柏﨑 裕介先生インタビュー(TAMAプランコンサルタント)

柏﨑 裕介先生インタビュー(TAMAプランコンサルタント)

インタビュー
柏﨑先生

こんにちは!TOKYO創業ステーションTAMAの相談員にインタビューを行う企画、第9弾はプランコンサルタントの柏﨑裕介先生をお招きしましてインタビューしてみました!今回は中小企業診断士で気象予報士という資格をお持ちで、女性起業ゼミや大学等での創業計画作りのお手伝いも多数手がけられ、最近は、SDGsに併せて気象・防災関連の新ビジネスへの助言・相談も行っている。そんな柏﨑先生の相談極意に迫ります。

― 現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。

大きく3つに分けられます。一つは、こちらのTOKYO創業ステーションTAMAの仕事です。
二つ目は、中小企業基盤整備機構という中小企業庁が持っている独立行政法人でアドバイザーをやっています。こちらでは国の方で開発した中小企業の皆様に使えるツールの紹介をしております。
三つ目は、個人の仕事として、補助金のお手伝いや価格交渉のための原価計算のやり方等の仕事を中小企業から直接受けています。

柏﨑先生

相談は無料で受けることができます
(1回45分以内)

― これまでの経歴を教えてください。

大学では、行政学、市町村合併を学んでおり、その流れで地域や地方に関心を持ちました。また、当時茶道部に入っていたのですが、作法を学びながら各地の特産品や焼き物、竹細工、塗り物などを知る楽しさも感じていました。仕事をするのであれば、地域のお役にたてるところがいいなと思っていました。こうした自分の興味に関係する職場がいいと考え、全国各地の一次産業をサポートできる農林中央金庫に入りました。
農林中金では仙台支店で水産業向けの融資担当者をしておりました。宮城県には大きな港が石巻、塩釜、女川、気仙沼と4つあります。それぞれ獲れる魚が違い、市場で高値の値段が付く魚も実は全く異なります。11か月目の2011年3月に地震がありました。ほぼすべての取引先が工場を失ったところからの再出発でした。なかには、人が亡くなってしまった会社もあったのですが、その会社は社長、専務以下本社に勤めていた26人が亡くなられました。当時のことは今でも時々思い出します。 実は当時を振り返った後悔が、現在の自分の仕事の原点になっています。 震災当時、自分は入社後11か月目の新人で、財務分析はギリギリ半人前、稟議を書いて融資するなどの最低限の業務だけは出来ましたが、中長期の事業計画が全く作れませんでした。現場では復興に向けて日々状況が変化しており、とにかくスピードが必要で、事業再開のための新しい融資には事業計画が必要不可欠でした。特に当時は売上を曖昧にしか捉えることしかできていませんでした。今振り返れば、社長からきちんと聞いて、質問を重ねて情報を頂いて、それを繰り返していけば良かったのですが、完全に力不足でした。
その後転職を経て個人での独立を志したころに中小企業診断士の資格に出会いました。本屋でテキストを開いた時の驚きは今も覚えています。当時の自分に必要だった知識が体系的に整理されており、これで仕事をしていきたいと強く感じました。その後、中小企業大学校で診断士資格を頂き、大学校の友人や恩師の方々に支えられて現在があります。 仕事をする際に心がけているのは、この人がいれば仕事がし易いなと思っていただけるような動きをすることです。中小企業大学校での在学中でも講師の先生や同期のメンバーにとって、局面局面で必要とされる動きが出来るかを試しながら過ごしていました。現在、TOKYO創業ステーションTAMAで様々な方とご縁を頂いておりますが、今後も更に必要として頂ける方のお役に立てるように、事業計画書の支援を続けていきたいと思います。

柏﨑先生

対面・電話の他、オンライン(zoom)でも気軽に相談できます

― 起業相談での得意分野は?

業種、業態のこだわりなくなんでもお受けしています。割合で言うとECやアプリケーション開発系の相談が多いです。また、インドネシアやベトナムなどから東京で起業したいという方のご相談といった、国際系の相談も増えてきています。

― これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。

2023年に開業されたパティシエの方の相談が印象に残っています。都内の洋菓子店での勤務から、百貨店催事などを経て満を持して独立された方で、洋菓子店での販売予測・売上目標管理の経験から、数字で考えることが十分にできる方でした。この方の支援の過程で印象的だったのは、非常に素直に提案を実行頂いた点です。ケーキ屋さんは立地が重要なので、街をしっかり調べるようアドバイスしたのですが、時間のある時にご自身で出店予定地の向かわれ、歩いている住人や交番のお巡りさん、美容師さんに直接ヒアリングをするなど、しっかりと市場調査してくれました。

― 講師をされているTAMA女性起業ゼミを卒業された方をご紹介ください。

多摩地域の藍染め屋さんより、染め物体験を新事業にしたいと参加された方がおられました(野口染物店:https://ai-noguchi.jp/)。ご自身の強みや地域との連携、また単価や期待できるお客様の数などをゼミで一緒に考えながらビジネスモデルを作り上げました。その後は私鉄のフリーペーパーでも紹介されるなど、注目を集められています。

柏﨑先生

女性起業ゼミの様子 少人数制のゼミ方式でビジネスプランを創り上げます
TAMA女性起業ゼミ12期レポートより

― 起業相談で心掛けていることは?

相談者さんの考えを頭ごなしに否定しないということは大切にしています。自分が驚くようなアイデアほど、相談者さんのお話を十分にお伺いして、相談者の方に見えている勝ち筋を教えていただくように意識しています。市場調査やアンケート、インタビューなどで十分にお客様がいらっしゃるアイデアに出来るかどうかをしっかりとサポートしております。

― 起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?

何もありません。アイデア段階で来てもらって構いません。

柏﨑先生

柏﨑先生の担当曜日は
毎週水曜日夜(17時~20時)、
第2・第4土曜日(10時~16時)

― 起業相談をしようか迷っている方へのメッセージをお願いします。

すぐにチャレンジが出来なくても、少しずつでも起業を選択肢に考えられると良いことがあると思います。お気軽にご予約ください。

相談員紹介

相談員紹介 TOKYO創業ステーションTAMA
プランコンサルタント
柏﨑 裕介
(かしわざき ゆうすけ)


中小企業診断士、気象予報士。
農林中央金庫・Amazon Japanの経験の後、独立し200社を超える企業の事業計画作成を実施。女性起業ゼミや大学等での創業計画作りのお手伝いも多数実施。
また、SDGsに併せて気象・防災関連の新ビジネスへの助言・相談も行っている。
相談は毎週水曜日夜間17:00~20:00 / 土曜日(第2・4)10:00~16:00 担当。

施設情報・関連ページ

TOKYO創業ステーションTAMA

TOKYO創業ステーションTAMA
〒190-0014 東京都立川市緑町3-1
GREEN SPRINGS E2 3階
電話:042-518-9671

TOKYO創業ステーションTAMAは、東京都内で起業を目指すみなさんを応援する創業支援施設です。起業相談、事業計画書策定支援、イベント・セミナーのご参加、テストマーケティング出展など、すべてのサービスを無料でご利用いただけます。

著者写真著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 村岸 伸樹

食品メーカーにて法人営業、監査業務に従事。
2022年4月に公益財団法人東京都中小企業振興公社に入社し、TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局に着任。

※本記事で紹介している情報は執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。