期設定支援(カスタマーサクセス)の手厚さをアピールします。

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まとめ

藤尾先生
著者:TOKYO創業ステーションTAMA プランコンサルタント 藤尾 翔太(ふじお しょうた)先生

B to Bマーケティングは一見複雑に見えますが、顧客企業の購買心理や「ASICA」のプロセスを一つずつ紐解いていけば、創業間もない企業であっても成果につなげていくことができます。 「自社のターゲット企業の課題がどこにあるか分からない」「商談数を増やすための具体的なWeb施策に悩んでいる」という方は、一人で抱え込まずに専門家に相談してみませんか? TOKYO創業ステーションTAMAでは、B to Bビジネスの立ち上げやマーケティング戦略の構築について、専任のプランコンサルタントがマンツーマンで実戦的なサポートを行っています。あなたのすばらしい商品・サービスを必要としている企業へ届けるために、まずはお気軽にご相談ください。

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著者写真 藤尾 翔太(ふじお しょうた)著者:藤尾 翔太(ふじお しょうた)
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メーカーにて新規顧客開拓や新事業開発等の業務に従事したのち経営コンサルタントとして独立。 独立後は販路開拓や創業支援等の事業を中心に展開。 これまでに200件を超える経営・創業相談対応や事業計画書の作成支援を実施。 個別相談以外に、公的機関において創業者向けテキストの執筆や動画コンテンツの制作等も手掛けるなど、多摩エリアを中心に幅広い形で起業家のサポートを行っている。 中小企業診断士、中小機構 地域創業支援アドバイザー

※本記事は、個人の意見・見解です。また、本記事で紹介している情報は、執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。