【イベントレポート】6/2開催「量産への道 ~ものづくり起業家が語る試作開発からのプロセス~」
【イベントレポート】6/2開催
「量産への道 ~ものづくり起業家が語る
試作開発からのプロセス~」
都内で事業化を目指すものづくり起業家におくる、試作から量産する際に直面する壁を乗り越えるためのスペシャルトークショー!今回は「量産への道:ものづくり起業家が語る試作開発からのプロセス」をテーマに、株式会社マリス creative design 代表取締役の和田康宏氏にご登壇いただき、ものづくりスタートアップが試作から量産へ移行する際の重要なポイントや失敗例、成功のためのプロセスについてお話いただきました。
目次
ものづくりスタートアップの失敗パターン

失敗パターン:
- 「安いから」という理由だけで外注先を選ぶと失敗することが多い
- 契約書や仕様書が不十分なまま発注すると、思った通りに動かないものが納品される
- 設計図や回路図を残さないと、次の試作につながらず無駄になる
- 試作と量産を別世界と考えると、量産フェーズで全て作り直しになる
契約書には仕様やテスト方法を明記し、自前でのテストを怠らず、技術者の専門分野を確認することが重要。また、設計図や回路図を含むドキュメントを保管し、次回の試作に活かすことも失敗を防ぐ鍵です。
試作から量産へのプロセス

- スタートアップこそプロセスが必要
- 設計→試作→検証→再設計という再現可能なプロセスを意識すべき
- PoC(概念実証)→アルファ版→製品版という段階を踏むことが重要
- 外注先も含めたチームとして考え、一緒に改善点を検討する姿勢が必要
ものづくりのプロセスでは、PoC(概念実証)からアルファ版、製品版、そして量産までの各段階で設計と評価を更新する必要がある。資金不足から試作段階を省略しがちだが、特にユーザーのフィードバックを反映させる際には、外注先をチームの一部として一緒に考えることが重要です。改善や設計変更を丸投げせず、協力して進めることで、品質向上と量産時の不良率低減を目指すべきです。
量産設計のリアルな現場

- 「1台作ったのと、百台千台作る設計は違う」
- 量産設計に求められるのは「再現性」
- 同じ部品でもロットが違うと微妙に動きが変わる
- 組立性を考慮した設計も量産では重要
量産設計の成功には、ニーズの確認と顧客との関係構築が不可欠。まず、顧客のニーズを明確に把握することが重要で、これに基づいて製品を開発し、PoCを通じて実際に使用してもらうことでフィードバックを得ます。顧客の見つけ方は、足を使ってニーズを探ることが基本です。製造事業者の選定も慎重に行い、ニーズを満たすパートナーシップを築くことが大切です。また、創業期には計画段階でのリスクを抑えるため、現実的な計画を立てることが求められます。
質疑応答

Q:試作を依頼する製作所選びで、正しい発注先を選ぶポイント、視点は?
A:製作所やパートナーの技術力を見極めることが重要。特に要件定義を明確にし、それに対する技術やスキルが備わっているかを確認する。
Q:試作先の探し方と支援事業でのサポートについて?
A:経験者に相談することや、人づてで情報を得ることが効果的。小ロット生産を引き受ける企業やスタートアップ向けの企業が増えているが、直接問い合わせることが重要。また、メンターを通じて情報を収集する方法もオススメ。
Q: 小ロット生産は可能か?
A: 小ロット生産をしてくれるメーカーを探すことは可能です。量産契約が前提でないところを選び、初期段階から相談しましょう。
Q: 設計図や回路図の重要性は?
A: 設計図や回路図を確実に入手することが重要です。これにより無駄な試作を避け、量産へのプロセスが明確になります。
Q: 試作段階での販売計画の必要性は?
A: 試作段階でも販売計画と戦略を考えることは必須です。資金調達においても大事な要素です。
Q: スタートアップが注意すべきことは?
A: 外注先と密なコミュニケーションを取り、パートナーシップを築くことが重要です。丸投げせず、チームとして協力しましょう。
登壇者情報
登壇者:
和田 康宏氏
株式会社マリスcreative design 代表取締役
国立大学法人九州工業大学
客員教授
「障害者を技術で自立させる」「日本に技術を復活させる」という思いから(株)マリス creative designを設立。歩行アシスト機器seekerの開発、車の無線化や業務用機器などあらゆる製品の量産化に携わる。現在もテックベンチャーサポートと共にCTO育成も行う。前職は日立、ソニーにて、製品開発、量産化を担当。マイコン回りからモーター制御まで幅広く担当。ロボット犬開発のシステム設計から足回りを全て担当しシステムを0から構築。
多摩ものづくりスタートアップ
起業家育成事業

ものづくりの新たな挑戦
ものづくりの
新たな挑戦
Transforming Ideas into Innovations
ものづくり起業家が量産化試作の際に直面する課題の解決を後押し
ものづくり分野での起業を促進するため、自ら製品を開発して事業を立ち上げようとしている起業者の方を対象に、プロダクトの販売に向けた試作開発及び検証に向けた取組を最長2年間に亘って支援します。
なお、令和6年度の募集は終了しております。大変恐縮ではございますが、次回の募集をお待ちください。
多摩ものづくりスタートアップ起業家育成事業
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