創業時のホームページの作り方
創業時のホームページの作り方

創業時にホームページを作るとき、最初に考えたいのは、デザインや制作ツールではありません。大切なのは、「何のためにホームページを作るのか」を決めることです。目的が整理されていれば、最初は小さなホームページでも、事業に合わせて育てていくことができます。ホームページ作成で時間とお金が無駄になるという事態にならないために、本記事では、創業時にホームページを作る際に考えておきたい目的、最低限そろえたいページ、制作前に決めておきたいこと、公開後に困らないための運用環境について解説していきます。
目次
「綺麗に作る」(見栄え)より「何のために作るか」(目的)
ホームページ制作では、ついデザインや見た目から考えたくなります。もちろん、見た目の印象は大切ですが、創業時のホームページでは、それ以上に「何のために作るか」、つまり、「誰に」、「何を」、「いつ」、「どう伝えるのか」が重要です。
たとえば、「名刺代わりに会社情報を掲載したい」、「問い合わせを増やしたい」、「採用や取引先からの信頼を得たい」などの目的によって、それぞれ必要な内容は変わります。 あわせて、最初から完璧なホームページを目指す必要はありません。まずは、あなたの事業にとって、これから作るホームページがどのような役割を持つのか、を言葉にしてみましょう。
必要になる場面を先に整理する
創業時のホームページには、いくつかの役割があります。
- 一つ目は、「名刺代わり」の役割です。
- 二つ目は、「信頼を得る」役割です。
- 三つ目は、「問い合わせを増やす」役割です。
会社名や屋号で検索されたときに、何をしている事業者なのか、どこに連絡すればよいのかが分かるだけでもお客様の安心感につながります。
代表者のプロフィール、所在地、事業内容、対応できる範囲などが分かると、初めて見る人も相談しやすくなります。士業、専門サービス、BtoB、高単価の商品やサービスでは、特に重要です。
この場合は、サービス内容、料金の目安、相談の流れ、問い合わせボタンなどをお客様にとって分かりやすく配置する必要があります。
また、採用、資金調達、取引先からの確認など、思わぬ場面でホームページを見られることもあります。創業初期であっても、基本情報を整えておくことは大切です。
トップページの役割を決める
トップページは、情報をすべて詰め込む場所ではありません。訪問した人が、「このホームページは、誰向けに、何を提供しているのか」を苦労することなく、短時間で理解できることが何より大切です。 まずは、対象となるお客様、提供しているサービス、対応地域や相談方法を分かりやすく示しましょう。文章が長すぎたり、言葉が抽象的すぎると、訪問者が自分に関係があるサービスなのか判断できません。短い文章や箇条書きなどで見やすく、具体的な表現にするなど、初めてホームページを訪問してくれた読み手を心から歓迎するような、読み手に優しい内容を意識するとよいでしょう。
また、問い合わせ、予約、資料請求、LINE登録など、次に取ってほしい行動も整理しておきます。
行動導線が多すぎるとホームページ訪問者が迷い、ホームページから離れやすくなってしまうため、創業初期は特に、最も優先したい導線を分かりやすく見せることを心掛けましょう。
最低限そろえたいページ構成

創業時のホームページは、最初から多くのページを作る必要はありません。まずは、役割のはっきりしたページをそろえることを意識しましょう。 最低限そろっていると安心なのは、次の4つです。
- 1つ目は、「トップページ」です。
- 2つ目は、「サービス紹介ページ」です。
- 3つ目は、「会社概要・代表プロフィール」です。
- 4つ目は、「料金・問い合わせページ」です。
事業の概要、主なサービス、問い合わせへの導線をまとめます。トップページだけを見ても、おおよその内容が分かる状態を目指しましょう。
誰の・どのような課題に対し・何を提供するのか、を説明します。サービスが複数ある場合は、最初に力を入れたいものから優先して掲載します。
所在地、事業内容、代表者の経歴や創業の背景をまとめます。顔写真や実名を掲載できれば、信頼感の向上にもつながります。
料金が一律でない場合でも、目安や料金の決まり方、初回相談で確認できる内容などを示しておくと、問い合わせ前の不安を減らせます。
制作前に決めておきたいこと
ホームページ制作では、作る前の整理がとても大切です。ここが不十分だと、途中でその場その場での修正が増え、一貫性がなくなり、公開後に使いにくいホームページになったりすることがあります。 まず作る前にしっかり決めておきたいのは、「誰に向けたホームページ」なのかという点です。創業初期は、すべての人に向けて発信するよりも、最初に届けたいお客様像を明確にし、そのお客様に特化して発信するほうが、伝わりやすいコンテンツを作りやすくなります。
次に、提供するサービスの範囲と優先順位を整理します。今すぐ売りたいサービス、将来的に広げたいサービス、現時点では載せないサービスを分けておくと、構成が分かりやすくなります。 さらに、顔写真、料金、実績、所在地、営業時間など、どこまで公開するかも事前に確認しておきましょう。 最後に、公開後に誰が、どんな頻度で更新するのかを決めておくことも大切です。お知らせ、ブログ、事例紹介、料金変更などを誰が、いつ管理するのか決めておくと、公開後の運用が止まりにくくなります。
オススメ!
自作と制作会社への依頼、どちらを選ぶか
創業時は、自分でホームページを作るか、制作会社に依頼するかで迷う方も多いと思います。 自作が向いているのは、まずは「名刺代わりのページを持ちたい」場合や、「初期費用を抑えたい」場合、などです。最近は、専門知識が少なくても使いやすいホームページ作成サービスも増えているため、自作でも対応できる場面は増えているようです。ただし、独自ドメインを使うことや、後から自分で更新しやすい仕組みにしておくことは意識しましょう。更新がしにくいホームページとなってしまうと、古い情報が掲載されたままとなり、お客様は訪問してくれなくなりがちです。
一方、制作会社への依頼が向いているのは、「信頼感を積み上げたい」場合、「問い合わせ獲得を重視したい」場合、「採用にも使いたい」場合、「検索からの集客を考えたい」場合、などです。費用はかかりますが、そのぶん、構成、文章、デザイン、導線を含めて相談できる点がメリットです。 依頼する場合は、制作費だけでなく、公開後に自分で更新できるか、保守の範囲はどこまでか、データや管理権限はどう扱われるかも確認しておきましょう。
避けたいのは、プロだからといって、制作会社にすべてを任せしてしまうことです。あなたの想いやこだわり、タイムスケジュールなど、事業を進めていく上でコアとなる部分やターゲット層とホームページのコンセプトを制作会社としっかりと共有し、「お客様にとって」見やすい・訪問しやすいホームページを目指してください。
後で困らない運用環境を整える

ホームページは公開して終わりではありません。公開後に困らないためには、最初の段階で運用環境を整えておくことが大切です。 まず、ドメイン※1、サーバー※2、ホームページの管理画面、アクセス解析などの契約名義や管理権限を確認しておきましょう。すべてを制作会社に任せすぎると、将来、運用会社の移管や更新の段階で困ることがあります。 地域のお客様を対象にする事業では、「Googleビジネスプロフィール」などの地図情報も整えておくと安心です。ホームページに掲載している住所、電話番号、営業時間と、外部に掲載されている情報が一致していることも大切です。
また、プライバシーポリシー、問い合わせフォームの個人情報の取扱い、ECを行う場合の特定商取引法に基づく表記なども確認しておきましょう。 さらに、スマートフォンで読みやすいか、文字が小さすぎないか、ボタンが押しやすいかなど、利用する人にとって分かりやすい設計になっているか、も大切な視点です。顧客層=お客様にとって、見たくなるホームページか、見やすいホームページかなど、「訪問者を歓迎する姿勢」を持ち続けていくことが大切です。
※1、ドメインとは、ホームページを開いたときの一番上に出てくるURLの「〇〇.com」や「〇〇.co.jp」の部分で、インターネット上の「住所」にあたります。ドメインは世界に一つだけと決まっています。
※2、サーバーとは、クライアントの要求を受けて、必要なデータや結果を返すコンピュータのことです。ホームページとの関連でいうと、ホームページのデータを保管しておく場所がサーバーで、ドメインが、そこにたどり着く「住所」という形になります。
知らないと損するMEO対策とは?基本と成功のポイントを紹介!
本記事では、MEO対策の基本的な仕組みやGoogleビジネスプロフィール登録時の注意点、そして効果を高める運用方法についてわかりやすく解説します。知らないと損するMEO対策のポイントを押さえて、地域のお客様の獲得につなげましょう。
よくある失敗と注意点
創業時のホームページでよくある失敗は、情報が抽象的で何をしている会社か分かりにくいことです。「お客様に寄り添います」「高品質なサービスを提供します」といった表現だけでは、具体的な強みが伝わりにくくなります。また、業界用語や専門用語を使う場合も、お客様が理解しにくくならないよう、注意と配慮が必要です。 さらに、スマートフォンで読みにくい、問い合わせボタンが見つけにくい、料金や相談の流れが分からない、営業実態とサイトの内容がずれている、といった点も機会損失につながります。加えて、内容が具体的で細かすぎても、分かりづらいので気を付けましょう。詳細は別のページで示すようにするなどの工夫が必要です。 ホームページを見る人は、じっくり読み込むとは限りません。短い時間で、自分に関係のあるサービスか、相談してよい相手かを判断しています。公開前には、初めて見る人の目線で確認してみましょう。
小さく作って育てる

創業時のホームページは、最初から大きなサイトを作る必要はありません。まずは、最低限の情報が整い、信頼してもらえる状態を作ることが大切です。 あなたの事業が動き始めたら、実績、お客様の声、よくある質問、事例紹介、ブログ、採用情報などを少しずつ追加していきましょう。ホームページは、一度作って終わりではなく、事業と一緒に育てていくものです。 迷ったときは、「早く公開できるか」「見た人に伝わるか」「後から直せるか」の3つに立ち返ってみてください。 創業時のホームページは、完璧なものを一度で作るよりも、まず必要な情報を整え、運用しながら育てていくことが現実的です。小さく始め、あなたの事業の成長に合わせて少しずつ改善していきましょう。
まとめ
あなたがホームページをどのような目的で作るべきか、どこまで準備すればよいか迷う場合は、創業支援の相談窓口を活用するのも一つの方法です。TOKYO創業ステーションTAMAでは、創業に関する相談を通じて、事業の方向性や販路開拓の考え方を整理できます。ホームページ制作を検討する際も、まずは自分の事業の目的や届けたい相手を明確にするところから始めてみましょう。
オススメ!
マーケティングへの動画の活用法
近年、InstagramリールやTikTok、YouTubeなどの動画プラットフォームを活用した動画マーケティングが、企業の集客やブランド認知拡大に大きな効果を発揮しています。本記事では、それぞれのプラットフォームの特徴や得意とする分野(ジャンル)を比較し、効果的な活用方法を解説します。
創業・開業の相談はこちら
TOKYO創業ステーションTAMAには、起業全般に役に立つセミナーや先輩起業家による起業相談を行う「Startup Hub Tokyo TAMA」と、ターゲットを絞ったセミナーや事業プラン作成を専門コンサルタントがコンサルする「Planning Port TAMA」の2施設があります。どちらの施設のセミナー受講、ご相談も無料です。また、電話やZoomでの相談も可能です。是非、ご利用下さい。
また、TOKYO創業ステーションTAMAを初めてご利用される場合は、「Startup Hub Tokyo TAMA」をご訪問下さい。施設の利用法を含め、ご利用者様の起業に向けた疑問・お悩み事に合った、施設や相談員の活用法についてアドバイスを実施しています。是非、ご利用下さい。お越し頂ける日を楽しみにしております。
メンバー登録はこちら
施設情報・関連ページ
TOKYO創業ステーションTAMA
〒190-0014 東京都立川市緑町3−1
GREEN SPRINGS E2 303
電話:042-518-9671
TOKYO創業ステーションTAMAは、東京都内で起業を目指すみなさんを応援する創業支援施設です。起業相談、事業計画書策定支援、イベント・セミナーのご参加、テストマーケティング出展など、すべてのサービスを無料でご利用いただけます。

著者:南 宏明(みなみ ひろあき)
TAMAプランコンサルタント
理系大学院修了後、地方銀行で営業店に8年間勤務し、金融商品販売(投資信託・保険商品)、個人向けローン、住宅ローン、法人・個人への事業性融資(創業融資含む)、債権管理等の業務を経験した後に独立。現在は、中小企業へのデジタルマーケティング導入・創業支援・FP事業を中心に活動している。中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
※本記事は、個人の意見・見解です。また、本記事で紹介している情報は、執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。




