わたしの創業ものがたり　
わらうかど　編

-きっかけ-
高齢者が笑顔で過ごせる介護施設のために

介護福祉士として勤務していた高齢者介護施設では、職員自らおやつづくりや歌などのレクリエーションを企画し実施していました。しかし、多くの施設では、慢性的な人手不足の中で、職員は日々の業務に追われ、企画や準備に手間がかかるレクリエーションを実施することは難しい状況です。それならば、レクリエーションを外部委託で請け負えれば、職員の業務負担も軽減され、利用者の方ももっと楽しい時間を過ごせるのでは、というアイディアが起業するきっかけとなりました。

そして、高齢になっても生き生きと過ごしてほしい。介護施設で学んだことを活かして超高齢社会に貢献したい。このような思いから、安心で安全なシニア向けアクティビティプログラムを提供し、高齢者の生活の質の向上（ＱＯＬ）を高める事業を行う『わらうかど』を設立したのです。

-準備-
プランコンサルティングでゴールへの道筋が見えてきた

起業するにあたって東京しごとセンターの創業「寺子屋塾」を受講しているときに、TOKYO創業ステーションを紹介していただきプランコンサルティングを利用しました。「シニア向けのアクティビティプログラムの提供」という構想はあったのですが、当初は様々なアイディアで頭の中が混乱しており何から始めれば良いのか分からない状態でした。でも、プランコンサルティングに通い、課題を指摘していただき、事業計画書のアップデートを繰り返しているうちにゴールへ辿り着く道筋や方法が整理されてはっきり見えてきた気がします。

さらに、「女性起業ゼミ」にも参加しました。そこは、見込みユーザーへのフィールドワークや与えられた課題の発表とディスカッションなどを行う切磋琢磨の場であり、とても刺激を受けたのは言うまでもありません。参加している起業を目指す女性の皆さんが、キラキラと輝き、すでに経営者のオーラを放っているのがとても印象的でした。

-体験談-
アイディアを生み育てる起業は出産に似ている！！

ものづくりは、出来上がったときの達成感や喜びがあり、それを会話で共有できることから、料理と工作のアクティビティを柱に事業を展開しています。

料理をつくり味わうことは、考えながら手を使い、舌で温度や美味しさを感じ、目で器や料理の美しさを鑑賞できるなど、五感を刺激するのです。料理がコミュニケーションを生み、そして美味しいと感じれば会話も弾み誰もが笑顔になれます。

一方、工作は曜日や日にちのシールを貼って四季を感じるカレンダーに仕上げる「Hattecoトレーニングキット」を使うアクティビティです。季節や昔の思い出話をしながら、全体のバランスを考えて個々のパーツを指先を使って完成させると、ポジティブ脳が形成されて空間認知脳が活性化する効果が期待できます。

起業は出産に似ているのではないでしょうか。妊娠するとまずは母親や先輩ママに相談します。経験に基づく貴重なアドバイスをもらえるからです。そして、病院へ通い専門医の診察を受け出産に備えます。起業も、より多くの人の意見を聞くことが不可欠です。加えて、“創業の専門医”であるプランコンサルティングで適切なアドバイスをもらい不安を解消すれば、安心して起業という“出産”に臨めます。ただ、子育てが難しいように、起業後は苦労も多いのですが、それでも、育っていく“我が子”は何より愛おしいものです。