わたしの創業ものがたり
株式会社 LOAD&ROAD 編
COMPANY INFORMATION
株式会社 LOAD&ROAD
東京都千代田区神田練塀町3番地 富士ソフト秋葉原ビル12F
IoTティーポット「teplo」を開発。大手飲料メーカーなどから出資を受け、2020年春に販売開始予定。2018年2月設立。
https://teplotea.com
代表取締役/河野辺 和典
千葉大学工学部・電子機械工学科を卒業後、機械エンジニアとして就職。3年後、MBA修得のためにアントレプレナーシップ(起業家精神)の分野で高い評価を得ているBabson College(大学院)へ留学。2015年10月に現地で会社を設立後、2018年2月、米国法人を子会社とする日本法人を設立。
-きっかけ-
美味しいお茶の淹れかたをデータ解析
MBA修得のために留学していた大学は米国ボストンに在りました。厳しい冬を乗り切るために、温かいお茶を飲み始めたことがきっかけとなりお茶の奥深さや面白さを知ったわけです。同時に、抽出温度や時間、茶葉や水の量など美味しくお茶を淹れるための加減には勘や経験が必要なことに気が付きました。しかしながらこれらはすべて数値で制御できるものであり、機械エンジニアの技術を活かして自動で抽出するティーポットが作れるのではと思ったのが創業のきっかけです。
インド出身のクラスメイトがソフトウェアを、ハードウェアは私が担当し、試作機の製作とユーザーインタビューを繰り返しました。製品コンセプトがまとまった時点で、ボストンで会社を設立した後、2017年に帰国して日本法人を親会社として、米国法人を子会社としました。実は、そこから創業の厳しさを体験することになったのですが…。
-準備-
様々なサポートを受け準備中
ハードウェアの開発や製造には初期投資が必要で、資金力やノウハウが少ないベンチャー企業では難しい分野と言われています。実際、ひとつの製品のアイディアを具現化して市場に出すまでに必要なプロセスや資源は想像以上でした。
2017年に帰国した当初は、資金も人脈もほとんどゼロで、日本でのスタートアップ情報も知らない状況でした。そんな時、当時オープンしたばかりのTOKYO創業ステーションを知り、イベント参加や先輩起業家を通じ人脈を作り、プランコンサルティングを活用して事業計画をブラッシュアップしました。その他、東京都中小企業振興公社の事業可能性評価事業や東京都知的財産総合センターも利用させていただいています。現在、大手メーカー、投資家、事業会社から出資を受けながら事業を成長させ、一般販売に向けて準備しています。今後も、様々なサービスを利用させていただきたいと思っています。
-思考-
ベンチャー企業にしかできないことが必ずある
アメリカと言えばコーヒーのイメージですが、健康志向が高まる中でお茶の市場が盛り上がり始め、美味しい飲み方や文化への関心が高まっています。弊社が開発製作したIoTティーポット「teplo」は、ティーポット本体に6つのセンサーを内蔵し、お茶を飲む人の気分や体調、周囲環境を解析して抽出条件を自動で調整する機能があります。昨今、自動抽出機も増えてきているのですが、利便性や機能性を追求するあまり、”コミュニケーション” や“体験“というお茶の本質を置き去りにする製品がほとんどです。茶道家は、飲み手を観察し心理状態や体調などを推察、また周囲環境も考慮して抽出条件を微調整します。
私たちは、試作機を使ったユーザーインタビュー(飲んだ後の評価)から、世代や心拍数、周囲環境等の相関性をビッグデータ化して、抽出条件を数値化しました。機能性や利便性だけを追求するのではなくお茶の本質や文化、背景にあるストーリーまでも伝えられる機械とサービスを提供していきたいです。
100社の投資会社などに話をして95社が「いいね」という事業は大手がやればいいというのが私のスタンスです。100社のうち1社だけが「いい!」と言ってくれるプラン、そこがベンチャー企業の領域。だから、99社に投資や融資を断られてもまったく気にしません。
「teplo」は、いよいよ今年の春に小売店やECサイトで一般販売を始めます。多くの人に支えられながら開発してきた製品を、できるだけ多くの人に届けていきます。
「teplo」はティーポット本体に6つのセンサーを内蔵、ユーザーの気分や体調、周囲環境を解析して抽出条件を調整。
目指したのは茶道家が淹れる本格的なお茶。
未知のものに挑戦したり困難なチャレンジを解決するのが好きなのです。だからいま、毎日が楽しい!
創業を目指す方へ~応援メッセージ~
資金調達に必要なのは粘り!
資金調達は起業で一番悩ましい問題です。私はアイディアをできるだけ早く多くの人に、具体的に話しました。支援を受けることに成功したのは名刺交換した数の1%以下です。まずは諦めずに話し続けることだと思います。
株式会社 LOAD&ROADの利用サービス
・プランコンサルティング