【創業者必見】アイデアを奪われない・資金調達を勝ち取る!スタートアップのための「攻めと守り」の知財戦略

【創業者必見】アイデアを奪われない・資金調達を勝ち取る!スタートアップのための「攻めと守り」の知財戦略

ものづくり
多摩ものづくりスタートアップ起業家育成事業

「多摩ものづくりスタートアップ起業家育成事業説明会&スペシャルトークショーVol.2 知財から生まれる未来価値 社会実装を見据えた攻めの知財戦略」と題したスペシャルトークショー!
ものづくりスタートアップの成長に不可欠な「知財戦略」をテーマに、試作・PoC※1・ 量産と進む過程で直面する課題を踏まえ、守りだけでなく「攻めの知財」の重要性に ついてお話をうかがいました。

※1 PoC:Proof of Concept :新しいアイデアや技術などの実現可能性を、本格的な開発に入る前に小規模な実験や試作で検証するプロセス。

自社の強みを守る「5つの知的財産」

「知財=特許」とだけ考えていませんか?
自社の製品やサービスを守るためには、複数の知財を組み合わせて総合的に保護することが重要です。

自社の強みを守る「5つの知的財産」
知財の種類 保護の対象 創業者(初心者)の注意点
特許権 発明・技術(構造、制御方法など) 世に出す(公開する)前に出願が必須。
意匠権 デザイン・形状(見た目) 同じく公開前の出願が必要。使いやすさや形を守る。
商標権 サービス名・ロゴ・社名 他社に先取りされると使えなくなる。決定次第すぐ出願。
著作権 ソフトウェア、アプリ画面、説明書 契約で権利帰属を明確化するとともに、利用許諾の範囲も確認する。
営業秘密 ノウハウ、顧客リスト、製造条件 「秘密」としてアクセス制限等の管理をしないと法的に守られない。

創業者が陥りやすい知財の「5つの落とし穴」と対策

ここからは、実際にスタートアップが事業を進める中で直面するリアルな課題と、その対策を解説します。

創業者が陥りやすい知財の「5つの落とし穴」と対策

1. 情報公開の落とし穴:「新規性」の喪失

最も多い失敗が、特許を出願する前に情報を外に出してしまうことです。

注意点: 特許の要件には「世の中に知られていないこと(新規性)」があります。展示会での発表、ピッチイベントでの登壇、プレスリリース、さらにはベータ版※2の公開であっても、出願前に公開すると原則として特許は取れなくなります。
対策: 外部に公開する前に、まずは弁理士や弁護士に相談し、特許出願を済ませましょう。「既に公開してしまった!」という場合でも、その後の「改良ポイント」で特許を取れる可能性があるので、決して諦めずに専門家に相談してください。

※2 ベータ版 :正式リリースの前に、実際のユーザーに試して貰うために提供する「テスト段階の製品」のこと。

オススメ!ベータ版リリースを含め、新商品開発のステップを解説したブログも参考に。
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2. 出願の落とし穴:「特許」にするか「ノウハウ」で隠すか

すべて特許に出せばいいわけではありません。何を公開し、何を秘匿にするかの設計が知財戦略においては重要になります。

特許で守るべきもの: 分解すれば構造が分かるものなど、外から見て「他社が真似していることを見つけやすい(侵害検出性が高い)技術」。
ノウハウで守るべきもの: 独自の配合、温度調整、製造プロセスのコツなど、「他社が気づけない技術」。これを特許出願してしまうと、世界中にレシピを無料公開するのと同じになってしまいます。

3. 契約の落とし穴①:NDA(秘密保持契約)を過信しない

大企業との商談でNDA※3を結んだからといって、安心するのは危険です。

注意点: 「秘密」と明記したものしか保護されない契約になっていたり、相手がルールを守らずに情報が漏れてしまったりするケースがあります。NDAに違反されても、損害額の算定は非常に困難です。
対策: NDAは万能ではありません。「本当に漏れては困るコアなノウハウは、NDAを結んでいても相手に教えない」のが鉄則です。
※3 NDA:Non-Disclosure Agreement 

4. 契約の落とし穴②:PoC(実証実験)と開発委託での権利奪取

大企業から「技術が面白いから、少しうちの製品で試作(PoC)してみてよ」と言われた時は要注意です。

注意点: 費用をもらって開発や試作を行うと、法律の原則や相手のひな型契約書では「お金を払った大企業側にすべての知財権利が帰属する」ことになりがちです。これでは自社の強みをタダ同然で吸い取られてしまいます。
対策: PoCの目的は「技術の検証」のみに限定し、そこから生まれた知財はスタートアップ側に帰属すると契約でしっかり定めましょう(経済産業省の「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書」が強力な交渉材料になります)。どうしても権利を求められた場合は、「自動車分野の権利は譲るが、それ以外の分野の汎用技術は自社に残す」といった切り分け交渉が必要です。
オススメ!ものづくり起業において、PoCの重要な役割について解説したブログです。
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5. 資金調達の落とし穴:投資家は「特許の数」ではなく「質」を見ている

特許は取得にお金がかかりますが、出願費用をケチった結果、会社が損害をおいかねません。

注意点: 現代の投資家(特にディープテック系VC)は、単に特許を出しているかだけでなく「その特許で本当に競合を排除できるのか」「少し変えられたら逃げられる特許ではないか」という中身まで厳しくチェックします。
対策: ピッチの際は「この技術によってニッチ市場を独占できる。なぜなら、このコア技術を特許でしっかりブロックしているからだ」という「知財による参入障壁(ニッチトップセオリー)」を説明できるようにしましょう。特許がない=投資を受けられない=会社が生き残れない、という厳しい現実を認識することが重要です。

登壇者情報

登壇者

登壇者:
鮫島 正洋氏
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表弁護士


東京工業大学金属工学科卒業。
藤倉電線㈱(現㈱フジクラ)にてエンジニア(電線材料の開発)、1992年に弁理士登録後、日本アイ・ビー・エム㈱にて知的財産業務を経て1999年弁護士登録。 2004年弁護士法人内田・鮫島法律事務所を設立、現在に至る。 弁護士業務の傍ら、知財戦略や知財マネジメント、知財政策など、法的・知財的な視点で多方面に向けた発言を行う。2012年知財功労賞受賞。 著書;「技術法務のススメ 第2版」(日本加除出版2022)〔共著〕、「オープンイノベーショ ン時代の技術法務 スタートアップの知財戦略とベストプラクティス」(日本加除出版 2024)〔共著〕など。 2011年直木賞受賞作品「下町ロケット」に登場する神谷弁護士のモデル。

登壇者

登壇者:多良 翔理氏
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士


早稲田大学先進理工学部応用物理学科卒業後、東京大学法科大学院修了。
司法修習(75期)を経て、2023年弁護士登録。 理系出身の強みを活かし、企業法務や紛争対応といった基本的な法務サービスに加え、 技術・ビジネスへの理解を基盤とした知財戦略の立案や研究機関・大学への支援にも携わる。 法務・知財・技術を横断的に捉えた実践的な助言を提供。

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ものづくり起業家が量産化試作の際に直面する課題の解決を後押し

ものづくり分野での起業を促進するため、自ら製品を開発して事業を立ち上げようとしている起業者の方を対象に、プロダクトの販売に向けた試作開発及び検証に向けた取組を最長2年間に亘って支援します。
なお、令和6年度の募集は終了しております。大変恐縮ではございますが、次回の募集をお待ちください。
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