TAMAプランコンサルタント・辰野博一先生インタビュー

辰野 博一先生インタビュー
(TAMAプランコンサルタント)

インタビュー
辰野 博一先生

こんにちは!TOKYO創業ステーションTAMAの相談員にインタビューを行う本企画、第14弾はプランコンサルタントの辰野博一先生をお招きしまして、インタビューしてみました!今回は幅広く起業をサポートされている辰野先生の相談極意に迫ります!

― 現在のご自身の事業や手掛けられていることについて教えてください

大学や公的機関の創業支援施設において「スタートアップの起業相談」「経営相談」に従事しています。研究者や学生、テック系スタートアップや研究開発型スタートアップ企業の相談を受けています。また、起業セミナーの講師や、TOKYO創業ステーションTAMAでのプランコンサルティングにて、起業を目指す方々をサポートしています。
他に、中小企業診断士として中小製造業の方の経営相談を受けたり、経営支援を行っています。

辰野 博一先生

辰野先生の相談を無料で受けることができます
(毎週火曜日10時~17時担当・1回45分以内)

― これまでの経歴を教えてください

メーカーに就職して、商品企画を11年間担当しました。 その後、独立し10年ぐらいになります。
商品企画の業務は、まず商品コンセプトを考え、実際に商品化するために技術チームや開発チームと一緒にものづくりをしていく。チームとしての開発をリードしていく存在としての活動でした。
11年間やっている中で、大きなヒット商品もありました。これまでターゲットにしていなかった20代、30代の女性の方をターゲットに、新たな顧客層に向けた商品開発ということで、これまでと違ったアプローチをたくさん試みました。ターゲットユーザーの調査にあたり、社内にいらっしゃる20代30代の女性社員の方々に商品についてのインタビューを実施しました。実際に使ってもらっての感想や、商品を手にした時の感想などをヒアリングをしながら検証を進めていきました。そして、常に技術陣や開発担当とコミュニケーションをとりながら商品開発を進めていきました。狙い通りに商品開発や事業を進めていくために、どのようにコミュニケーションしていくかというプロセスの経験は、今の私自身のコンサルタントやメンターとしてのスキルに生きているのではないかと思います。

辰野先生

起業・創業を目指す方を一緒になってサポートします

非常に楽しくやりがいのある仕事ではありましたが、メーカーの商品企画の仕事は決められた期間の中で、決められた発売タイミングを守りながら開発を行っていくという点で、少し不自由さを感じたり、ちょっとせわしなさを感じたりするところがありました。そこで、違う視点でものづくりや事業開発に関わりたいと考えるようになり、それが出来るのはコンサルタントという仕事ではと考え、独立しました。

― 起業相談での得意分野は?

業種を問わず相談を受けています。ここ数年は、テック系や研究開発型スタートアップの相談、創業を目指す方の支援も多くなってきています。

― これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください

テック系や研究開発型のスタートアップの支援は色々な場所でやらせていただいています。皆さん自分の技術を社会に還元、実現したいという思いが強いです。それをどのように実現にむけてアプローチしていいか、進め方がわからないというところが一番の課題になっていることが多いわけです。その悩みに対してどうすれば、事業化まで持っていけるか一緒に考えていきアドバイスしていきます。その結果、ご自身でどういう風に考えていけばいいか分かったと言っていただいたときに、アドバイスできてよかったとの思いがあります。

北村先生

TOKYO創業ステーションTAMA業種別セミナー「ものづくり/テック系起業入門」登壇(2024年9月20日)

一方、TOKYO創業ステーションTAMAではテック系以外の業種のプランコンサルティングも担当しています。例えば、サービス業の事業計画をいくつかご支援するなかで、テック系の起業家との違いも印象に残っています。テック系や研究開発系の起業家は、良くも悪くも自分の技術に自信を持っているので、そこを強みとして語ってくれます。しかし、サービス業の皆さんは、ご自身の優れたスキルを当たり前のものと考え、ご自身の強みとして認識されていない方も多いのです。
ご自身の能力を過大評価しないことは悪いことではないのですが、ご自身のスキルを活用して事業を行っていく上では、強みを生かしたサービスメニューの設計や、営業・広報活動が必須です。したがって、プランコンサルティングの中で「自分の強みは何か」「自分の強みを生かすと、どんなサービスを構築できるのか」といったことを、相談者と一緒に考えていくことが多いです。そのような自分の強みを確認された方は、以前よりも自信を持った話しぶり、書きぶりに変わってきたりします。


辰野先生

対面・電話の他、オンライン(zoom)でも気軽に相談できます 性別、年齢や経験を問わず、起業・創業に興味のある方は気軽にご活用ください

― 起業相談の際に心掛けていることは?

事業を前に進めるために必要なヒト・モノ・カネと言った経営資源が揃えることが必要となりますが、何が揃えば起業できるのかを深く考えずに、漠然と「今は起業するのは難しそう」と思い込んでいる方が結構いらっしゃいます。そういう方に対して、これとこれを準備できれば先に進めますよとお伝えして、一つ一つやるべきことを提示しながら進めるように心掛けています。

― 起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?

「起業で実現したい事は何か」「どんな問題を解決したい起業なのか」「なぜ起業したいのか」といったところをまず考えていただければありがたいと思います。私は、起業はよりよく生きていくための1つの手段として考えています。会社員の方であれば、経済的には会社にいたほうが安心と感じられる方もいらっしゃると思いますが、起業しなくても自分の思いを実現する手段があるのであれば、その手段を選んでもかまわないのです。「考えたうえでやっぱり起業したいとか」「考えたけど結論が出ないな」「わからないけど起業したい気持ちが残っている」という際には、ぜひ相談にお越しいただきたいと思います。 それから、事業を続けられるのかは本当に求めているお客様がいるかが課題となることが多いので、どんな方がお客様になるのかな?ということをおぼろげにでも考えておいていただいて、相談の際に教えていただけるといいですね。

― 起業相談をしようか迷っている方へのメッセージ

ご自身で考えて結論が出ればもちろんそれでいいのですが、他の人、外部の人に話すことによって、ご自身の考えていることは間違いないと思えたり、思わぬヒントが得られることもあると思いますので、ご自身で考えてちょっと結論が出せないというところがあれば、気軽にご相談に来てください。


相談員紹介

相談員紹介 TOKYO創業ステーションTAMA
プランコンサルタント
辰野 博一(たつの ひろかず)


大手電機メーカーでオーラルケア商品の商品企画を担当し、20・30代OL向けの携帯型電動歯ブラシが、市場規模を2倍にするヒット商品となる。メーカー退社後独立し、早稲田大学アントレプレナーシップセンターや公的インキュベーション施設などでの起業相談、経営相談に従事し、研究者や学生、研究開発型企業の経営者、スタートアップ企業の経営者との面談に年間延べ100件以上対応している。2020年からはNEDO NEP事業のカタライザーとして、研究シーズの事業化支援にも従事。 また、2015年より現在まで埼玉県本庄市での「ゼロから始める創業スクール」の講師として、プログラム検討・講義・ビジネスプランへのフィードバックを担当し、起業を目指す方々をサポートしている。 中小企業診断士。修士(エネルギー科学/商学)。ユニコーンファーム社Startup Advisor Academy認定スタートアップアドバイザー。専修大学経営学部兼任講師(「デザインと経営」)。

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著者写真著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 村岸 伸樹
食品メーカーにて法人営業、監査業務に従事。2022年4月に公益財団法人東京都中小企業振興公社に入社し、TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局に着任。

※本記事は、個人の意見・見解です。また、本記事で紹介している情報は、執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。