創業助成事業 利用者インタビュー
株式会社recri 栗林嶺さま

株式会社recri
企業イメージ
エンタメ業界の課題「空席」を解消し、新たなファンを創出。
チケットのサブスクサービス「recri」で
次なる名作を生む循環を創り、人生を面白くできる社会へ。

COMPANY INFORMATION

株式会社recri

東京都港区元麻布三丁目10番4号Re-Flat503
2020年創業。ユーザーの好みや予定に合わせて、舞台・音楽などのチケットが毎月届くサブスクリプションサービス「recri」の運営を行う。大手興行主(テレビ局・新聞社・劇場・劇団など)の90%以上と提携し、累計ユーザー数は1万名を超える(2025年11月現在)。「心を動かすエンタメとの出会いで、人生を面白く」をビジョンに、エンタメ業界のDXと市場拡大を推進している。

代表取締役 栗林 嶺(くりばやし りょう)

早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社電通に入社。クリエイターとして幅広いコミュニケーション設計を手掛けたのち、首相官邸に出向し、政府の表現制作も務めた。自身の原体験であるエンタメ業界の課題を解決するため、大学時代の同級生と共にrecriを設立。

起業のきっかけ
―エンタメ業界の力になりたい。ビジョンを共有する仲間と「空席」に挑む―
インタビュー風景

創業のきっかけは、前職でクリエイターとして役者やアーティスト、興行主の方々と深く関わる中で、業界が抱える深刻な「課題」を肌で感じたことでした。興行主側は、素晴らしい作品を作っても集客に苦戦し、多くの空席に悩んでいる。一方で鑑賞者側には、「何を見ればいいか分からない」「チケットの発券が手間」「チケット代が高額でハードルが高い」といった理由で、エンタメを楽しむ一歩を踏み出せない傾向があります。 現在、日本のエンターテインメント市場は約1兆円規模とされていますが、そのほかに約3,000億円分の空席が存在すると言われています。新たな顧客との出会いを求める興行主と、これから芸術鑑賞をしたい鑑賞初心者を繋ぐことでその空席を埋めたいという思いが募り、エンタメへの情熱を持ちつつ、異なるスキルを備えた大学時代の同級生2人を巻き込んで創業を決意しました。ちょうどコロナ禍という変革期だったこともあり、今こそ、デジタル化に立ち遅れてしまったエンタメ産業をアップデートし、盛り上げていくチャンスだと考えました。

創業助成事業の活用方法
―SNS広告を利用した仮説検証がユーザー獲得の一助に
インタビュー風景

創業助成事業は、士業の先輩や先輩起業家から勧められたことがきっかけです。申請にあたっては「プランコンサルティング」を利用し、専門家の方に伴走していただきながら事業計画をブラッシュアップしていきました。 採択後は、主にオフィスの賃借料と、SNS広告の費用について助成を受けました。創業間もない時期、「recri」のメインユーザーはエンタメ好きな人や近い業界の人であると想像していたのですが、現ユーザー様の多くは「新たな趣味や習い事を見つけたい」と感じている30代後半から50代の女性です。どんな方々に自分たちのサービスが刺さるのか仮説検証を繰り返すための「広告費」として助成を受けられたことは、初期ユーザーの獲得において決定的な役割を果たしました。 また、創業助成事業への申請経験は、ベンチャーキャピタルからの出資や銀行の融資をいただくための大きな土台にもなったと感じています。

事業化に向けて
―独自解説の「レター」が初心者と作品をつなぐ―
インタビュー風景

現在展開している「recri」は、ユーザー様の好みに合わせて舞台やコンサート等のチケットを毎月提案し、お届けするサブスクリプションサービスです。クローズドなプラットフォームにすることで、作品の評判を損なうことなく、お得な価格での提供を可能にしています。また、初心者向けに作品の見どころを解説する「レター」を添え、鑑賞の心理的なハードルを下げている点も評価されています。 「recri」が成長することで空席が減る、つまり興行主の集客、売上に貢献して持続的なビジネスを行うサポートになりますし、鑑賞者様には満足度の高い作品との出会いを提供し、豊かで楽しい人生のお手伝いができると考えています。

これからのビジョンは?
―データに基づいた作品制作で、業界全体をアップデートしたい―
インタビュー風景

今後は、20代〜30代の若い世代にもっと気軽に芸術を楽しんでもらえるよう、UIの改善やさらに手に取りやすい価格帯のプラン設計に注力し、ターゲット層を全国に広げていきたいと考えています。創業当初から感じている課題である、チケットの電子化にも取り組んでいきます。 さらにその先に見据えているのは、サービスの運営を通じて蓄積された膨大な鑑賞データを活用した「新しいエンタメ制作」です。どのようなユーザー様が、どの作品に、どう感動したか。このデータを制作現場にフィードバックし、出資や提携を通じて、最初から「顧客に喜ばれる」ことが約束された作品をプロデュースしていきたいという想いがあります。また、日本のエンタメ事業を支える新たなプラットフォーマーとして、日常に芸術が溶け込む社会を目指しています。

創業を目指す方へ~応援メッセージ~

現在の日本、特に東京には、創業助成事業をはじめとするサポート体制が驚くほど整っています。創業期という観点でなかなか潤沢に費用がある・予算があるという方は少ないと思うので、その中でありがたい費用をいただけるのが第1のメリットだと思います。そして、いろいろな方と関わることで事業がブラッシュアップされていく良い機会となりますので、ぜひ創業助成事業に応募いただければと思います。 また、「失敗したらどうしよう」と不安になることもあるかもしれませんが、創業者が直面する課題の多くは、すでに先輩起業家たちが経験済みのものです。創業助成事業のような支援制度や先人の知恵を積極的に活用し、怖がらずに挑戦を楽しんでください。その先には、誰かの人生を豊かにして「ありがとう」と言っていただいたり、仲間とともに挑戦し、その成果をともに喜べたりといった素晴らしい景色が待っています。