起業準備は何から始めるの?事業計画書って必要なの?

起業準備は何から始めるの?事業計画書って必要なの?

創業羅針盤

TOKYO創業ステーションの「創業羅針盤」。創業に必要なステップを見える化し、創業準備状況をつかみやすくします

起業の準備に必要なステップとは?

 まず、起業したいと思った時には、その方の起業理由や背景があると思います。 例えば、現在、食品メーカーに勤務していて、フードロスの問題が気になり、その課題を解決したいと強く思うようになり起業を決意したとかです。自身の原体験があったり、サービスや製品のユーザーとして課題があったり、または、地域社会などの課題があったりと、その課題解決に向けて起業したいとか様々です。

まずは、自分自身はなぜ起業するのか、どの課題や問題を解決するために起業するのか? 自身に問うことから始まります。起業は「問い」から始まるのです。「なぜ、自身は起業するのか?」を整理することです。そして、「あなた」にしかできないことが必ずあります。

そして次のステップでは、ビジネスアイディアを整理していきます。想定顧客の「課題」を「解決する」ことが基本的な考え方になります。

例えば、英語が好きで海外にも住んでいた経験がある方が、外国の方と英語でのコミュニケーションが取れないと悩む社会人がいるとして、英語でコミュニケーションできるような英会話コミュニティスクールを立ち上げたいなどです。

こちらの顧客の課題は、「外国人との英語でのコミュニケーションが取れないし、外国人とのネットワークも持てない」
その解決は、「自身の海外ネットワークで外国人と英語でコミュニケーションできるオンライン型のスクールを立上げ、コミュニティ化していく」とかです。

そしてアイディアの整理ができたら、仮説検証が必要になります。それは想定顧客へのカスタマーインタビューとかができればベターです。顧客が抱えている課題やその解消方法などをヒアリングする。最終的には自社製品やサービスでその課題が解消されるのかなどを検証していきます。
TOKYO創業ステーションTAMAではテストマーケティング支援を無料で展開しており、仮説検証の場を提供しております

テストマーケティング
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B to Bだとヒアリングが難しいかもしれないですが、ユーザーに近い方や第三者の方などに意見や反応を聴くことは必要です。また同時に、市場調査や競合調査を行っていきます。 市場調査や競合調査については、WEB検索等でも調べることが可能ですのでコストを掛けずに調査することをお勧めします。仮説検証や調査などからビジネスモデルを構築していきます。 最終的には、計画に落とし込み、収支計画や資金繰り表など収益面での計数管理をまとめて、損益分岐点などを把握することで、計画的な黒字化に向けた事業モデルを構築していきます。
起業準備のステップは大枠としては、以下になります。

① 起業理由や背景の整理
② ビジネスアイディアの整理
③ 仮説の検証・市場及び競合の調査(ビジネスモデルの構築)
④ 計画として落とし込む(収支計画や資金繰り表、販売計画など)

起業準備者お一人で作成するにはハードルが高いと思います。
TOKYO創業ステーションでは羅針盤をベースに事業計画書策定支援を行っております。

事業計画書って必要なの?

質問として、「そもそも事業計画書って必要なのか?」との言葉を多くの方から伺います。 事業計画書が必要な理由は以下になります(他にもあると思いますが)。

① 起業の疑似体験ができる(ビジネスの勘所が分かる)
② 未来地図になる(半年後、1年後、3年後、5年後の未来が創造できる)
③ 資金調達では必ず必要になる(融資、投資、助成金など)
④ ビジネスパートナーへの説得材料
⑤ 人材雇用などの雇用時の説明資料(ビジネスの将来性)
⑥ 仕入れ先や取引先への説明資料 など

さらに言えば、「事業計画書を作成しても計画通り行かないですよね!」、「計画通り行かないのに、作る必要ってあります?」とのご意見です。

結論から言えば、「作れるなら作ってください!中小企業でも大企業でも事業計画は作成するのが一般的です。」が答えです。

計画通り行かない難しい起業において、事業計画書なしで上手く経営することは至難の業です。特に計画通り行かない理由として、「目標売上の未達(売上見込みが甘い)」、「予想外の支出が増えた(想定が甘い)」、結局は資金が枯渇してゲームオーバーになるのが負けパターンです。

売上目標の未達には、さまざまな要因がありますが、基本的には顧客にリーチできなかったことが最も多いパターンです。また、営業活動から受注、売掛金の回収までのプロセスを短く見積もっているケースもあります。この商品やサービスなら飛ぶように売れると思ったけれど、全く売れなかった。競合先にもっといい商品やサービスがあった、などです。

起業には2つの壁があります。1つは「喰えない」という壁、それがクリアできると次には、「喰われる」という壁です。

「喰えない」は、単純に顧客がつかなくて喰っていけない事です。その次は顧客が付いて喰っていけるようになると、競合他社がその市場に参入して「喰われる」ことです。

カフェを経営していて、なんとか固定客がついて黒字の見込みが付いたのに、スタバが隣に出店して売り上げが激減しましたみたいな感じです。店舗運営などでは、現時点では脅威となる競合他社が存在してなくても、突然現れることもあります。

だから、計画通りに行かないのです。しかしながら、自分にしかできないビジネスモデルや事業計画を丹念に構築して、何度も想定顧客にインタビューして、独自性のある他者が真似できないビジネスを作り込めば、また、コスト面でも変動費ならここのコストを調整すれば売り上げが減っても耐えられるなどの勘所が分かっていたら、結果は大きく違ってくると思います。

そもそも事業計画書は一回作ったらお終いではないのです。その計画書に手を加えて作り直していくことが必要なのです。決算期毎に、事業計画書の見直しを行っていくことをお勧めいたします。

リーンスタートアップの考え方とは?

 リーンスタートアップとは、コストを掛けずに最低限の製品やサービスに絞った必要最小限の価値提供できるプロダクト(サービスなら企画イメージ案など)を短期間でつくり、顧客となり得る方に直接インタビューやヒアリングを行って、反応や意見などを的確にキャッチアップして、今まで顧客が抱えていた課題を解決できる製品・サービスを開発するマネジメント手法です。

しかし、起業には大きく分けて2パターンあります。
スタートアップ(高成長を目指す起業)とスモールビジネス(既存事業やフリーランスなど)の2つになります。

スタートアップは多くの資金を集めて、一気にスケールすることで事業資金を回収していきます。スモールビジネスは既存ビジネスで勝ちパターンを見つけて着実に利益を生み出していきます。

リーンスタートアップ

このスタートアップ型起業については、リーンスタートアップのステップで事業構築することをお勧めいたします。例えば、世の中でまだ類を見ないビジネスとか、WEBアプリ系ビジネスなど事業アイディアやビジネスモデルをしっかりと構築していくものが該当すると思われます。

アイディア整理にはリーンキャンバスを活用して、ビジネスモデルを柔軟にピボット(方向転換)していきます。事業計画書をいきなり作成する前に、このリーンキャンバスを活用して、顧客の反応を的確に捉え、何度も何度も繰り返しアイディアを整理していくことが重要です。

リーンキャンバス

しかしながら、リーンスタートアップ手法で起業するにしても資金調達の段階では、事業計画書がないスタートアップに投資する投資家やVCは殆ど存在しません。当然ながら、融資や助成金でも同様です。
資金調達する際は、いずれ事業計画書を作成することになります。

第3者の存在が重要!

 起業に必要なものは3つあると言われております。

① モチベーション
② 資金
③ 協力者やサポーター

当初はモチベーションが高かったのですが、ビジネスを始めて売上が到達しないと、日増しに資金が減っていくことでモチベーションが下がって、廃業するケースも少なくありません。

そうならないために、起業前に協力者やサポーターに相談できる仕組みを構築することが大切です。TOKYO創業ステーションTAMAでは、全て無料のサービスになっております。

Startup Hub Tokyoでは先輩起業家であるコンシェルジュと無料相談ができます。また、Plannning Portでは中小企業診断士を中心とした起業の専門家や資金調達・マーケティングなどの専門家と無料相談もできます。事業計画書策定支援も無料で実施しております。

事業計画書はお一人で作成していくことは大変難しく、近視眼的なモノになりがちです。 第3者の目線で様々なアイディアや専門知識を取り入れることで、起業後の事業可能性を高めていくことが大切です。

まとめ

起業される方には、本当に素晴らしい挑戦であると心から賛辞を贈りたいと思います。 2011年中小企業白書では、起業が国民経済に与える影響を、①経済の新陳代謝と新規企業の高い成長力、②雇用の創出、③起業が生み出す社会の多様性の3つの観点で述べられております。したがって、起業される方が増えれば日本経済においてメリットは大きいと言えます。

生みの苦しみはあると思いますが、最も重要なのは起業後の順調な経営に尽きると思います。あなたの素晴らしい未来を応援させていただき、あなたのワクワクするビジネスに、ひとりでも多くの熱狂的なファン(顧客)を一緒に創造させていただければありがたいです!

TOKYO創業ステーションTAMAでは、あなたのアイディアに寄り添いながら同じ目線で、あなたの夢の実現を一緒に応援できればと思っております。ご利用をお待ちしております!

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著者:TOKYO創業ステーションTAMA 運営責任者 山本康博
食品メーカーの法人営業、コンビニ大手のマーチャンダイザー(MD)、営業コンサルタント等を経て東京都中小企業振興公社にて、主に新規事業立ち上げ業務や販路開拓支援(国内及び海外)、タイ・バンコク駐在員(2年間)、創業・スタートアップ支援に従事。中小企業診断士。

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