わたしの創業ものがたり 
株式会社 ボグクラフト 編

ボグクラフト

COMPANY INFORMATION

株式会社 ボグクラフト
東京都台東区下谷2-22-1 1F

精巧なペーパークラフトの商品開発・製造・販売。2018年4月設立。
https://www.bogcraft.com



代表取締役 田沼 恵司
群馬県の美容室に5年半在籍後、専門学校でデザインを学び玩具メーカーへ就職。テーマパークやカプセルトイの商品企画・開発を経験して2015年に起業。2018年には法人化。




-きっかけ-
美容師の世界では修行後の独立がスタンダード


地元の群馬県で5年半にわたり美容室に勤務していました。美容師は、所属する店舗で経験を積むとほとんどの人が独立して自分のお店を持ちます。私にも「いつかは自分の美容室を持ちたい」という夢がありました。色々な経緯から大手玩具メーカーに再就職して商品企画・開発部門で8年程度経験を積み、そのキャリアを活かし個人事業として起業しました。起業というより修行後の独立みたいな感覚でした。


メーカーでの勤務時にマーケティングやデザインなどの基礎を学ぶことができましたが、何より、市場価格から割り出す原価の算出、工場との折衝、それに合わせたデザインや製作コストの厳しい制約など、より大きな視点から現実的な部分を見られたことがすごく大きいと思います。新商品の開発に手間とコストがかかることは経験していますので、「安定して長期にわたり販売できるものがよい商品」と考え、商品開発を行っています。



-準備-
助成金の申請書が将来の指針に


台東区産業振興課へ相談に行った際、TOKYO創業ステーションの創業助成金のことを教えていただき申請しました。申請書を作成するのは大変な作業でしたが、自分の頭の中だけに描いていたビジネスプランを書き出し、さらに話すことで整理でき、完成した事業計画書がいまも将来への指針になっています。


助成金は賃借料や広告費用に充てました。展示会への出展や制作したカタログは新たな業界のバイヤーと出会うきっかけとなり、販路を広げることができました。今後は海外展開について必要なことを教えていただこうと考えています。



-展望-
ブランディングを再構築して海外市場に


『ボグクラフト』では、3次元CADを使って設計を行い、レーザー加工機により精巧なペーパークラフト商品に仕上げています。ブランド名は見た目の印象から『KAKUKAKU(カクカク)』と名付けました。


当初、主要顧客と考えたのは、東急ハンズやロフトなどの雑貨量販店で、いまも大事な販売先となっていますが、現在それを上回っているのは家具や生活まわりの備品を扱うインテリア・ライフスタイルショップです。これは想定外でした。この商品には、「玩具として作って楽しむ」というニーズの他に、「インテリアとして飾って楽しむ」というニーズもあったのです。つまり、1つだけではなく2つの付加価値を持っていたわけです。


しかも、お店へのヒアリングによると半数以上は外国人の旅行者が購入していることが分かりました。これも想定外でした。彼らにとって、ペーパークラフトの『KAKUKAKU』は日本の文化である「折り紙」の延長なのです。いまや外国人旅行者を対象とする空港での販売は重要なポジションとなっており、事業の新しい可能性となっています。


商品を販売してみて再認識したことがありました。わかりやすく直ぐに反応が出る商品は大手が扱えばいいわけで、やはりベンチャー企業は市場を創りライバルがいない状況を作らなければ生き残れないということでした。そんなこともあり、現在も販売先への積極的なヒアリングを行い、ブランディングと方向性の検討を行っています。すでに、海外展開も動き出しているので、しばらくはまた新しいことへの挑戦です。



株式会社 ボグクラフト

『KAKUKAKU』は40種以上の商品展開を行っている。壁掛けタイプと置物タイプがある。


株式会社 ボグクラフト

従来の販売ルートに加え、インバウンドやイベントディスプレイなどの需要も高まっている。

ひとこと
株式会社 ボグクラフト

より多くの国の方に愛される商品を作ることが目標です。


創業を目指す方へ~応援メッセージ~

まずは目標を決めることです

「3年後はこんな仕事をしていたい」。起業にあたっての、私の事業計画はそのような目標設定からスタートしました。そして、1年後は、半年後は、1カ月後は何をすれば良いのか。到達点から逆算しながら準備のスケジュールを立てていくのです。自分のアイディアを信じ、まずは目標を決めることから始めてください。

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