わたしの創業ものがたり
tanQ 株式会社 編

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これからの時代はますます変化が激しく、予測困難になるといわれています。そうした新しい時代を生き抜くために必要なのは自ら学び、考え、課題を解決していく力。その力を育む「探究型学習」に注目し、個性豊かな5人のメンバーが結集して生まれたのが今、大人気の通信教材「タンキュークエスト」。そこに込められた熱い思いと成功の秘訣を聞いてみました。

COMPANY INFORMATION

tanQ 株式会社
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-10-1 マリア千駄ヶ谷ビルB1
探究型の通信教育サービス
2015年12月創業
https://www.tanqfamily.com/



代表取締役/塩屋 純一(しおや じゅんいち)
東京大学経済学部を卒業後、総合商社にて情報産業ビジネス/ベンチャー投資事業に従事。2015年独立し、友人と現業を立ち上げる。




ワクワクする知的好奇心や
探究心を育む教育サービスを提供


森本

私たちのスタートは週末起業です。もともと教育に関心があった友人同士が集まって語り合ううちに「何かやろうよ」となり、会社勤めのかたわら学習動画の制作・配信を始めました。


それも算数や国語といった切り口からではない、総合的・教科横断的に楽しく学べるものにしたいと考えました。そこで、親子で学べる体験型の動画教材を作って配信したところ、すごく評判がよかったんです。そうしたことを重ねて「これはいける」と判断、徐々に事業として本格化させ、一人ふたりと前職を辞めて2016年に全員が合流しました。


滝沢

当時、私たちが共通して思っていたことは、学校や塾でひたすら知識を覚えたり、評価されたりする学習を続けるうちに、学ぶことがすっかり嫌いになって世の中に出ていく人が多いのは問題じゃないか、ということでした。


学ぶことは本来は楽しいはずです。世界が広がり、出来ることも増えていきます。私たちにも子ども時代にそのような原体験がありました。だから、学ぶことをもっと楽しくしたい、自然に探究心や知的好奇心が育ち、学ぶ力がつく「本来の学びの形」を子どもたちに提供したいと思ったのが原点です。



メンバー一人ひとりの強みを武器に
「チーム型創業」でスタート


塩屋

今、私たちが提供している通信教育「タンキュークエスト」の対象は5歳から。月2回、ストーリー形式のDVDや実験動画などの教材を届けていますが、自宅で体験型学習(アクティブラーニング)ができるように作ってあるのが特長です。


溝端

ストーリー形式のDVDでは、毎回、視聴する子どもたちが登場人物たちと一緒に課題を解決し、謎を解き明かします。美術や元素について、楽しくゲーム感覚で学べます。


小澤

メンバー全員、個性も経歴も違います。たとえば私は劇場に勤めていたことがあり、裏方や舞台に立つことも経験してきました。そういった違いがすべて強みになっています。タンキュークエストはあらゆる分野を横断的に扱うカリキュラムなので、自他共に認める多趣味である部分は、テーマ案を出すのに役立っています。特に歴史や日本文化の分野は得意です。また、それがDVD制作にも活きています


溝端

今も私だけは兼業で、俳優をしています。教育界と芸能界、まるで違う世界のようですが、一方で学んだことを他方に活かせるというメリットを感じてい ます。たとえば、会員の子たちと私たちはSNSでつながっています。DVDや実験教材で学んでみた感想をもらったり、私たちからもその子にあわせてアドバイスするコメント動画を送ったりしています。このように、相手を感じながら対応していくところは、「人間対人間」という点で共通しています。


tanQ 株式会社

助成金で事業の進化が加速


塩屋

創業助成事業に採択されたのは昨年(2017年)8月です。まず手を着けたのは、教材のキャラクターデザインのリニューアルでした。いかに子どもたちにとって魅力的なものにするか、こだわりました。あわせて教材も一新させ、備品購入や広告費に使いました。自己資金だけでは、一度にここまで思い切った投資はできなかったと思います。


森本

助成金のおかげで、できることもアイディアも幅が広がりました。



創業してよかったこと


滝沢

創業してよかったことはやりがいの大きさや、子育てと仕事のバランスが取れることです。子どもと触れ合う時間がふえて「ここに興味を持つのか」などと気づかされることが多いです。それを企画に活かすなど、仕事にもいい影響を与えています。


塩屋

今後はユーザー数のいっそうの拡大をはかりたいです。それと同時に、様々な分野の専門家を広く巻き込み、コラボレーションしていきたいです。広く巻き込むことで、一人ひとりがもっと自分らしく生きられる社会に変えていきたいです。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

滝沢

今、会社員だったり他の仕事をしていたりする方は、リスクの少ない「週末起業」からスタートしてみてはいかがでしょうか。週末など空いた時間だけを副業に使うという方法です。ぼくらもまずはテストユーザーを集めてサービスを提供し、実際に手応えをつかんでから本格化させていきました。顧客が増えていく見通しが立ち、事業計画もはっきりしてきたところで、それぞれ前職を辞めていったんです。ですから、リスクはほとんど感じずに始められました。


小澤

私は出会いとかご縁の積み重ねでここまで来た感じです。最初から「創業する」という明確なゴールを持っていたわけではなかったです。けれども、結果的にこれまでの経験がすべて活きていますし、活かせるのが創業の面白いところですね。


森本

私は対照的に、会社員としてやることはやった、新しい世界を切り拓くぞと決めていました。新しいことを始めるのは不安かもしれませんが、「まずは始めてみる」というのも手です。あとは目の前に現れてくる課題を一つずつ、皆で解決していけば大丈夫だと思います。

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