起業するなら知っておきたい競争優位の戦略

起業するなら知っておきたい競争優位の戦略

 事業計画を考える上で、競合分析は必ず必要になります。事業を成功させるためには、競合よりも優位に立たなければいけません。今回は競合他社に対して優位性を築くためのマイケル・E・ポーターの「3つの基本戦略」についてご説明します。

競争優位の戦略

3つの基本戦略とは

  1. 1,コスト・リーダーシップ戦略

  2. 2,差別化戦略

  3. 3,集中戦略

競争優位のタイプとターゲット層

3つの基本戦略とはマイケル・E・ポーターが競争の戦略において提唱した基本戦略の事で、今でも世界中で活用されております。企業は3つの基本戦略のいずれかで卓越した戦略を構築することが競争優位に立つためには必要であると言われています。

1,コスト・リーダーシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは低コストにより優位に立つ戦略です。規模の経済と、経験曲線の理論により低コストを実現する事で、高い利益やシェアの拡大などの優位性が期待できます。ただし、過度な価格競争に巻き込まれてしまう可能性があるので、潤沢な資源がある大企業向けの戦略になります。

2,差別化戦略

差別化戦略とは、競合他社とは違う独自性を出すことで優位に立つ戦略です。差別化は、商品の機能性、ブランドイメージ、サービス、品質やデザインなどで行われます。競合他社に模倣されてしまうと、差別化の優位性を失うリスクがある為、一番大切なのは競合他社に模倣されないような、他社にはない製品、サービスを提供する必要があります。差別化の手法としては、ブランドイメージ等は「○○県産使用」「職人による手作り」「オーガニック」など宣伝広報活動による差別化する方法があります。また、製品スペックがはっきりしており購入前に比較し判断できるような製品(PC等)には、CPU ××第○世代×○i9、 GPU R○X××90、メモリ16GB、SSD 1TBといった形で物理的な差別化をする方法もあります。

3,集中戦略

集中戦略は市場をより細分化し特定のターゲット、分野、地域などに資源を集中させる戦略です。競争優位が低コストの場合はコスト集中となり、差別化戦略の場合は差別化集中となります。コスト集中は特定のターゲットに資源を集中させるため、競合他社よりもコスト面で優位に立つことが出来ます。差別化集中は、ターゲットや地域を絞ることで差別化し、唯一無二を目指すような戦略です。ブランド価値を高め、特定の顧客との密接な関係を構築できます。ターゲットが小さすぎると、利益の確保が困難になることもあるので注意が必要ですが、コスト面で優位に立つことが難しい中小企業では差別化集中戦略を取る企業が一番多いです。

まとめ

今回は3つの基本戦略についてご説明してきましたが、このように競合優位に立つためには、自社の強みや優位性を探し最適な戦略を考えていく必要があります。 → 自社の強みを見つける!VRIO分析とは?
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著者写真著者:TOKYO創業ステーションTAMA Planning Port 事務局 小野
大学卒業後に外資系金融機関で中小企業向け金融商品の法人営業を経験した後に(公財)東京都中小企業振興公社に入社し創業支援に携わる。事業戦略部 多摩創業支援課 地域連携担当 多摩ものづくりスタートアップ起業家育成事業担当 テストマーケティング担当 TOKYO創業ステーションTAMA公式ブログ「創業羅針盤Blog」運営