わたしの創業ものがたり
ゆうらホールディングス 株式会社 編

素晴らしい「日本の匠技」を
途絶えさせることなく
世界中に広めていきたい

COMPANY INFORMATION

ゆうらホールディングス 株式会社
東京都千代田区神田錦町3丁目21

ライフスタイルの変化に合わせて伝統的工芸品の陶磁器を変化させ、素晴らしい職人の匠技を多くの方に楽しんでいただく「匠ワンストップ」事業を国内外に展開。2016年7月設立。
https://you-la.co.jp/

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代表取締役／佐々木 歩美
2012年陶磁器製造会社に入社し、営業、マーケティングなどを経験。2015年同社取締役に就任。2016年6月同社を退社し、7月「あなたとLifestyleに Artを」という願いを込めて「ゆうらホールディングス株式会社」を起業。2018年には東京・大手町にショールームを開設。

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-起業のきっかけ-
匠技をもっと多くの人に知ってほしい

陶器の製造会社に勤めていた時、仕事で職人さんの工房を訪ねる機会がありました。初めて見る伝統の匠技は、なんと素晴らしかったことか。しかし、職人さんの中には「自分の代で終わり」という方も…。せっかくの貴重な匠技も、一度途絶えてしまえば復活させることは至難の業。そこで「絶やしてはいけない、もっと多くの人に知ってほしい！」という思いを抱きました。

また、お客様から形やサイズのご要望をいただいても、応えることができず「お客様が欲しいものと職人さんのつくっているものが離れているのかもしれない」と感じることもありました。そこで産地とお客様を直接結ぶ「匠ワンストップ」という事業での起業を決めたのです。

-事業化にむけて-
公的な支援事業を幅広く活用する

退職後１ヶ月で会社を立ち上げましたが、まだ何の実績もないうちは職人さんに取引の話をしても受け入れてもらえず…。産地に毎月出かけて交流を重ね、ようやくよいお返事をいただいていました。と言っても、産地に行くことは楽しくもあり、苦に思ったことはありません。

一方、悩んだのは経験のない「経営」についてです。どうしよう？とネット検索して知ったのが、東京都中小企業振興公社。秋葉原の本社に足を運び、様々な分野の専門家にわからないことを相談することができました。この時お世話になった方に丸の内のＴＯＫＹＯ創業ステーションを紹介していただき、ＴＯＫＹＯ起業塾に参加してビジネスモデル図を作成したり、プランコンサルティングで事業内容を第三者にもわかりやすく見直したり。また、「このプランなら事業可能性評価も受けたら？」と勧めていただき、「可能性あり」と判定を受けました。担当マネージャーさんがずっと同じ方で、当社の状況を把握していただいているため、何かあればいつでも何でも相談でき、心強く感じています。

資金調達も全くの手探り状態だったため、融資相談も利用しました。ハードルが高いと思っていた東京信用保証協会さんに直接相談し、親身になっていただけ、そこから直接おつきあいできるようになったのは、非常にありがたいことでした。創業助成金も採択され、法人需要強化のために開設したショールームの運営費の一部に充当。おかげで、これまで伝統的工芸品に興味がなかった方や訪日外国人の方にも、実際に手にとり一目惚れして購入していただける機会が増えました。

セミナー参加も勉強になりました。先輩経営者に聞いた話は、すぐには活用できなくても、後で自分が同じ場面に遭遇した際に「あの時聞いたことか！」とわかり、苦労回避や、事業計画作成の参考になります。ピッチ会への参加も、他者に聞いてもらって初めてわかることもありプラスになりました。

私の場合はその他にも、東京都女性ベンチャー成長促進支援事業APT Womenで資金調達やマーケティングの方法を先輩に学んだり、公益財団法人まちみらい千代田の千代田ビジネス大賞にもエントリーしたり、様々な公的支援を活用しました。

-これからのビジョンは？-
海外進出を目指し、今できることを

2020年は新型コロナウイルス感染症のため、イベントや美術館・博物館での展示は中止、インバウンドもストップしてしまいました。しかし、ポジティブに「今しかできないこと」を考え、在宅に適した機能性と新しい表現を備えた作品を紹介し、また日・仏・英・中国語対応のECサイトの構築などにも取り組んでいます。

2021年にはJETROの協力で、フランスで開催される「メゾン・エ・オブジェ・パリ」への出展も決定。これを機に海外販路を開拓し、2〜3年後にはヨーロッパに拠点をつくることを目指します。そして、日本のよいものを世界中の人々に紹介していきたいと思います。

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起業を目指す方へ～応援メッセージ～

相性のよい担当者を見つけて！

金融機関とのおつきあいでは、相性のよい担当者さんを見つけることが鍵。担当者さんには商品知識はありませんので、実際に商品を使ってもらい、根気よく・相手にわかりやすく説明することを心がけました。