共同経営で起業するなら絶対に知っておきたい自社株の話

共同経営で起業するなら絶対に知っておきたい自社株の話

 皆様こんにちは!今日は起業する前に知っておきたい自社株について簡単にご説明いたします。近年世間を騒がせたニュースで、会社を経営していたが自社株を所有していなかったせいで、社長を解任させられてしまい、訴訟問題にまで発展したという話を聞いたことはありませんか?
「あの人は社長だったはずなのになんで?」と思う方もいるかもしれませんが、決定権を持っているのは社長ではなく株主です。株主が決めれば社長をクビにすることもできます。 「これから会社を作りたいけど自社株はよくわからない。」「友達と共同経営で起業しようと思っているけれど。」という方に知っておいてほしいことをお伝えします。

共同経営

1, 経営権の為に必要な持ち株比率

 持ち株比率によって権利の内容は大きく変わります。その為、最善は経営権が自社株を全て保有していることが望ましいです。自社株が分散してしまう=議決権が分散してしまう事になりますので、持ち株比率によっては自らの意思で決議できず、会社の経営に大きな支障をもたらしますので、注意が必要です。

-持ち株比率2/3以上(特別決議)

 定款変更、取締役や監査役の解任、解散、減資、組織再編、自社株の取得など経営上きわめて重要なことを決めることが出来ます。なので、共同経営の場合で1人が2/3以上を持っていたとすると、その人の一存でもう1人を排除することも出来てしまいます。

―持ち株比率1/2超(普通決議)

 役員選解任(定款の要件による)、役員報酬の決定、役員退職慰労金の支給決定、配当決議、計算書類の承認等、基本的な意思決定はすることが出来ます。

2, 少数株主にも権利がある

 少数株主であっても、株主代表者訴訟等の一定の権利を持っています。その為、万が一自社株が分散していると、経営に関わっていなかったとしても一定の権利を主張することが出来ますので、少数株主であっても注意が必要です。

―持ち株比率10%以上

解散判決請求権

―持ち株比率3%以上

株主総会招集請求権、役員の解任請求権、会計帳簿閲覧請求権

―1株以上

株式買取請求権、株主代表者訴訟、役員違法行為差止請求権

3, 50%ずつの出資は要注意

 創業相談にお越しになる方で、たまに共同で起業したいとご相談を受けることもあります。確かに、一人で起業するよりも二人の方が資本金も増えますし、お互いの強みを生かして協力し合えるので一人ではできないこともできるといった大きなメリットがあるかもしれません。ただし、ここまでお話ししたように経営権を考えると、どちらが代表者になるかしっかりと話し合っておかなければ経営に支障をきたす場合がございます。一番、避けたいのは「50%ずつ出資すること」です。万が一意見が対立してしまった場合には会社の決定事項が何も決めることが出来なくなります。これでは重要な議案であってもスムーズに決議できず、経営に支障をきたし会社が分裂状態に陥ることもあります。 その為には、しっかりと話し合いを行って代表者を決めて、代表者の出資比率を多くする。もしくは、種類株式(議決権制限株式や黄金株)を使うなどの方法を検討する必要があるでしょう。

まとめ

 ここまで自社株について簡単にご説明してきましたが、まずは自社株=議決権であること、権力は株主にあることを念頭に置いて頂ければと思います。このように、経営において自社株は大きな力を発揮します。共同経営で起業をする場合には安易な気持ちで50%ずつの出資にしようなどと決めず、しっかりと話し合いお互いが納得できる形で出資割合を決めましょう。TOKYO創業ステーションTAMAでは、自社株の取扱い、共同経営での起業と会社設立等について豊富な知識を持った専門相談員(上田先生佐藤先生菊地先生)が在籍しておりますので、共同経営で起業をお考えの方は是非一度ご相談にお越しください。

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著者写真著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 小野
大学卒業後に外資系金融機関で中小企業向け金融商品の法人営業を経験した後に(公財)東京都中小企業振興公社に入社し創業支援に携わる。事業戦略部 多摩創業支援課 地域連携担当 多摩ものづくりスタートアップ起業家育成事業担当 テストマーケティング担当 TOKYO創業ステーションTAMA公式ブログ「創業羅針盤Blog」運営