杉本 幸雄先生インタビュー(TAMAプランコンサルタント)
杉本 幸雄先生インタビュー(TAMAプランコンサルタント)
こんにちは!TOKYO創業ステーションTAMAの相談員にインタビューを行う本企画、第20弾はプランコンサルタントの杉本幸雄先生をお招きして、「医療・介護・福祉」「IT(最近ではAI活用を含む)」が得意分野である先生の相談極意に迫ります。
目次
― 現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。
大田区産業振興協会が大田区から受託している「特定創業事業」において、創業支援(創業相談)をしています。「創業支援」に関する相談業務が大半ですが、創業後3年~5年経過した事業者の方から「集客」「顧客獲得」「認知度向上」といった営業面に近い領域の相談を受けることもあります。
杉本先生の相談を無料で受けることができます(毎週水曜日17時~20時、第2・第4土曜日10時から16時、担当・1回45分以内)
― これまでの経歴を教えてください。
前職(日鉄ソリューソンズ)では、当初は営業を経験し、マネージメントをする立場になってからは、部門の運営やプロジェクトの管理に携わりました。
主な業務は、顧客企業に対する情報システムの構築です。顧客企業の事情や要望を踏まえながら、自社の技術部門と連携し、プロジェクト全体を統括・管理する役割を担っていました。
大規模なシステム構築を進めなければならなかったので、顧客だけでなく、社内の関連部門とも連携して乗り越えました。多くのメンバーとプロジェクトを成し遂げたこの経験を通じて、改めてコミュニケーションの大切さを実感しました。
その後、公共部門を担当することになり、厚生労働省や病院・介護施設を対象に、「医療・介護システム」の構築・導入に携わりました。当時は、限られたメーカーで、ビジュアルベーシックなどで作られた古い構造のシステムをサーバーに載せただけのサービスが主流の時代でした。この時期に培ったエンドユーザー(病院・介護施設)とのかかわりや専門知識(知見・経験)が、現在の重要な知識とスキルになっています。
2025.07.04 TOKYO創業ステーションTAMA業種別セミナー
「事例・実務に学ぶ ワークショップを活用して社会課題を考える医療・福祉事業創業講座」登壇
― 起業相談での得意分野は?
独立直後の2016年に「ITコーディネーター」の資格を取得。ただ、資格を取ったからといってコンサルタントができるわけではありません。実際に相談者に伴走し、自分のアプローチややり方が通用するのか実践を重ね、その中で様々な気づきを経験し、改善を重ねていくことで現在の相談スタイルができあがりました。 そうはいっても、他のコンサルタントとの違いを説明すると、前職での経験が私の強みの源泉となっていることは間違いありません。具体的には「医療・介護・福祉」と「IT(最近ではAI活用を含む)」のふたつの領域をサポートできる点にあります。 医療・介護のシステムは「国保への保険請求(レセプト)」がベースにありますが、最近では「業務効率化のためのアプリ開発(スマホアプリやAIの組み込みなど)」といった、現場に踏み込んだご相談が増加しています。
対面・電話の他オンライン(zoom)のご利用も可能です。 お気軽にご相談ください。
― これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。
偶然、同じような業種の方になってしまうのですが、専門資格(看護師・保育士)を持ちながら、同業者向けの教育コンサルタントとして個人事業主で独立されたお二人の相談が印象に残っています。
一人目は、ご相談にお見えになった時点で、既に事業計画書は完成し、プランコンサルティングの終了証も取得済みでした。本人は周りからは「よくできた事業計画書ですね」と褒められますが、事業計画書ができたからといってほんとうに事業できるか不安だという悩みを持たれ、私の相談に来られました。経営資源の乏しい創業者が創業する当初は、緻密な事業計画書を作成することはとても大切なことです。しかし、それだけで終わってしまっては、「事業目的を実現すること」は難しいでしょう。事業計画を実行に移すには、日々の業務にしっかり反映させることが大切だからです。ですから、相談にお見えになってからは、事業計画書に書かれた内容を実際の現場で使うことになる「提案書」や「営業資料」にいかに落とし込むか、実際の業務でどう活用するか、といった実践的なアップデートに伴走しました。最終的には創業助成金事業の採択を勝ちとりました。
二人目は、相談期間中に妊娠・出産を経験され、2年近くかけて事業計画書を完成された熱意と粘り強さのある相談者です。当初は、「自分一人では助成金の申請書類を書けるかかどうか」という状況でしたが、何度も何度も事業計画書を書き重ね、ブラッシュアップしていった結果、創業者の想いだけではなく、客観的な視点が加わった事業計画書となり見事に創業助成金事業に採択されました。
この二つの事例に共通する本質は、いずれの場合も、プランコンサルティングの終了証の取得等、書類を整えることが目的ではなく、「実際のビジネスとして動かせるレベル」「創業助成金審査に通るレベル」まで事業計画を徹底的にアップデートしたことが、大きな成功につながった、という点にあります。
相談の極意は「急がず、決めつけずに共感することで、この人は自分の思いを聞いてくれる人だという信頼関係を築くこと」です。
― 起業相談の際に心掛けていることは?
不安を和らげる。『不安があって当たり前』と思えるように心の負担を下げてあげることです。相談にお越しになる8割~9割の方は「本当に自分は創業できるだろうか」という不安を抱えています。初回、2回目の面談でまず、「最初から不安がない人なんていませんよ」とお伝えすることで、その不安を全て吐き出してもらい安心感を持ってもらうことを大切にしています。その上で、本人が考えていること・不安に思っていることなどを自由に話してもらい、「それは不安に思うのも無理はありませんよ」、「そのように思うのですね」と、急がず、決めつけずに共感することで、「この人は自分の思いを聞いてくれる人だ」という信頼関係を築いています。
― 起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?
相談内容は、事前に記入いただいているのである程度は把握できるため、難しく考える必要はありません。それよりも、「こういうことをしたい」という自身の「想い」を長文になっても構わないので、たくさん書いてきてもらえると、より深い相談が可能となると思います。
― 起業相談をしようか迷っている方へのメッセージ
迷って不安であっても、勇気をもって相談しましょう。TOKYO創業ステーションTAMAのプランコンサルタントが必ずあなたの話を親身に聞いてくれます。
相談員紹介
TOKYO創業ステーションTAMA
プランコンサルタント
杉本 幸雄
(すぎもと ゆきお)
相談者の想いに寄り添い、実務に即した事業計画の相談を得意としている。特に医療、介護・福祉、ITの分野に精通。飲食、小売といった業種にも幅広く対応。また、プレゼンテーション力により、ひと味違う相談にも強み。
なお、日鉄ソリューションズを経て独立後1,000以上の案件やプロジェクトに携わり数多くの創業者を輩出。ITコーディネーター、情報セキュリティマネジメント資格保有。
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著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 村岸 伸樹
食品メーカーにて法人営業、監査業務に従事。2022年4月に公益財団法人東京都中小企業振興公社に入社し、TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局に着任。
※本記事は、個人の意見・見解です。また、本記事で紹介している情報は、執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。


