創業したけどうまくいかない…事業計画書作成のメリットとは！

創業したけどうまくいかない…事業計画書作成のメリットとは！

「創業を考えているけれど不安だ、失敗が怖い」、「創業したけどうまくいかない」そんな悩みを抱えている方に、「予行練習」としての事業計画書づくりが解決手段となります。運動会に予行練習があるように、創業にも「本番前のシミュレーション」が欠かせません。でもどうやってつくればよいのかと悩む方へ、作成のポイントをわかりやすく紹介しています。

創業してうまくいかないのは「予行練習」していないから？

「創業したけれどうまくいかない…」という声をよく聞きます。 原因はさまざまですが、その中でも多いのが「事業計画書を作らずにいきなり創業してしまった」ケースです。もちろん事前の準備を何もしないで創業したわけではなく部分的には準備をしたと思いますが、全体的なシミュレーションまではしていない方が多いようです。みなさん、子供の頃、運動会の時に予行練習しませんでしたか？ 創業も同じ、ビジネスをうまく起動させるには運動会と同じように予行練習が必要です。 事業計画書を作成するメリットは、事前に創業の予行練習ができるので、創業後のリスクを軽減できることです。

創業における「予行練習」とは？

それは事業計画書をつくるということです。 事業計画書の中には、ビジネスを軌道に載せる要素が詰まっているので、それらを「紙」の上でシミュレーションすることで予行練習になります。 「紙」の上でのビジネスなら、失敗しても傷つきません。むしろ、失敗の原因を発見し、「どうすればスムーズにいくのか？」を考えるチャンスになります。 これこそが、事業計画書を作成する最大のメリットです。

でも事業計画書、どうやって作ればいいの？

「大切なのは分かったけど、どうやって作ればいいの？」と悩みますよね。 まず、事業計画書ってこんなことを書けばいいんだと、「事業計画書の全体像」を捉えましょう。 全体の流れを理解すると、どこから何を考えていけばよいかが明確になります。

事業計画書の全体像を把握しよう

事業計画書の全体像や流れは以下の通りです。
最初は準備段階としてどんなビジネスを展開するのかを考え、そのビジネスの強みや市場ニーズなどを確認してビジネスチャンスを発見しビジネステーマを決めます。 ビジネステーマが決まったら、次に「どんな商品・サービスを売るのか」を考えていきます。その商品やサービスを提供することで、お客様が満足し、また購入したい・利用したいと思う商品開発をしていきます。 さらに、その商品やサービスを、どこで売るのか？いくらで売るのか？どうやってお客様に知っていただくのか等を考えていきます。 その後、お金の計算をして、最後にシミュレーションするという流れです。

作成準備をしよう

いきなり事業計画書をつくろうと思うと敷居が高いので、まず準備体操から始めましょう。「事業計画書の全体像」をつかんだら、作成の準備をしていきます。 そもそもなぜこのビジネスをやろうと思ったのか、スタートに戻りビジネスの根幹を考えてみましょう。創業して成功した方の共通点があります。それは、ビジネスに対する「想い」が強いということです。 このビジネスをどうしてもやりたかった、という熱意がさまざまな困難を乗り越えてく原動力になったようです。ただ、その想いも独りよがりなだけではなく、そのビジネスをやり遂げる力や市場ニーズがあることが必要です。 このビジネスを展開することでお客様にこんなメリットを提供できる。だからなんとしてもやり遂げたいという熱意です。 ビジネスは、皆さんが作り出した商品やサービスを、お客様に買っていただくことで成り立ちますから、お客様に「この商品が欲しい！」と思ってもらう「お客様目線」が欠かせません。

事業計画書のマーケティング計画

一般的に、事業計画策定におけるマーケティング計画で、インスタグラムを含めたSNSで情報発信すれば、お客様が集まると簡単に考えていらっしゃる方が散見されますが、それだけではなく他の視点も重要です。お客様はどういう人たちなのか？その商品やサービスを、どこで売るのか？いくらで売るのか？どうやってお客様に知っていただくのか等も含めて考えていきます。

みんなが苦手なお金の計算

創業した方が一様に言う言葉に「こんなにお金がどんどん出ていくとは思わなかった」があります。 なぜそんなにお金が出ていくのでしょうか？ それは、事前に創業にどれくらいお金がいるのか資金計画がきちんとできていない場合が多いためです。 お金の計算も２つの分野があります。 「資金計画」と「損益計画」の両面から計算することが大切です。

資金計画と損益計画

創業するときにお金がいくら必要なのかを考えるのが資金計画です。 資金計画とは、創業に必要な資金がいくらなのかを洗い出し、その金額をどう調達するのかを表したものです。「必要資金」は設備資金と運転資金から算出しますが、運転資金を計算に入れていない方が多いので途中でお金が不足する場合が出てきます。また、その必要資金をどうやって調達するのかも考えていきます。自己資金で不足する場合は、金融機関から借り入れをします。 金融機関から資金を借りたいとき、「どうやって返すのか？」について説明が必要ですよね？ そのために、損益計画をつくります。○○万円売り上げて経費は△△万円なので、利益は★★万円です。この利益から返済していきます等です。 ただし、この計算は机上のものでしかないので、売上の根拠をしっかりマーケティング計画で詰めていく必要があるのです。

まとめ

創業を成功させるには、ビジネスの予行練習＝事業計画書の作成が欠かせません。 全体像を把握してステップを踏めば、計画書はぐっと作りやすくなります。 そして、事業計画書の二本柱は「マーケティング計画」と「資金・損益計画」。 どちらも自転車の両輪のようです。どちらが欠けてもビジネスのバランスが崩れます。 「もっと詳しく学びたい」「自分の計画を一緒に整理したい」という方は、 ぜひ創業ステーションへご相談ください。あなたの創業を全力でサポートします！

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著者：金 順玉(きむ すのう)
TAMAプランコンサルタント　

家業である飲食店等の経営において、売上促進や業態転換などの経営戦略に携わり、その後経営コンサルタントとして独立。延べ2000社以上の様々な業種の経営改善に携わるなかで、SNS等で情報発信する前に、お客様にとって魅力ある商品作りや演出が不可欠なことを数多く経験。そのため、売上アップに必要な「お客様が欲しい商品・サービスの開発や演出」支援を多く展開している。 何もないところからビジネスを起こす創業支援や、創業セミナー講師を多数経験し、初心者にわかりやすく伝えることに定評がある。中小企業診断士、消費生活アドバイザー。