わたしの創業ものがたり
カイテク株式会社 編

働く人の笑顔を増やし
介護サービスの世界を変える
ワークシェアリングサービス

COMPANY INFORMATION

カイテク株式会社
東京都港区赤坂2丁目8-15
多様なテクノロジーを駆使し、介護施設と介護・看護の有資格者をマッチングする革新的な介護ワークシェアリングサービスを開発・運営。介護現場の問題解決に資する。2018年2月設立。
https://caitech.co.jp/

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代表取締役／武藤 高史
立命館大学院情報工学博士前期課程修了。在学中は遠隔探索ロボットの研究開発に没頭。富士ゼロックス株式会社、INNOBASE株式会社を経て、世界最大級の医師プラットフォームを運営するエムスリー株式会社にて、医師と製薬会社を結ぶ主力サービスのプラットフォームディレクター/サービス責任者となる。

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-起業のきっかけ-
祖父母の介護を通して知った介護の現場

終戦とともに戦地から帰国した祖父は、多くの失敗も経験しつつ、ゼロから様々な事業を立ち上げ、遂には病院や学校を経営した人。子ども心にも、その姿は格好よかった。しかし、そんな祖父が認知症を発症すると、一人では何もできなくなり…次いで祖母も高齢者施設に入居。初めて「介護」の世界に触れ、「これは日本のインフラだ」と実感すると同時に、高齢社会に対する問題意識を抱くようになったのです。

その後、「いつかは祖父のように起業したい」と思いながらも、企業に就職。エムスリー株式会社勤務時代、休日にボランティアの介護職として複数の高齢者施設を手伝ったのですが、目の当たりにする介護現場はどこも人手不足で疲弊している。「これではいけない！」と、介護に関する事業を立ち上げることに決めました。といっても、まだ人脈も資金もなく、うまくやっていけるのか？という不安はあったのですが。

-事業化にむけて-
講座での学びを生かし株式で資金調達

起業前に、まず東京都主催の若手起業家支援のビジネスコンテストに参加してみました。その会場となっていたのが、丸の内のStartup Hub Tokyo（スタハ）で、無料でラウンジや書籍を利用できると知り、よく足を運ぶように。スタハでは「融資ってどうするの？」というところから相談したり、同じようなフェーズの起業家たちと互いに励まし合い刺激し合ったり。そして何とか会社を立ち上げました。しかし、設立から1年ほどは事業が固まらず、様々な事業を試しては方向転換のくりかえし。必死でお客様の声を聞き、業界構造を学び…そして生まれたのが、人材不足で困っている介護施設と、空いた時間を有効活用したい介護士を直接マッチングし、ミスマッチのない人材採用にもつなげる介護シェアリングサービス「カイスケ」。「これなら問題を解決し、介護業界を変えられる！」と確信しました。

そして株式による資金調達のため、「エクイティファイナンス実践講座」を受講したのですが、これが非常によかった。起業家の講師の方々からリアルな資金調達方法やプレゼン方法などをうかがいましたが、みなさんが実際に経験してきたことなので、心にすっと入ります。講座の最後にピッチを行い、受講者一人ひとりに「自分の手元に資金があったとして、その事業に投資するか」を明言してくれたのも、ためになりました。投資家が欲しい情報を伝えているか？ マーケットサイズはどうか？ 自分なら出資するか？といった、客観的視点を学べたのです。

「カイスケ」で会社としてのある程度の実績ができたところで、創業助成金も申請。広告宣伝費・人件費・Webサービス関連費用など、幅広く使わせていただきました。

また、様々なビジネスコンテストへも積極的に参加し、多くの賞をいただきました。経済産業省主催の「ジャパンヘルスケアコンテスト」アイデア部門でグランプリを獲得したのですが、その結果を見たプラス株式会社からお問い合わせいただき、資本業務提携が決まりました。おかげでシードラウンドで約1億の資金が調達でき、事業の成長が加速。同社の協力で愛知県へ進出、大阪・福岡・仙台への展開も決定しています。

-これからのビジョンは？-
テクノロジーで介護現場に笑顔を

今後は、「カイスケ」の精度をあげるとともに、介護施設と看護師をマッチングする「ナースケ」もリリース予定です。また、介護施設のシフト・給与管理などを改善するシステムを開発し、「カイスケ」「ナースケ」と連携することで、介護現場の方々が楽になる仕組みを構築したいと考えています。現場が楽になり働く人が笑顔になれば、利用者とその家族も笑顔になりますから。

「頑張っている人が報われる世界」の実現のために、みんながハッピーになるこのシステムを1日でも早く広めたいと思います。

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起業を目指す方へ～応援メッセージ～

人と「話す」ことを大切に！

起業前には自分から動き、できるだけ多くの「顧客」となる方々の話を聞いてください。また、投資家の方とは、早い段階からリレーションづくりを。出資していただいた後も、しっかり現状報告し課題を相談していくことが大切だと思います。