【中小企業診断士監修】事業計画書とは?
事業計画書の書き方や項目の構成例とチェックポイント
起業を考えている人にとって、はじめて立ちはだかる壁が「事業計画書」ではないでしょうか。
事業計画書は、その良しあしで、スムーズなスタートダッシュが切れるかどうかが決まってくると言っても過言ではないほど、新しいビジネスを立ち上げる際に重要なものです。
この記事では、中小企業診断士の大藤充彦氏の監修のもと、そもそも事業計画書とは何で、どんな目的があるのか?という基本知識から、計画書の作成にとりかかる前に準備するべきこと、書くべき内容、そしてより伝わりやすい事業計画書を書くためのコツまで、初心者でもわかりやすく解説していきます。
専門家に相談しながら事業計画書を作成したい方は
東京都が設立したTOKYO創業ステーションでは、創業支援に熟練したプランコンサルタントによる事業計画書の作成サポートサービスを提供し、年間のべ5,000人以上の方にご利用いただいています。記事を読んでも書き方がわからない方や、相談しながらすぐに作成したいという方は、ぜひこちらをご活用ください。
目次
- 事業計画書とは?
- 事業計画書の重要性
- 事業計画書の作成手順
- 事業計画書の8つの主要項目
- 事業計画書の作成時の注意点
- 事業計画書に記載する項目の構成例と書き方
- 事業の概要説明
- 事業の内容について
- 事業の数値計画について
- 事業計画書をブラッシュアップするためのチェックポイント
- 実現可能なプランになっているか
- 顧客・ターゲット層は適切か
- 人員計画通りにスタッフを確保できそうか
- 流通・販売方法が現実的か
- 特許や商標などの権利(模倣対策と侵害していないかの両面について)
- 融資や投資の審査に向けた記載方法になっているか
- 専門家による事業計画書の無料作成サポート
- TOKYO創業ステーションのプランコンサルティング
- ビジネスプラン作成の支援
事業計画書とは?
事業計画書とは、創業者の思い描く夢を実現させるために、今後、どういった行動をするのか、どのくらいの利益が見込めるのかといった数字を具体的にわかりやすく落とし込んだものです。
英語では、「Business Plan(ビジネスプラン)」といいます。
様式に決まりはありませんが、TOKYO創業ステーションではテンプレートをご用意しています。以下からダウンロードできますので、参考にしてください。
では、起業をする際に、なぜ事業計画書を作成するべきなのでしょうか。
事業計画書の重要性
事業計画書を作成する重要性として、大きく以下の2つが挙げられます。
- 思い描いている構想を整理し、目標や事業内容を具体化するため
- 開業資金の融資や投資を受ける際に、事業の概要や魅力を伝えるため
それぞれ、具体的に説明していきます。
思い描いている構想を整理し、目標や事業内容を具体化するため
事業計画書として、自分のアイデアやイメージを改めて書き出し可視化することで、思考が整理され、客観的な視点で検討できるようになります。
自分が考えていた理想が、実現可能なのかどうか冷静な判断が下せるようになるので、思いもよらなかった問題点に気が付いたり、新しいアイデアが生まれることもあります。
また、企業の方向性を他者と共有する場合にも、可視化された事業計画書があれば、どんな方向に進むべきかに悩むことなく、突き進むことができます。
さらに、創業後に方向性に悩んだときには、事業の現状と比べて改善点を検討するのにも役立ちます。
事業を動かしていく上で、創業者にとって、まさに羅針盤のような道しるべとなるものなので、しっかりと作り込みましょう。
開業資金の融資や投資を受ける際に、事業の概要や魅力を伝えるため
融資や投資を受ける際には、どんな事業を行い何を達成するのか、利益はいつからどのくらい見込めるのか、ということをアピールしなくてはなりません。
それには、もちろん口頭で説明するには不十分で、きちんとした数値計画や、その裏付けを合わせた事業計画書として提出する必要があります。
特に、資金提供者へアピールするべきポイントは以下の3つです。
- どんな事業を、何のために、誰のために行うのか
- この事業によって世の中のどんな課題が解決できるのか
- どのくらいの利益が見込めて返済能力はあるのか
端的にまとめられた事業計画書であれば、短時間で相手にアピールでき、説得力が増します。
「事業計画書のでき次第で、融資や出資が受けられるかどうか決まる」といっても過言ではないので、漏れなく魅力をアピールできる事業計画書を作成する必要があります。
事業計画書の作成手順
それでは、具体的に事業計画書を作成する手順を解説します。
まずは、作成の前に準備しておきたい情報を整理しましょう。
事業計画書の8つの主要項目
事業計画書を作成するにあたり、主要項目と呼ばれる以下の8つの項目があります。事前に情報をまとめておき、計画書を記載するときに役立てましょう。
- 事業プラン名(テーマや名称)
- 事業内容
- 市場環境
- 競合優位性
- 販売戦略
- 経営プラン
- リスクと解決策
- 資金計画
1.事業プラン名
プラン名とありますが、事業のテーマや名称のことです。まさに事業計画書の顔となる部分なので、何を行うのか、何を目標にしているのかを端的にわかりやすく伝えることを意識しましょう。ニュースの見出しのように簡潔に1行以内、できれば20文字程度におさえて、一目で相手に伝わるようにしたいところです。また、覚えにくい名前や言葉使いはできる限り避けましょう。
2.事業内容
どんなターゲット・市場に向けて、どんな商品・サービスを提供するのかを簡潔にまとめます。
- 誰に
- 何を
- どう提供するのか
を明確に書き出しましょう。
たとえば、
- 誰に・・・20~30代の韓国に関心が高い女性に
- 何を・・・韓国の最新ヘアスタイルを提供できる美容室を
- どのように・・・新大久保に、韓国らしいインテリアを多用した内装で出店する
と書き出だすだけでも、何を目的に、どんなことをやろうとしているのかがイメージできます。
事業によっては、言葉だけで伝えるのが難しい場合があります。その場合は、サービスの流れなどを図に落としこむとわかりやすくなります。
3.市場環境
展開しようとしている事業の市場規模や、成長性をあらわす具体的な根拠としてデータを用意します。
市場規模とは、その市場でどのくらいの商取引が行われるのかを算出した見込み総額のことです。経済紙やインターネットで検索しても知ることができます。
成長性を表すためには、過去のデータの推移と、それに付随する外部環境について把握しましょう。
市場規模があまりに小さいと、資金提供者から利益が見込めないと判断されかねないので、しっかりと見極めるためにも、データによる裏付けはマストです。
4.競合優位性
競合にはマネできない、自社ならではの魅力を説明できるようにしましょう。
そのためにはまず、競合他社を3社程度設定し、それぞれの強みと弱みを分析します。
- 何をいくらで販売しているか(商品と価格)
- どんな経路で販売しているか(流通経路)
- どのようなブランディングやPRを行っているのか(プロモーション)
といった3つの視点で書き出してみましょう。
このように競合を分析することで、自社の独自性がより明確になります。
逆に、弱みについても見えてくるはずです。それをどう補うのかについての解決方法も検討しましょう。
また、同じ業種だけではなく、同じターゲットの異業種競合にも目を向けると、優位性や差別化できるポイントが洗い出しやすくなります。
5.販売戦略
自社商品やサービス、事業を、世の中にどのようにして知ってもらうのかというプロモーションと、どういう販売経路を使うのかといった販売戦略・戦術をまとめます。
顧客に商品・サービスが届くまでの過程や利益を生み出す仕組みを図解してフローチャートにするとわかりやすくなります。チャートは、競合他社と比べた自社の優位性を示すのにも有効です。
6.経営プラン
事業を継続的に進めていくための経営プランについて、以下の5つの軸で書き出して、整理しておきましょう。
- 売上計画
- 仕入れ計画
- 開発/生産計画
- 人員/組織計画
- 設備投資計画
7.リスクと解決策
事業を行う上では、必ずと言っていいほど、大小さまざまなリスクが発生します。社会情勢や天候、災害などコントロールができないことも考えられるはずです。事業計画書では、あなたがこれからスタートさせる事業で起こりうるリスクをできる限り洗い出し、どう対処するのかを書き出します。
事業計画書にリスクを書きだすのはマイナス点をさらすような気になりますが、これを行うことで危機管理能力をアピールすることにつながります。
8.資金計画
事業を開始するにあたって、どのくらいのお金がかかるのかをまとめます。何にいくらかかるのかといった具体的な内容を記載するのがポイントです。
また、このとき「設備資金」と「運転資金」の2つに分けて書きましょう。
設備資金とは、スタート時に必要な設備を揃えるためのお金です。例えば、機械設備やお店の内装、什器備品など、一度購入したらしばらく使いつづけるものを指します。
運転資金とは、事業を続けていくために必要なお金のことです。例えば人件費や家賃などがこれに当たります。
事業計画書の作成時の注意点
事業計画を作成しながら常に意識しておきたい注意点は3つです。
- 内容はできるだけ具体的に書かれているか
- 計画内容の根拠は一貫性や整合性があるか
- 誰が見ても理解できるよう説明できているか
常にこの3点を頭に入れ、自問自答しながら書いていくと、誰が見ても納得できる事業計画書が作成できます。
■事業計画書に記載する項目の構成例と書き方
ここからは、実際に記載する項目の構成例を挙げながら、具体的にどのような内容を書いていけばいいのかを解説します。
事業計画書のひな型は、以下からダウンロードできます。
\無料/
1.事業の概要説明
どんなターゲットに向けて、何を提供する企業なのかをシンプルに説明します。後半の項目で詳しく説明する欄があるため、ここでは数行に収めてわかりやすく記載しましょう。
上手にまとめるコツは、はじめにざっくりと書いて、最後にもう一度全体の一貫性の観点から見直しをして、書きなおすことです。事業計画書を作成したあとに全体を俯瞰的にまとめると、漏れがありません。
書き方に迷ったら、企業のホームページにある「事業概要」を参考にするのもおすすめです。
会社概要・創業者の経歴
経営者・代表・組織のプロフィールと、会社の所在地・電話番号・問い合わせ先のメールアドレス・ホームページのURLなどを記載します。
創業者の経歴では、起業する分野にどれだけ精通している人物なのかがアピールできるものになっているとベターです。また、経営メンバーの情報なども記載できるとなおよいです。
創業の動機・ビジョン
あなたがなぜ起業しようと思ったのか、新規参入していくあなたの企業が、これからの社会にどう貢献していけるのか、今後どういった未来を実現したいのかを記載します。
ただし、自己満足なカッコいい言葉や難解な専門用語は不要です。思いがこもると長文になりがちですが、なるべく簡潔な文章を心がけてください。“誰が読んでも伝わること”が一番大切です。
2.事業の内容について
このパートでは、先ほどの「事業概要」で簡潔に述べたことについて、深堀りして詳しく説明していきます。
事業内容やサービスの概要
提供する事業内容やサービスが、どのターゲットの、どのようなニーズに答え、どう役に立てるのか、どのような商品(サービス)を取りそろえているかについて書いてきます。
また、顧客に提供するサービスのうち、「目に見える価値」だけではなく、「目に見えない価値」、「それに付随するサービス」などがあればそちらも記載します。
現状分析(サービスの強み・特長・ターゲットとする市場環境・競合優位性)
ターゲット市場や競合企業を分析した結果見えてくる、自社商品・サービスの強みや弱み、特長を詳しく紹介します。
特に、自社にしかない技術やノウハウ、資格、組織力、企業風土、法的権利など、競合他社と比較して自社が顧客に選ばれる理由について、わかりやすく明記しましょう。
このときに意識しておきたいのは、
- 顧客にとってどんな価値を提供できるか
- 顧客にどんな負担があるのか
- どんな点に利便性があるのか
- どんなコミュニケーションがうまれるのか
です。
競合を分析することで、自社の弱みが見えてきたなら、その点をどう解決するのかも記載すると、企業としての信頼度が高まります。
販売・マーケティング戦略(生産方法、仕入、販売計画)
自社の商品やサービスを、どのように生産・仕入をして、どの流通経路・販売チャネルで、どう世の中に知らせ、顧客に届けるか、といった生産・販売・マーケティングに関する戦略について説明します。
いくら商品やサービスが魅力的でも、生産や仕入が滞ったり、世の中の人がその商品やサービスを知る機会がなければ利益は生まれません。
どこで生産(または仕入)が持続的に可能なのか、またどこで販売し、どんなプロモーションを行うのかなど、その裏付けとなる取引先や協力者も明記しましょう。
ビジネスモデル
ビジネスモデルとは、どのような顧客のどういったニーズを何で満たして、どのように利益を得るのか、企業として継続した成長をするための仕組みのことです。
主なビジネスモデルは大きく6種あります。
- 物販モデル:商品を製造して販売する。
- 小売モデル:商品を仕入れて販売する。
- 広告モデル:テレビなどのメディアのように無料でサービスを提供し広告宣伝によって収益をあげる。
- 従量課金モデル:使用した量に従って料金が発生する。
- サブスクリプションモデル:月額等の低額でサービスやコンテンツを提供するモデル。
- フリーミアムモデル:フリー+プレミアムの造語。無料と有料サービスを組み合わせたモデル。
どのビジネスモデルに当てはまるかを端的に記載しつつ、ターゲットとニーズ、提供する商品やサービスの価値、どのような利益構造になるかを明記します。
実施体制・人員計画・店舗計画
事業を進める際に必要な体制や人員計画を記載します。
わかりやすいのは、社内組織図です。意思決定の流れと役割(役職)を明記したものを作成すれば、一目で理解できます。難しい専門用語は使用せず、誰が見てもその業務内容がイメージできるようにしましょう。
事業が大きくなれば、その分人手が必要になりますので、採用にかかる費用や、人件費なども予測して記載します。
また、店舗を出店する場合は、出店までのスケジュールとあわせて、かかわる人員の採用計画の流れも記載しましょう。
3.事業の数値計画について
ここからは、お金周りについてまとめていきます。まずどれだけの資金を調達する予定なのか、売上や利益はどうあげていくのか、また事業を進めていく上で考えられるリスクを記載しましょう。
投資・資金調達計画
投資計画とは、その事業を動かしていく上でどれだけのお金がかかるかを計算したもののことです。
例えば、飲食店を出店するのであれば、物件費・工事費などの開業諸経費に加え、運転資金(家賃や人件費など)などを計画化します。
ポイントとしては、投資計画(予算)は、なるべく多めに見積もるようにすることです。投資予算は想定よりもオーバーしてしまう場合も多く、そうなると思うように資金が回らないということになりかねません。
また、自己資金ではまかなえない開業資金を補うためには、金融機関やベンチャーキャピタルからの調達が不可欠です。
どのようにいくら調達したいのかの計画を立てるには、実際に見積もりをとるなど、根拠のある数字を記載しましょう。
損益計画(売上・利益)
想定される売上高を算出し、そこからかかるすべての費用をひくことで利益を算出します。
売上高の計算に必要な顧客数などは、市場分析の結果や、競合他社の業績が参考になるはずです。
売上・利益のどちらも厳しい目線を持ち、取らぬ狸の皮算用にならないようにしましょう。
事業リスク
ここでいう事業リスクとは、あなたが起業しようとしている事業を進めるうえで起こりうるリスク・想定できる不確実性のことを指します。
例えば、飲食店であれば、
- 原料の高騰による利益低下
- 食中毒によるブランドイメージ低下
- 顧客情報流出
- 自然災害によるリスク
- 訴訟リスク
- 従業員の労働災害
など、その他さまざまなリスクが挙げられます。
あらゆる視点から考えられるリスクを洗い出して、損失をいかに回避または抑えられるかといった対策方法を記載します。
その際、リスクの重要度を「大」「中」「小」とレベル分けしておくと、のちのち見返したときにも役に立ちます。
■事業計画書をブラッシュアップするためのチェックポイント
事業計画書の記入が終了したら、さらにブラッシュアップするために、以下のチェック項目にも目を通しましょう。
1.実現可能なプランになっているか
そもそもビジネスプランが、資金面・人員面・販売チャネル・プロモーションなど、実現可能なものになっているかをチェックしましょう。理想ばかりを追い求めたビジネスプランでは、事業計画書が現実性を帯びてきません。
2.顧客・ターゲット層は適切か
顧客やターゲット層を絞り込んだものの、その市場規模が小さければ売上・利益の見込みは当然ながら低くなります。
市場分析がしっかりとできているのか、漏れはないのか、振り返ってみるのにおすすめなのは、経験豊富な人に目を通してもらうことです。
それが難しければ、無料で専門家のアドバイスを受けることができるサービスもありますので、活用してみましょう。
3.人員計画通りにスタッフを確保できそうか
ビジネスモデルが完璧でも、それを実際に動かす人がいなければ元も子もありません。人員の採用計画やその分の資金がしっかりと確保できているのか改めて確認しましょう。人員調達は、思っているよりも時間がかかる事が多く、また人員の質は事業の成否を大きく左右します。ですので、しっかりした採用活動が出来る様に時間的な余裕も確保しておけるとベターです。
4.流通・販売方法が現実的か
想定している流通経路や、販売方法が現実的なものかどうかも確認します。すでに販路の確保ができているのであれば問題ありませんが、そうでない場合は確保できるという裏付け・見込みが必要です。
5.特許や商標などの権利(模倣対策と侵害していないかの両面について)
商品や企業の名前に使用したいと思っていたものが、すでに別の企業が使用しているものであったり、特許や商標に登録済みのものであれば、権利侵害につながってしまいます。
また、図らずも競合の商品に似た名前になっていることもありますので、確認には確認を重ねましょう。
起業後に名前を変えなければならない事態は避けたいものです。企業としての信用問題に発展しかねません。
商標は、ネットなどでも簡単に調べられるので、是非試してみてください。
6.融資や投資の審査に向けた記載方法になっているか
資金提供を受けるためには、利益がどのくらい見込めるのか、また返済が必要な融資を受ける場合には、きちんと返済能力があるのかどうかを提示できなければなりません。
また、金融機関の融資審査と、ベンチャーキャピタルの投資審査では、記載しておきたいポイントが異なりますので、事業計画もそれに合わせてアレンジしましょう。
金融機関の融資審査に向けて記載しておきたいポイント
金融機関の融資審査の場合は、貸りたお金をきちんと返済できるかを示せるかが大切なポイントです。以下のチェック項目を確認しましょう。
・事業の実現性の高さを説明できるか
事業の実現性の高さを示すのに最適なのは、すでに契約の見込みが立っているといった具体的な根拠です。事業として実現できるか、具体的に説明できるようにしましょう。
・利益は保守的に計画できているか
財務計画の数字に誤りがないか、高すぎる利益計画に合わせた無理な返済額になっていないかを確認します。
数字の誤りがあれば、整合性がないと判断され、信用を失うきっかけにもなります。無理な返済計画も同様です。確実に返済できる水準で、なるべく保守的な計画にしましょう。
・借入金額や資金用途に妥当性はあるか
借入金額は、どのくらい必要なのか事業計画から導き出します。その際に、それが具体的に何に利用されるのかを設備資金と運転資金に分けて明示し、借入金額の妥当性を明記しましょう。
金融機関は貸したお金がどう有効活用されるのかに関心を寄せているため、借入時には必ず質問される事項です。
・返済が可能なキャッシュフローがあるか
起業してすぐは赤字が続くことが想定されますが、いつから、どのような理由で黒字に転じる予定なのか、それまではどの資金を使ってどのくらい返済していくのか、といった具体的な数字が記載できているか確認しましょう。返済能力があると判断されれば、融資の審査が通りやすくなります。
ベンチャーキャピタルなどの投資審査に向けて記載しておきたいポイント
ベンチャーキャピタルの場合は、会社に資金を出資(返済不要)して、その会社の株式公開や事業売却などによって資金を回収することで利益を得ているという点が、金融機関の融資とは異なる点です。
そのため、どれだけ企業としての将来性が潜んでいるかをアピールする必要があります。
・高い成長性や収益性が見込めるか
株式公開ができるだけの高い成長性や、高額で売却できる高い収益性のある会社だと感じてもらえるようなアピールポイントがあるかどうかがカギになります。
これから展開しようとしている商品やサービスの将来性や収益性の高さを根拠とともに示しましょう。
・経営者の実績や素質がアピールできているか
金融機関と比較すると、財務計画の堅実性の重要度はやや下がりますが、その代わりに要求されるのが、事業の成長可能性とそれを支える経営者の資質です。そのために、大きな会社に成長する可能性を感じさせる経営者であり続けなければなりません。
経営者のこれまでの実績や人脈、そして、なぜ今この事業にとりくむのか、熱意を持って事業の可能性をアピールしましょう。
・株式比率は高すぎていないか(資本政策は適切か)
ベンチャーキャピタルからお金を出してもらう場合、返済が必要な「融資」ではなく、返済不要な「出資」という形で資金を調達します。
そのため、ベンチャーキャピタルは出資した会社の株式を持ちますが、その比率が高くなりすぎると、経営の自由度が制限されてしまうため、思うような経営ができなくなることが考えられます。
また、場合によっては会社ごと買い取られてしまうことも想定できますので、出資してもらう際の株式比率にはしっかり注意を払いましょう。
■事業計画書のひな型やテンプレートのダウンロード
事業計画書にはきまった形式はありませんが、テンプレートを上手に利用することで、簡潔で読みやすい計画書を作成することができます。
また、文章だけではなく、表データが作成できるエクセルシートや、事業別に作成した事業計画書のサンプルを以下からダウンロードできますので、ぜひ活用してみてください。
「事業計画書のテンプレート・表データ作成用エクセル・事業別サンプル」
■専門家による事業計画書の作成サポート
はじめての事業計画書作りは、進めていくうちに、疑問に思ったり、つまずいてしまうことも多いはずです。
そこで、TOKYO創業ステーションでは、「プランコンサルティング」という創業支援のプロによる事業計画書作成支援サービスを無料で実施しています。
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