TAMAプランコンサルタント・横田真理也先生インタビュー

横田 真理也先生インタビュー(TAMAプランコンサルタント)

横田真理也

こんにちは!TOKYO創業ステーションTAMAの相談員にインタビューを行う本企画、第15弾はプランコンサルタントの横田真理也先生をお招きしました。施設が開所された当初から起業をサポートされている横田先生の相談極意に迫ります!

― 現在のご自身の事業や手掛けられていることを教えてください。

TOKYO創業ステーションTAMAおよび丸の内のプランコンサルティングで、起業を目指す方々をサポートしている傍らで、スタートアップにも参画しています。

横田真理也

起業・創業を目指す方を一緒になってサポートします

― これまでの経歴を教えてください。

電気メーカーに就職して、世界で7割~8割くらいのシェアを持っていた放送・業務用機器を扱う部門に長年にわたって従事しました。ドイツに赴任して現地法人の運営に携わり、帰国後は、マーケティング・経営計画・新規事業分野の事業部門の統括部長を経験しました。その後、東欧、ロシア、中近東、アフリカ地域を統括する事業部門の運営責任者、中国地域の事業部門の運営責任者を経験しました。

国内で事業会社の経営を10年、海外でも事業展開を行っていました。業種としても、メーカー、まちおこし的なサービス業、起業家のサポート、金融と幅広く携わりました。いろんなことを経験してきたので、自分の持っているものを皆さまと共有してお役に立てるのではないかと思い、TOKYO創業ステーションが開所された時のプランコンサルタント募集に支援者として手を挙げました。

横田真理也

横田先生の相談を無料で受けることができます (毎週月曜日10時~17時担当・1回45分以内)

― 起業相談での得意分野は?

映像関連事業、企業のPR、SNS広告を手掛けるなどクリエイティブなことをやっている方が独立し会社を作りたいという相談や士業の方の相談も多いです。また、官公庁を含めて法人営業の経験が長いのでB2Bの商売には専門性があると思っています。あとは、スモールビジネス、新規開拓が得意です。

多摩地域は学生が多いことが特色の一つです

多摩地域は製造業や学生が多いことが特色の一つです。学生自身が起業することも重要ですが、今後の人口減少社会をにらんで、起業にあたっては、人手不足への対応が欠かせず、対策として学生を活用して起業することも重要と私は考えていています。若い学生の知見や能力を高めることによって、生産性を向上させることができます。

YouTubeで日本の情報(食文化等)を海外に発信している相談者の方が、翻訳業務において人手不足で困っているというケースがありました。相談の中で、多様な人材活用について情報提供し、検討していただき、学生を活用することで現状を打開してもらうことができました。学生が持っている語学のスキルを活かしてお金を稼いでいただき、さらに、学生が今後社会へでてステップアップしていくために必要な知見・能力アップのきっかけにすることができます。

また、診断士の資格を取って、中小企業のマーケティングをサポートしている方がいます。コンサルタント業務は調査に時間がかかりますが、時間には限りがあります。そこで、経営工学や管理工学の知識をもっている学生を活用してマーケティングの下調べをしてもらうことでコンサルタント業務の生産性があがり学生も経験が積めます。

横田真理也

性別、年齢や経験を問わず、起業・創業に興味のある方は気軽にご活用ください

― これまでの相談で印象に残っている相談内容があれば教えてください。

ソフトウエアの開発を手掛けられた方が、旅行ビジネスで1番安いチケットを発見できるソフトを開発され、そのソフトウエアを売るということでした。一人に売ったら二人目には売れない。みんなが同じソフトを持ったら1番ではなくなってしまいます。顧客が買うのは商品そのものではなく、顧客が抱えている何らかの望み、課題、期待、問題に対する解決策を購入しています。ソフトは必ずアップデートが必要でもあり、月額制で提供するビジネスモデル(所有権ではなく使用権をビジネスモデルにすること)なども検討するようにお伝えしました。

多くの起業を目指す方は、発想力が旺盛でいろんなことが沸き上がるため、振り返る機会が少ないことがあります。一方で、違った考えを信号としてお伝えすることで、ご自身で気づかれることがあります。いろんなことを発想される方は、資源が限られるので結論もなかなかでないことが多いです。優先順位をつけるようお話をします。整理ができる方は、アウトプットできるようになります。

何をしたいのかお話を十分に伺っていくと相談者ご自身でお気づきになられることが多くあります。

― 起業相談の際に心掛けていることは?

事業計画書は、銀行やベンチャーキャピタル、協力者に評価されるために作成するという側面があります。また、お金は誰が出すのか、お客様に出してもらうわけです。そのためには、顧客視点、客観性が必要です。お客様の立場からものを見ることが欠かせません。ビジネスには必ず競合が存在します。選択の判断は顧客が判断するとういうことをきちんと理解しなくてはなりません。

また、結論に導くには、優先順位を決めることが大切です。数多くのアイデアは、管理ができなくなり結論が出ず、話が繰り返す原因になってしまいます。アイデアは管理できる3つまでにすべきです。考え方として、私は数を数えるとき、「1,2,3,いっぱい」と数えるように話しています。優先順位の決め方は、規模、現実性、実現可能性が重要です。

横田真理也

対面・電話の他、オンライン(zoom)でも気軽に相談できます

― 起業相談の前に準備しておいたほうがよいことは?

いろいろな起業段階の方がプランコンサルティングを利用されます。キャッチボールをしながらアイデアを整理していく方もいらっしゃいます。また、事業としてやることがはっきりしている方もいらっしゃいます。そういう方は、可能な範囲で、3C―「Company(自社)」「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」の切り口で少しでも明確(言葉で言えるよう、説明できるよう)にすることをお勧めします。

「誰を顧客に何(商品・サービスの特性)を提供するか、それで自分は何を達成したいのか?」を整理できると事業計画書の展開が効率的に行えると考えます。

― 起業相談をしようか迷っている方へのメッセージ

漠然と起業を考えているか迷っているなら、壁打ちと思って話している雑談の中でも考え整理できることが多くあるので、まずはご相談されることをお勧めいたします。

相談員紹介

相談員紹介 TOKYO創業ステーションTAMA
プランコンサルタント
横田 真理也
(よこた まりや)


ソニーにて、放送・業務用機器の海外営業、ドイツ現法勤務を経て、事業企画・マーケティング関連の統括部長を務める。ロシア・東欧・中近東・アフリカ地域、中国の放送・業務用機器の統括責任者歴任。映像サービス、町興し・創業支援、金融等の国内関連子会社の経営に携わる。マーケティング、経営・事業企画のノウハウ及び文化・価値観の多様性を理解する力を保有する。創業支援関連子会社では、創業支援をバックアップした経験を有する。

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著者写真著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 村岸 伸樹
食品メーカーにて法人営業、監査業務に従事。2022年4月に公益財団法人東京都中小企業振興公社に入社し、TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局に着任。

※本記事は、個人の意見・見解です。また、本記事で紹介している情報は、執筆時点のものであり、閲覧時点では変更になっている場合がございます。