経常利益とは?【5分でわかる簡単解説】

経常利益とは?【5分でわかる簡単解説】

経常利益とは?【5分でわかる簡単解説】

【結論】経常利益とは、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益です。企業の通常の経営活動全体から得られる利益を表し、本業以外の収益や費用も含めた「安定的な稼ぐ力」を示します。企業の継続的な収益力や財務体質を判断するうえで欠かせない指標です。

経常利益とは?基本の意味と役割

営業利益とは?基本の意味と役割

経常利益は、企業の「日常的な経済活動」から得られる利益を示します。これは本業の利益である営業利益に、金融活動や投資活動などから生じる営業外収益(受取利息、配当金、為替差益など)を加え、営業外費用(支払利息、為替差損など)を差し引いて算出します。 経常利益は、企業が本業に加えて財務活動や投資活動なども含めてどれだけ安定的に利益を生み出しているかを示す指標です。営業利益は本業の収益力だけを表しますが、経常利益は本業+副次的な収益・費用も反映するため、より総合的な経営成績を把握できます。金融機関や投資家は、この数字を企業の安定性や長期的な成長可能性の評価に利用します。特に、安定してプラスの経常利益を出せる企業は、景気変動にも強く、長期的な経営基盤が固いとみなされます。

経常利益の計算式と具体例

経常利益は以下の計算式で求められます。

計算式:経常利益=営業利益+営業外収益−営業外費用

具体例として、ある企業の年間数値が次の通りだったとします。

  • 売上高:1億円
  • 売上原価:6,000万円(売上総利益=4,000万円)
  • 販管費:2,500万円(営業利益=1,500万円)
  • 営業外収益:100万円(例:受取利息、配当金)
  • 営業外費用:50万円(例:支払利息)

営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100

この場合、経常利益は
1,500万円+100万円−50万円=1,550万円となります。
さらに経常利益率は、
経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100
上記の例では、1,550万円÷1億円×100=15.5%です。
この数値が高いほど、本業と本業以外の活動を含めた総合的な収益力が高いと判断できます。

営業利益や純利益との違い

営業利益や純利益との違い

経常利益は営業利益や純利益と混同されやすいですが、それぞれ役割が異なります。

  • 営業利益:本業の利益。売上総利益から販管費を差し引いた金額。本業の稼ぐ力を示す。
  • 経常利益:営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いた利益。本業+財務・投資活動の成果を含む。
  • 純利益:経常利益から特別利益・特別損失、法人税などを引いた、最終的に企業に残る利益。

例えば、営業利益が高くても、営業外費用(借入金の利息など)が多ければ経常利益は低くなります。逆に営業利益が低くても、投資からの配当や利息収入が多ければ経常利益は上がります。この違いを理解することで、財務諸表の読み取りや経営分析の精度が上がります。

経常利益が高い・低い場合の原因と改善策

経常利益が高い場合は、本業の収益力に加え、財務活動や投資活動でも安定した収益を得られていることを意味します。例えば、借入金が少なく支払利息の負担が軽い企業や、投資先から安定的に配当金を得ている企業は経常利益が高くなりやすいです。 一方、経常利益が低い場合の主な原因は以下です。

  • 借入金が多く、支払利息が大きい
  • 為替差損や投資損失の発生
  • 営業利益自体が低い

改善策としては、借入金の圧縮や返済計画の見直し、為替リスクのヘッジ、投資先の選定基準の厳格化などが挙げられます。また、営業利益の改善は経常利益向上に直結するため、コスト削減や売上増加策と並行して実施することが重要です。

経常利益率でわかる企業の安定性

経常利益率は、企業の総合的な収益力と安定性を示す指標です。売上高に占める経常利益の割合が高ければ、経営体質が強く、景気変動や市場の変化にも柔軟に対応できると評価されます。一方、経常利益率が低い場合は、借入依存や投資損失、本業の収益力不足などが考えられます。 業種や企業の戦略によって適正値は異なるため、同業他社との比較が欠かせません。経常利益率の推移を定期的にチェックし、安定して高い水準を維持できる企業は、長期的な投資価値や取引先としての信頼性が高いといえます。

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著者写真 平井 東著者:
平井 東(ひらい あずま)


銀行にて法人向け貸出業務、税理士法人にて事業計画の作成業務、経営コンサルティング会社にてマーケティング戦略の立案・SEO対策・MEO対策・WEBサイト制作のディレクション等の業務、デジタルマーケティング会社にて大手企業向けのリスティング広告の運用業務、現在は、デジタルマーケティングと経営コンサルティングを行う会社を設立し、中小企業のご支援を行なっている。中小企業に必要な資金繰り・事業計画・計画達成のための戦術にあたるデジタルマーケティングのノウハウを持っている。中小企業診断士。

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