TAMA起業ゼミインタビュー
起業は「好き」から始まっていい。TAMA起業ゼミ卒業生による1か月の振り返り

起業、と聞くと「特別な才能がある人がやるもの」「厳しく収益を追い続ける世界」といった、どこかハードルの高いイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。
けれど実際にTAMA起業ゼミに参加したのは、特別な経験や完成されたアイデアを持っていた人ばかりではありませんでした。迷いや不安を抱えながらも、「少し気になる」という気持ちをきっかけに一歩を踏み出した学生たち。
今回は、TAMA起業ゼミ17期に参加してくれた3名にインタビューを実施。起業に興味を持った理由やゼミで得た学び、参加後に生まれた変化を率直にお話しいただきました。
メンバープロフィール
若林 俊秀さん(トシ)
大学3年生。農学部で生命科学を専攻。研究に没頭する傍ら、幼少期の憧れから起業に興味を持ち、さまざまな活動を行う。
黒澤 叶夢さん(ドリカム)
大学3年生。経済学部。就職活動と並行しながら、スタハブを拠点に自らの事業立案に励む。
長嶌 千明さん(ちあき)
大学4年生。商学部。幼少期から「価値を生む仕組み」への興味を持ち、現在はスタートアップでの長期インターンに従事しながら、自身のアイデア事業化に励む。
|みなさんが「起業」に興味を持ったきっかけを教えてください。

トシ:高校生の頃に車に興味を持ったことがきっかけです。なかでもスーパーカーに強く惹かれ、「いつかはこんな車に乗ってみたい」という思いを抱くようになりました。そして、実際にそうした車に乗っているのは起業家が多いというイメージから、自然と起業にも関心を持つようになりましたね。 大学進学後は、2年生のときに初めてビジネスコンテストに出場しました。それが、起業への具体的な第一歩になりました。
ドリカム:起業に興味を持った理由は2つあります。1つは、DeNAの南場智子さんが登壇されていた講演を聴いて「自分の軸を持って働くこと」に憧れを持ったこと。もう1つは短期インターン中に、隣にいた学生が「年商何億」という視座で話す姿を見て、「僕も負けていられない」「彼らに追いつきたい」と感じたことです。今は就活を行いながら、自分でも事業を作っています。
ちあき:私は昔から“仕組み”を考えることが好きだったんです。小さい頃には、自分のお小遣いでお菓子を買ってきて、それを家族にバラ売りするなどしていました。どうしたら喜んでもらえるか、どうしたらうまく回るか。そのように“価値が生まれる仕組み”を考えるのがとても楽しかったんですよね。大学も経営について勉強してみたくて商学部を選びました。
|このゼミに参加した動機や、Startup Hub Tokyo TAMAを知った経緯は何でしたか?
ちあき:こちらの施設で相談員をしている伊藤コンシェルジュの講義を大学で受講したことがきっかけです。講義後に自分自身の状況について相談したところ、「Startup Hub Tokyo TAMAという施設があるよ」と紹介してもらいました。はじめて来館したときには大学のサークルなどでは得られない有益な情報が得られると感じましたね。また同じ志を持つ同世代との繋がりがつくりたいと思い、「TAMA起業ゼミ」に参加してみることにしました。
ドリカム:僕はモノレールの広告で、この施設を知りました。通学の満員電車の中で、偶然目線の先に「起業したいなら」という広告があって、興味を持ちました。早速伺ったところ、コミュニティマネジャーの方にTAMA起業ゼミを案内してもらって。ちょうど何かに挑戦してみたいなと考えていたタイミングだったので、「参加してみよう」と思ったんです。 また大学にはたくさんの学生がいる一方で、自分と同じようにビジネスをやりたい仲間を見つけるのは難しくて。僕もちあきさんと同じように、同年代の同じ志を持った仲間がつくれることを期待して参加しました。

トシ:僕はもともと起業に興味があり、創業支援施設を調べる中でここの施設を知りました。25歳以下限定の交流会に参加したのがきっかけで、同ゼミを紹介いただき、参加することを決めました。周りの友人は将来を考える中で、「研究か就職か」の二択で迷っている人が多いです。ただ、自分のなかでは起業というのも一つ選択肢として考えているため、週に一度でも起業について学んだり、起業に興味を持つ方と関わる時間をつくろうと思いました。
|ゼミ期間中に、どのような事業案を構想されましたか?
ちあき:ゼミでは、「カフェと人をつなぐプラットフォーム事業」を企画しました。背景にあったのは、個人経営のカフェに対して「一人では入りにくい」と感じる人が多いということ。特に女性の中には、「気になるカフェはあるけれど、一人で行くのは少し勇気がいる」「新しい友達とおしゃべりしたい」という声があると思います。そこで、女性同士をマッチングし、二人でカフェに行ける仕組みを構想。カフェ側には新規顧客との接点を、ユーザー側には安心してお店に行ける機会と交流の場を提供するサービスとして設計しました。
ドリカム:僕は「学生利用限定のバー」のアイデアを構想しました。自分はバーが好きでよく行くのですが普段は年齢層の高い方が多く、若者をターゲットにしたバーの新しい活用について考えられないかと思ったんです。「友達・恋人が欲しい」という新たな出会いを求めている学生に向けて、居酒屋やクラブではない、よりフォーマルにマッチングできる場所を作りたいと考えました。
トシ:僕が取り組んでいるのは、「テクノロジー分野の中小企業に特化した広報支援」です。 大学で研究現場に関わる中で、技術を生み出すまでに大きな努力や時間がかかっているにもかかわらず、その価値が十分に世の中に知られていないことに、もどかしさを感じていました。 実際に企業の方々に話を聞いてみると、技術や会社の存在が知られていないことで人材が集まらず、結果として成長のスピードが鈍ってしまうという課題があることが分かりました。そこで、学生という立場を生かしながら、まずはSNSなどの広報支援から関わり、魅力ある技術をより多くの人に届けていくサポートをしていきたいと考えています。

|実際にゼミに参加してみて、印象的だった学びやギャップはありましたか?
ドリカム:正直、起業って大人が激詰めしてくる怖いものだと思っていました(笑)。もちろん厳しいこともたくさんありますが、登壇した起業家の方の「周りの起業家と比べなくていい」という言葉が印象に残っていて、まずは「好き」や「やりたいこと」を尊重していいことが分かりました。また最初から自分を追い込みすぎず、小さな成功体験から積み上げる大切さも学びましたね。
ちあき:とても共感します!私も起業をすることって、収益化のことを優先して考えないといけないんだと思っていました。でも、そうではなくて、まずは自分の強みや好きをベースにアイデアを進めていいんだとゼミを通して思えるようになりました。

トシ:僕はゼミで毎回行われるグループワークを通して自分を深掘りできたことです。周りと比較することで、「技術への熱量」が自分の強みだと再確認できました。また、ゼミには学生だけではなく社会人の方もいらっしゃって、すごく刺激をもらいました。 ゼミは毎週土曜朝10時からだったため、その「優しい強制力」のおかげで、もったいない過ごし方をしていた土曜の生活リズムも正してもらいました(笑)。
|ゼミを経て約1か月ですが、そのアイデアに変化や進展はありましたか?
ドリカム:ゼミ最終日に発表した「バー」の企画を、少しずつ形にしようと動いてきました。ただ、お店をお借りするための営業には想像以上に苦戦してしまって。いまは方向性を少し変え、まずは大学の施設や飲食店のスペースを活用しながら、「経営者と学生をマッチングするご飯会」という形で進めることにしました。 また、ゼミで出会った他の学生と一緒にPOP UPを開催しようという話も進んでいます。このゼミで生まれたご縁が、次の挑戦へとつながっていることを実感しています。
トシ:僕は先日、IT企業の社長さんに「チラシ作りだけでもできないか」と直談判しに行きました。すると意外にも「2週間インターンとして働いてみないか」というご提案をいただけて。今年の2月から実際に現場へ飛び込んでみることにしました。自分から行動したことで道が開けたこと、そして大学で理系分野を学んでいる点を評価していただけたことが、とても嬉しかったです。

ちあき:現在は、事業案をあらためて練り直している段階です。コンシェルジュの方々から、ペルソナ設定や具体的な需要についてプロの目線でアドバイスをいただき、解決すべき課題がより明確になりました。いまは、その課題をどのようにプロダクトとして形にしていくかを考えているところです!
|このゼミは、どんな学生におすすめしたいですか?
ドリカム: 「仕事=やりたくないこと」と感じている方にこそぜひ参加してみてほしいです。TAMA起業ゼミは、自分の「好き」をどう形にしていくのか、それをどうやって価値や収入につなげていくのかを考えるヒントがたくさん得られる場です。 起業は思ったよりも身近なところから始めてもいいんだということを知ることで、働くことへのモチベーションがあがる方は多いのではないかなと思います。
ちあき:やりたいことはあるけど人に言うことが苦手な方には、ぜひ来てほしいです。私も普段は恥ずかしくてなかなか人に言えないタイプですが、ここには否定せず受け止めてくれる優しい土壌があって。ゼミの中では自然と自分のやりたいことを口にしていました。自分の想いを表に出すことは、難しいことですが、行動を変えるために必要なことだと思います。そのためにまずは同じ志を持った方と切磋琢磨できる環境にいることをおすすめしたいです。

トシ:環境に左右されやすい人ですね。ゼミに参加すれば、その時間は起業のことを考えられますし、やりたいことを実現するための方法を学べます。僕のように就職か研究かの二択に迷っている方も、第三の選択肢として、起業を学んでみるのも良いのではないかなと思います。
|最後に、これからのネクストアクションと意気込みを聞かせてください。
トシ:このゼミを通して感じたのは、「起業そのものがゴールではない」ということ。何か実現したいことがあったとき、その手段のひとつが起業なのだと思うようになりました。だから今は、必ず起業すると言い切るというよりも、まずは経験を積むことを大切にしたいと考えています。 まずは企業がどんな課題を抱えているのかを深く知ることに時間を使いながら、いつか起業したいと思ったときにすぐ動けるよう、準備をしていきたいと思っています。
ちあき: TAMA起業ゼミでは、コンシェルジュの方や実際にビジネスをされている先輩方が身近にいる環境だったので、自分の視点だけでなく、第三者や事業者側の視点からも多くのアドバイスをいただきました。ペルソナ設定は適切か、本当に需要はあるのかといった、ビジネスの土台となる部分を具体的に問い直す機会になりました。 その中で見えてきた課題を整理し、まずはそれをどうプロダクトとして形にできるのかを改めて考えたいと思っています。その上で、実際にお店に営業に行くなど、次の一歩を踏み出していきたいです。

ドリカム:僕は、将来必ず起業したいと考えています!ただ、自分の弱いところとして、人に合わせすぎてしまう部分があると感じています。本当は自分がやりたいことがあっても、「売れそうなもの」や「求められていそうなもの」を優先して選んでしまいがちなんです。 ただこのゼミに参加して、「自分はどうしたいのか」という軸を大切にする考え方を学びました。迷ったときに立ち返れる“原点”のような場所ができた感覚があります。 これから起業して、うまくいかないことや事業の方向性に悩むことがあったとしても、ここに戻ってもう一度考え直せる。迷ったら何度でも原点に戻り、そこからまた目標に向かって進んでいきたいと思っています。
「少し気になる」「これが好きかもしれない」——卒業生たちの声から見えてきたのは、特別な人だけのものではない、「好き」から始められる起業の姿でした。
大切なのは、「自分はどうしたいか」を問い続けること。TAMA起業ゼミは、その問いに向き合うための場です。いつか挑戦したいと思ったときに動ける自分であるために。その準備を、ここから始めてみませんか。
▼TAMA起業ゼミとは?
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会社員、複業、フリーランス…働き方が多様化している今、 「自分の好きなことや興味のあることで生きていけたらいいな」と思ったことはないでしょうか?でもいざ自分に目を向けてみると、「自分の好きなことってそもそも何だろう?」「何から始めればいいんだろう?」と分からないことだらけでなかなか踏み出せない。
TAMA起業ゼミは、そんな一歩を踏み出すきっかけを探している25歳以下を対象にした約1か月の実践プログラムです。
2026年度は6月開講予定!毎週日曜日10時~12時半を予定しています。情報解禁をお楽しみに!
▼参加を迷っている方へ、おすすめイベント

「やってみたい」はなんとなくあるけど、まだ一歩踏み出せていない。 アイデアも固まっていないし、起業するかどうかも決めていない。
そんな25歳以下の学生・社会人のための交流会です。

頭の中で考えているだけでは見えてこないことも、実際に手を動かしてみることで整理されていきます。 自分の「やってみたい」を、少し具体的にしてみませんか?
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