わたしの創業ものがたり  株式会社 ジオプロ 編

株式会社 ジオプロ

COMPANY INFORMATION

株式会社 ジオプロ
東京都豊島区南池袋2-8-17 第一豊南ビル301

最新鋭機器を搭載した産業用ドローンによる測量。2013年9月設立。
https://www.geopro.jp



代表取締役 中村 隆行
大学で地理学科を専攻し航空写真測量をメイン事業とする企業に入社。その後、地理情報システムや音響測定、GPSなど先進デジタル技術を持つ様々な会社で経験を積み、46歳で起業。




-きっかけ-
24年間様々な会社で測量技術を習得


新卒で入社した航空写真測量の会社には約8年半在籍していましたが、その後、複数回の移籍を繰り返しました。友人や部下には「自分探しの旅」だったと言っていますが、実際のところは「これだ!」と思える測量技術を探していた気がします。そして、GPSの位置情報データを扱う会社で、当時はUAVと呼ばれていたドローンと出会いました。この会社はドローンの開発に取り組んでおり、最新機で撮影した写真をもとに点群データを作成していました。そのデータを目の当たりにして、「これだ!ドローンは測量の分野に革命を起こす!」と思い、すぐにドローンを用いて測量を行う『ジオプロ』を設立しました。


しかし、どんな現場で役に立つのかが分からない中での起業でしたので、顧客となる会社は1 社もありませんでした。とにかく、地理や測量など空間情報関連の仕事で培った人脈をたどって顧客を開拓する手探り状態の日々が続きました。そんな中、2016年に国土交通省が、ICTの活用で建設現場の生産性向上を図る取組「i-Construction」を推進したのが追い風となり、事業は徐々に好転していったのです。でも、この事業を存続させるためには、あと二つの高い壁を乗り越える必要がありました。


株式会社 ジオプロ

高性能測量機器とドローンのマッチングは建設・土木業界に革命を起こした。


-準備-
資金調達と優秀な人材の獲得という壁


ドローンでの測量には、高性能機と高度なGPS機器、計測して得られるデータを処理する3次元CADソフトが必要になります。ところが、どれも高額であるため資金調達に頭を悩ませていました。また、それらを使いこなす優秀な人材の獲得も課題でした。この2つはベンチャー企業にとって大きな問題です。支援してくれる公的な機関を探している中で、TOKYO創業ステーションの創業助成金を知りました。提出する申請書には、自分の思いの丈を全てぶつけるつもりで書き連ねたところ幸運にも採択され、「これで必要なものが揃う」と喜びもひとしおだったことを今でもはっきり憶えています。


また、この時期に人材を獲得でき、顧客から地上型3次元レーザースキャナーをレンタルさせていただけたこともあり、大きな一歩を踏み出すことができました。助成金は人件費や賃借料などで利用しました。



-展望-
最新のドローン技術で社会貢献も行いたい


私たちの仕事は、産業用ドローンにレーザー発振器を搭載して高精度に地形を測り、3次元CADソフトで測量データを処理し3次元点群データを提供すること。ご存じのように、いま建設・土木の現場では人手不足が深刻化しています。最新のデジタルデバイスを駆使して作業効率や労働環境などの改善を行うことが最大のミッションであると考えています。例えば、森林や山を測量する場合、人が山に入って測量するとかなりの日数を要しますが、ドローンを使ってのレーザー測量なら、樹木に邪魔されずに上空から地表へレーザーを当てることができ、短時間で高精度なデータの取得が可能となります。従来、1週間の滞在が必要だった測量技術者の仕事を、ドローンのレーザー測量なら僅か15分程度で行うことができる場合もあります。


また、最近はレーザー発振器の代わりにカメラを搭載し、災害現場など人が立ち入れない危険な場所で動画や写真を上空から撮影し、早い段階での状況把握に役立ていただいています。これからは、社会に貢献する仕事も積極的に行っていきたいと考えています。


株式会社 ジオプロ

レーザーで測量したデータを3次元CADソフトで仕上げた3次元点群データ。


ひとこと
株式会社 ジオプロ

大きな設備投資が必要なビジネスモデルこそ焦らず身の丈に合った経営展開をしていくべきです。



創業を目指す方へ~応援メッセージ~

ライバルも視点を変えれば仲間になる

受注した仕事を自社でやり遂げるのが難しい場合、同業のベンチャー企業をライバル視するのではなく、“自分にはない技術や知見を持っている仲間”と捉え協力してもらう方法もあります。実際、弊社では「横のつながり」から助けたり、助けられたりしています。事業の創成期、仲間の存在は大きいものになるでしょう。

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創業助成金