【イベントレポート】7/7開催 「CxO採用とチームビルディング」

【イベントレポート】7/7開催
「CxO採用とチームビルディング」

ものづくり
多摩ものづくりスタートアップ起業「CxO採用とチームビルディング」

都内で事業化を目指すものづくり起業家におくる、試作から量産をする際に直面する壁を乗り越えるためのスペシャルトークショー!
第三弾は会社の“人と組織”に注目し、「CxO採用とチームビルディング」と題したイベントを開催しました。登壇したのは、株式会社マリスcreative design代表取締役の和田康宏さん、株式会社Crossdoor代表取締役CEO兼一般社団法人PHAZE代表理事の大舘陽子さん。お二人はエンジニアとしてキャリアをスタートし、実際にご自身の会社を立ち上げられた経験があります。そんな背景から、今回ものづくり企業におけるCxOの採用とチームビルディングについて、リアルな実体験を交えながらお話いただきました。

目次

いつ頃からCxOは必要?

いつ頃からCxOは必要?

CxOが必要なタイミング:

  • 事業を始める際には「CxO」の種類を問わず、相談する相手になる人が最低一人はいるといい
  • 前提として事業を進める上で、足りないところが出てきた際に「CxO」を採用し、補う
  • 基本的には“出会い”なので、事業を進めながら必要なスキルを持った人を探していく

例:

  • 経営者がエンジニアだった場合、技術面以外のスキルを補ってくれるCEOやCOO候補を採用する

POINT 
まずは事業フェーズにおいて必要なものは何かを考えよう。考えた上で、事業を進めるための不足がある場合には、そこを補ってくれるひとを探しにいこう。

CxOの採用手段

ベンチャースペシャリスト 竹山将志様

採用手段:

  • リファラル
  • エージェント経由
  • インターン募集
  • (特定の人に対して)ダイレクトメール・メッセージを送る


よくある失敗例:

  • 肩書をみて「自社の即戦力人材になりそう」と判断したが、期待したほどのスキルを持っておらず、採用した後にミスマッチだったことが分かった
  • 前職の上司を誘って事業を始めたが、上司の持っているスキルを理解しておらず、実際には任せたい仕事に対するスキルセットを持っていなかった
  • 事業の初期フェーズで、専門性の高い人を採用してしまい、自分の専門領域を超えた仕事には全く関与してくれなかった

大切なこと:

  • 職場の同僚や友人をリファラル採用する場合にも、採用後のミスマッチを起こさないよう慎重に行う 例)社員登用前に3ヶ月の試用期間を設けるなど
  • 試用期間でお互いのスキルや条件がマッチングしたら、本採用を検討する

POINT 
ご自身の事業のロードマップを踏まえて手段を検討しよう。採用後のミスマッチを防ぐために、たとえリファラルだったとしても慎重に行おう。

CxOの報酬

ベンチャースペシャリスト 竹山将志様

報酬の種類:

  • 給料
  • 株式、ストックオプション

大切なこと:

  • 株式やストックオプションは、一度共有すると取り戻すことが難しいため、実行する際には慎重に行おう。

POINT 
できるだけシンプルな形で対価をお支払いしよう。例)業務時間に対する報酬など

チームビルディング

ものづくり事業に必要なスキル:

  1. 機械設計エンジニア
  2. 電子エンジニア
  3. ソフトウェアエンジニア

プロダクトを量産するためには、上記のスキルをもった人材を集める必要がある。

ものづくり分野で働くひとのタイプ:

大きく分けて以下の2タイプに分かれる。

  • 企画から製品になるまでの一連の流れ全てに携わりたいひと
  • 自社製品を広めるための施策や企画を考えるひと

大切なこと:

どちらのタイプがCxOに向いているのかは、事業の内容によって異なる。ただし、どちらのタイプを、どこのポジションに配属するのかは、事業の成長に大きく影響するため、しっかり見極めた上で人材配置を検討しよう。

POINT 
まずは候補者のタイプを見極めよう。そのあとは事業の内容やフェーズなどを踏まえた上で、候補者の最適なポジションを考えよう。

質疑応答

質疑応答 起業家が陥りがちな失敗とは?

Q:CxOが参画する場合、適切な順序はあるか?

和田さん:事業の内容によるため、一概には言えない。ただしものづくり事業においては、プロダクト開発にある程度の資金が必要になる場合が多いため、CEOやCTOの次に、資金面をサポートできるCFOを採用することが理想的。

大舘さん:和田さんの意見に同意。その上で、ものづくり事業は他の事業と比べてもやらないといけないことが多いため、早い段階で組織全体を見渡せる人がいると安心。CFOと同じくらいのタイミングでCOOを採用できるのが理想的だと感じる。

Q:CxOとして採用したい人がいるが、どのように報酬を提示したらよいか?

和田さん:まずはお試し期間のなかで、金額についてもお試し価格ですり合わせを行う。

大舘さん:CxOの採用であれば、会社の資金繰りについても素直に共有した上で、報酬の金額感や条件についてすり合わせを行う。

今回のイベントでは、起業家のお二人に、ものづくり事業におけるCxOの採用とチームビルディングについてお話しいただいた。質疑応答の時間では、ものづくり事業に関心のある方や実際に事業を持つ方々から、ご自身の事業と照らし合わせた具体的な質問が飛び交っていた。会社の中心メンバーであるCxOの採用においては、たとえ知り合いを仲間にする際にも、“慎重に行う”ということがカギになりそうだ。ご自身の事業のロードマップを踏まえて検討した上で、適切な採用やポジション、報酬を決定していこう。

登壇者情報

登壇者登壇者:
和田 康宏 氏
株式会社マリスcreative design 代表取締役 
国立大学法人九州工業大学 客員教授


「障害者を技術で自立させる」「日本に技術を復活させる」という思いから(株)マリス creative designを設立。歩行アシスト機器seekerの開発、車の無線化や業務用機器などあらゆる製品の量産化に携わる。現在もテックベンチャーサポートと共にCTO育成も行う。前職は日立、ソニーにて、製品開発、量産化を担当。マイコン回りからモーター制御まで幅広く担当。ロボット犬開発のシステム設計から足回りを全て担当しシステムを0から構築。

登壇者登壇者:
大舘 陽子 氏
株式会社Crossdoor 代表取締役CEO  
一般社団法人PHAZE 代表理事


2008年に大学卒業、上場企業にエンジニアとして入社。その後事業戦略を担当。2011年に独立し合同会社orangeを設立。2013年4月から個人事業主として活動し、10月に旅行関係のWebサービスというアイディアで株式会社をひとりで起業する。2015年4月一般社団法人PHAZEの設立に参加し、社団法人の立ち上げに関わる。当初はIT分野のサポートからの関わり現在は代表に就任。京都で人材育成事業を運営なども実施。2015年6月株式会社Pluto(現株式会社Crossdoor)にCOOとして参画し、代表取締役CEOに就任。インターネットを通じ、家の外から、家庭内の家電をコントロールするサービスを提供。

多摩ものづくりスタートアップ
起業家育成事業

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ものづくりの新たな挑戦

ものづくりの
新たな挑戦

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ものづくり起業家が量産化試作の際に直面する課題の解決を後押し

ものづくり分野での起業を促進するため、自ら製品を開発して事業を立ち上げようとしている起業者の方を対象に、プロダクトの販売に向けた試作開発及び検証に向けた取組を最長2年間に亘って支援します。
なお、令和6年度の募集は終了しております。大変恐縮ではございますが、次回の募集をお待ちください。
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