わたしの創業ものがたり
La Pecco 編

La Pecco

岩手食材の魅力を広め
生産者と消費者の交流の場となる
産直デリカテッセンを開店

COMPANY INFORMATION

La Pecco
東京都江東区福住1丁目-2-8 芹澤ビル 1 階

年間200件を渡り歩く「ママ向け出張料理人はっぴぃシェフ」の実店舗としてイートイン併設のデリカテッセンを開業。岩手食材を使い健康志向の料理を提供する。2019年11月設立。
https://www.facebook.com/La-pecco-101457947917342/



代表/坂上 幸子
2002年盛岡調理師専門学校卒業後、株式会社たちばな(洋食店)にて勤務し調理からホール業務まで行い、その後上京。レストランのパティシェとして勤務した後、出張料理人のアシスタントをしながら栄養士の専門学校へ通い、卒業と同時に出張料理人、料理家として独立。2014年より個人事業主として活動を続け、2019年11月に店舗開業。



-起業のきっかけ-
店舗という形で岩手食材を広めたい


La Pecco

何年も使われていなかった古い店舗が生まれ変わり、商店街の活性化にもつながる。


「料理を仕事にしよう!」と思ったのは、高校で進路を決める時。専門学校で料理の基礎を学び、レストランなどに勤務した後、私は出張料理のシェフのアシストをするようになりました。次第に友人から「料理をつくって」と頼まれ徐々に仕事が広がり独立。出張料理専門サイトへの登録で依頼が一気に増加しました。出張料理は「シェフがご自宅に伺う」ことに付加価値があるもので、店舗に出向けない多くの方々に喜んでいただけ、やりがいを感じていました。


その頃は店舗はもたず、仕込みには知人の店を借りていたのですが、大人数のケータリングではストックスペースもなく…。「店舗がないと厳しいな」と、限界を感じるように。また、「岩手県八幡平市で両親がつくっている野菜など、岩手食材の魅力を多くの方に知っていただき、もっとデイリーに食べていただきたい」との思いもあり、店舗として開業することにしました。


-事業化にむけて-
開業前のアドバイスで自信がついた


La Pecco

内装はコンクリートや木を生かしたナチュラルなイメージに。
バースペースでは地ビールも揃う


店舗のテーマは、「岩手食材をメインにした産直デリカテッセン」。提供するのは岩手野菜をふんだんに使ったフレンチベースの健康的な料理となるため、想定される顧客は「働く女性」。そして適した街を探した結果、門前仲町によい物件を見つけました。開店資金は自己資金だけでは足りず、日本政策金融公庫から借入し充当。また、偶然目にしたパンフレットで都内商店街で開業する際、店舗改装や設備の経費を助成してくれる「若手・女性リーダー応援プログラム助成金」を知り申請し、採択されました。そこから東京都中小企業振興公社につながり、プランコンサルティングを受け、「女性起業ゼミ」を受講することに。すでに事業概要は固まっていたのですが、「女性だけのセミナーやセッションも刺激になって面白いかな」「女性から色々な意見を聞いてブラッシュアップできれば」と考えたからです。


ゼミの定員は8名で、年代も業種もバラバラ。お互いに率直な意見の交換ができました。講師の方からは「東京では岩手県の食材の印象が薄い。それをどう売り出すか考えた方がよい」とのアドバイスも。準備不足や、自分ではわからなかった点を開業直前に見直せて、自信がつきました。


2019年に開店した店舗の業態は、ランチ営業のイートインとデリカテッセン。2020年末にはソムリエの夫が加わり、バー営業も開始。しかし、これからという時に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、商店会に声をかけていただいたイベントが中止に…。企業向けに想定していたケータリングや貸切パーティーもできなくなり、リモートワークのために働く人のランチ利用も激減しました。


そこで、デリバリー代行サービスとの契約や、調理済みの料理を真空パックして送るサービスを開始してみることに。ご近所にお住まいの方が利用しやすいよう、夜のテイクアウトも始めました。その結果、東京都に緊急事態宣言が出された後、デリカテッセンを利用してくれお客様が増えたのです。


-これからのビジョンは?-
岩手県の魅力を発信する拠点となる


La Pecco

スイーツや岩手県の調味料も並ぶ。
店の一番人気は岩手の濃厚な牛乳と卵を使ったキッシュ。


今後はより地域コミュニティとの連携を深め、イベントなどに積極的に参加して、地域に認知されるように努めていきます。2020年11月に店舗を一部改装し、野菜や調味料なども販売しているのですが、さらに品数を増やして岩手県のアンテナショップ的なこともできればと思います。八幡平市商工会の方とも、「生産者さんが当店へ来て蕎麦打ちする、といったイベントもできたらいいね」などと話しています。


また、岩手県在住の方々と観光客の両方に地元食材の魅力を伝えられる店を、盛岡あたりに出店できれば…。そして、八幡平での農業体験や山歩き体験などのルートをつくり、岩手県そのものの魅力を発信する拠点になれれば…。今後の夢は広がります。


ひとこと
La Pecco

実店舗ができたことでお客様の信頼度が増し、出張料理も新規のお客様の問い合わせが増えました!



起業を目指す方へ~応援メッセージ~

そこで何をしたいのか、熱意を伝えて!

若手・女性リーダー応援プログラム助成金の申請には「開業地の商店会から加入の了承を得ること」が必要となります。了承をいただくには、「なぜ、その場所で開業したいのか」「そこで自分は何をしたいのか」という熱意が重要だと思います。気後れせずに、気持ちを伝えてください。

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